天国と地獄<中世ヨーロッパパロディー>
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6 モテるやつがいると、何事もやりにくい。
少し時間があったので、さっそく『神曲』の宿題でもしようと思ったが、ちょっと複雑そうだった。
よし。どうあがいても難しいので、、神楽ちゃんと一緒にクディッチの練習が終わったあとに図書館に行くことにした。荷物は神楽ちゃんが持っててくれるそうだ。
なんて優しい親友なのでしょう!
私のクディッチのポジションは、シーカーである。そして、今日の練習試合はスリザリンだ。
だが、とても面倒くさい。
なぜなら、スリザリンのチームには高杉、そしてシーカーはまた子なのだ。
チームのメンバーと談笑しながら、
待機場所からホウキに乗って、グラウンドに降り立った。銀時も、同じチームにいる。
練習が終わったあと、すぐに図書館へ向かえるように、神楽ちゃんは観客席で待っている。
観戦するのは自由なので構わないが、
人が滅多に訪れることはない。
だが、スリザリンが戦うときの観客の量は、スゴい。
そう、彼らのほとんどは高杉目当てである。
お互いのチームのキャプテンである、
銀時と高杉が、開戦の合図をする。
会場は、大いに沸いた。
相手方のシーカーは、また子である。
「紅い弾丸」の二つ名で恐れられているシーカーだが、なぜ「紅」なのか。
「紅一点」という意味か。
いや、それを言うなら、「緑の弾丸」だろうが、と思うのだが。笑
とにかく前半はチームの戦いに貢献する。だが、いつ金のスニッチが現れるか、は予測不可能だ。
彼女は中々腕の立つシーカーだ。彼女に勘づかれたら一貫の終わりである。
金のスニッチが私の近くに来た。見たところと微かに聞こえてくる羽の音に耳を済ませ、全力でそちらに向かう。
だが、彼女は私が見つけたことを悟ったようだ。彼女もまた全力で私を追ってくるが、そちらに構っている暇はない。全ては私の視力と聴力にかかっている。
聞こえてくる音に耳を済ませ、
ただひたすらスニッチを追いかける。
だが、彼女も純血の悪魔族なので、その身体能力を考えれば、スニッチを取られかねない。どうやって引き離そうか。
_「どこ行ったんだ、」
と悪態をついてみた。
_「あっちじゃないッスか?」
と、また子。
と、また子はどこかへ行ってしまった。いいぞ、ここは私のチャンスだ。
もちろん、私は正しいスニッチの位置をつかんでいる。
だがスニッチは、逃げ足が早い。
全力で追いかけていると、またグラウンドに戻ってきた。
スリザリン側は、私の邪魔をしようとしているので、銀時が動きだした。
_「零杏ッ!動きはオレたちが押さえとくから、お前はスニッチだけを追ってろォォッ!行くぞ、グリフィンドールッ!」
_「ありがとうッ!助かるわッ!」
スニッチは、いろんな選手の間を縫って進んでいく。
また子との接戦になった。
あともう少しで手が届く、と言うときにまた子が話す。
_「晋助様が、後で話があるそうッス。」
_「了解!ごめんけど、後にしていい?」
グラウンドの中央でやっとスニッチを掴んだ。
審判の先生が、声をあげる。
_「勝者は、グリフィンドール!」
チームのメンバーは歓喜のあまり絶叫してくれたが、観客たちは複雑な顔をしている。拍手を送ってくれる人もいるが、晋助様コールをする人たちも多い。
とりあえず、試合が終了したので、
選手全員が地上に降り立った。
整列して、お互いにお向かいの相手と握手した。私の相手は、また子だ。
同じポジションの選手との握手であることが多い。
_「いい試合だったッス。
/でしたね。」
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