オズのトト
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第八幕その十
「美味しいし、お茶もね」
「そうそう、お握りにはお茶だよね」
「日本のね」
それだというのです。
「それがね」
「一番合うんだね」
「これが紅茶だと」
少し苦笑いをして言った恵梨香でした。
「どうもね」
「お茶はお茶でもだね」
「今一つね」
「合わないんだね」
「特に甘い紅茶はね」
お砂糖を入れたそれはというのです。
「合わないと思うわ」
「そうなんだね」
「そう、それでね」
さらに言った恵梨香でした。
「お茶はね」
「甘くない、だね」
「日本のお茶よ」
それが一番合うというのです。
「私はそう思うけれど」
「そうだね、お握りだとね」
実際にとです、トトも言います。
「甘いお茶はね」
「合わないわね」
「そうした食べものだね」
「そうなの、だから私もね」
「お握りの時はだね」
「日本のお茶なの」
それを飲むというのです。
「それを飲んでるの」
「それでサンドイッチの時は」
「色々飲むでしょ」
「うん、皆と一緒でね」
「紅茶も牛乳もコーヒーもね」
そういった飲みものをというのです。
「ジュースも飲むけれど」
「お握りについては」
「もう日本のお茶よ」
それしかないというのです。
「私としてはね」
「こだわりだね」
「そうなの」
本当にというのです。
「絶対に」
「だから今もだね」
「日本のお茶なの」
緑茶を飲んでいました。
「そちらなの」
「恵梨香はお茶好きだけれどね」
「お握りの時はね」
普段以上になのです。
「好きよ」
「確かにね。お握りの時はね」
ドロシーは枇杷の皮を剥きつつ恵梨香に応えました。
「お茶よね」
「ドロシーさんもですね」
「本当に紅茶やコーヒーはね」
「ジュースもですね」
「合わないわ」
そうだというのです。
「お握りには」
「そこはどうしてもですね」
「そうなのよね」
「お砂糖を入れたりすると」
お茶にです。
「合わなくて」
「あっさりとした味のお茶よね」
「はい、お握りには」
「あとお茶漬けね」
ドロシーはこのお料理についても言いました。
「恵梨香こちらも時々食べるわよね」
「はい」
「あれも甘いお茶だとなの」
「合わないです」
そうだというのです。
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