魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第七十五話
10:17
「いらっしゃーい」
「一夏…!その格好どうしたのよ!?」
「天災兎印のヤバイ薬」
「OK把握」
「お前以外は全員来てるぞ、鈴」
パーティー当日。
昨晩に引き続き搾られ、少し怠い中、俺はパーティーに参加するメンバーを出迎えていた。
玄関で出迎えた鈴を連れて、リビングに行こうとした時…
きゅっ!
「にゃぁぁん!?」
「あ、ごめん。そんなに敏感だとは思わなかったわ…」
鈴に尻尾を捕まれた。
「さっき千石にもやられたんだが?
なに?女子って猫の尻尾好きなの?」
「(猫じゃなくてアンタの尻尾がいいのよ)」
「まぁ、お察しの通り尻尾と耳は少し敏感でな。
出来れば触らないで欲しい」
「善処するわ」
リビングに入ると、皆が話していた。
束さんと育さんが話している光景は超絶レアだと思う。
弾と暦さんは隅で猥談している。
ファイヤーシスターズと千石と蘭ちゃんは箒の尻尾をモフモフしていた。
「カオスだろ?」
「ええ、カオスね。
箒も憑依させてるのかしら?」
何故わかったしー…
「憑依?何の話だ?天災兎印のヤバイ薬だぞ?」
「そうだったわね。でも狐と猫って偶然にも程があるわねー」
「それもそうだねー(棒)」
「今ので解ったわよ…」
「おまえみたいにかんのいいがきはきらいだよー(棒)」
「私より小さいくせに何言ってるのよ?」
ぐっはぁ…!
「お前…俺が気にしていて、尚且つ一切触れなかった事を言及するんじゃない…!」
「散々箒の膝の上でイチャついておいて本当に今更ね」
「るせっ!」
すると皆もこちらに気付いたようだ。
「あ!鈴ちゃん!こっちおいでよ!一夏君と箒ちゃんを愛でようよ!」
と千石。
「おい一夏!お前の好みってグラマスでいいんだよな?」
と弾。
しかし弾は女子勢の視線に縮こまってしまった。
「一夏の好みは貧乳よ」
「「「「「「「「「「は!?」」」」」」」」」」
俺も含めて鈴を除く全員の声が一致した。
「あら?違うのかしら?合体したいほど好きなんでしょ?」
今ので俺、箒、束さんは橙の事を指していると理解できた。
しかし…
「おい一夏テメェ合体とはどういう意味だ!?」
「箒ちゃんがいながら何してるんだ一夏君?」
弾と火燐さんに詰め寄られた。
「あら、冗談よ?」
鈴の一言で退いてくれる、と思いきや…
「火燐さん、お願いします」
「わかってるぜ弾君」
火燐さんに後ろを取られ、抱き抱えられ、直ぐに俺を弾に渡した。
「みゃー……なんだよ」
「箒ちゃんをモフる訳にもいかないしな。
という訳で少し耳とか触らせろ」
「ちょっとだけだぞ」
弾の膝の上にのせられ、耳や尻尾を弄られた。
「あー、僕もいいかい?」
「ん?暦さん?いいよ」
「じゃ、どうぞ暦さん」
今度は脇に手を入れられ、暦さんの膝の上に乗せられた。
「へー、なるほど。こうなってるのか…。
耳さわるよ」
「優しくして下さいね?」
「お、おう」
すると突然千石がこっちを向き…
「暦×一夏…いや一夏×暦もアリ…?」
「おいそこの。不穏な事を言うな」
「あれ?聞こえてた?」
「そりゃ耳が四つ有るからな。
つーか俺を元にBLを書くな!」
「いや…やっぱり弾×一夏からの暦×一夏のNTR…」
「マジでやめろよ!弾と暦さんも引いてるじゃねーか!」
「そうかな?一夏君相手なら別にいいんじゃないかな?
見た目も声も身長も匂いもほぼ女の子だし」
「身長までは認めるが"匂い"ってなんだよ!?」
「んー…メスの匂い?」
「やめろやめろ!こっちはR18タグついてねぇんだぞ!」
「タグ?何言ってるの?電波でも拾った?」
と千石のツッコミが入った。
「撫子、お前が一夏を題材にした漫画を描くのは自由だが……
一夏は私と姉さんの物だからな」
刹那、空気が凍りついた。
そして今度こそ本気で首を掴まれた。
「にゃおん…」
「説明してもらおうじゃねーの一夏君」
ぷらーんと持上げられ、火燐さんに詰問される。
「どうもこうも…気付けば外濠も埋められ、城内で反乱が起こった次第というか…」
そこで箒から援護射撃…
「鈴は既に知っている事だが、そもそも一夏と付き合っていたのは姉さんだ。
私がそこに割り込んだような物だな」
と思ったら誤射した挙げ句俺にダメージ…
「えー?だって愛しい彼氏と妹と一緒に居れたら幸せじゃないか。
私は別に箒ちゃんとならいっ君を共有してもいいかなーって」
束さんから何とも言えない弁明が入った。
「という次第でいつの間にか逃げ道無くなってました。
まぁ、全員納得してるので…」
無言。
静寂という言葉が似合うような無音の空間が出来上がった。
「私達が納得し満足しているんだ。
言い方は悪いが周りにとやかく言われたくはない」
結局、最後の箒のセリフが決め手となり、この話は終いとなった。
11:53
「そろそろメシか…」
丁度ババ抜きで一抜けして時計を見ると、そろそろ昼食だ。
「ふむ、そうだな…上がりだ」
箒が二位だ。
この後は育さんに俺、蘭ちゃんに箒が賭けている。
え?束さん?
束さんはポーカーフェイスできないし。
「あ、これで上がりです」
三位は蘭ちゃん。
グッバイ俺の480円。
結局ババを最後まで持っていたのは弾だった。
「おーい、パーティー用に料理作ってあるから少し待っとけ」
「本当に?一夏君の手作り?」
と月日に聞かれた。
「おう」
「やたっ!一夏君の料理が食べられる!」
「ん?月日ちゃんは一夏君の料理を食べた事があるのかよ?」
「うん。調理実習の時にね」
暦さんの問に月日が答えた通り、調理実習の時に月日、撫子、弾、鈴には手料理を振る舞った事がある。
「んじゃ、持ってくるぜ」
箒と束さんを連れて席を立ち、台所からパーティプレートを持ってくる。
数度往復し、テーブルに全ての料理を出し切った。
「おお!旨そうだぜ!」
「ま、負けた…?」
テーブルに置かれた料理を見て、火燐さんは普通に喜んでくれたが、育さんは少し凹んでいた。
「まー、奥さん…箒のお母さんに散々仕込まれましたからね」
だから、俺と箒の料理の味付けは似ているのだ。
束さんと姉さん?
二人はまぁ、製作(機械系)と戦闘(タイマン)にスキルポイント全振りしてるから…
「くぅ~!美少女と同居!しかも姉も超美人とかなんて羨ましい!」
「もう神社から出てここで暮らしてるけどな。
それに美少女って事なら蘭ちゃんも可愛だろ」
え?ジゴロ? 大丈夫。俺は蘭ちゃんに好かれてないから。
すると弾がおもむろに立ち上がり…
「一夏テメェ何家の妹口説いてんだオラァ!」
殴り掛かって来た。
が、しかし。
「重心移動が成ってない。体の捻りが無い。
その上見え見え過ぎる。
つか美少女と同居なら暦さんもだろうが」
向かってきた弾をソファーに投げる。
獣化してほんの少し上がった筋力と重心移動で弾を軽々と投げる。
「ふぎゃ!?」
潰された蛙みたいな声を上げて弾が落下した。
ちゃんとソファーの上に落ちたから無傷だ。
「さー、あのアホは放っといて食おうか」
いただきます、と唱和し、皆が料理に口をつけた。
「………どうだ?結構上手く出来たと思うんだが」
「一夏君」
「何ですか暦さん?」
「君、料理屋開けるよ」
「うん…暦の言うとおりね…。
ただ女としては少し悔しいけどね」
どうやら育さんは暦さんが俺の料理を褒めた事を気にしてるらしい。
「大丈夫ですよ。俺はホモじゃないので貴女の暦さんを取ったり何てしませんよ?」
「「「「「な!?」」」」」
暦さん、育さん、火燐さん、月日さん、千石が固まった。
「ち、ちが!私はべつに暦の事なんて…」
「兄は妹の物だろ兄ちゃん!」
「そーだそーだ!」
「暦お兄ちゃんは私の物だよ!」
ほほーう? 面白くなってきたじゃん?
「なるほど…火燐さんと月日は重度のブラコン、育さんと千石が暦さんに恋心か…
ふむ、千石、ここは自分の恋を漫画化してはどうだろうか?」
千石が原作よりもはっきり意思表示出来るようになっている。
うん。これでスネークもメデューサも回避確定だな。
『ますたー、それフラグ』
うっせ。
「さーて、じゃぁここは暦さんに恋心を寄せる四人の話を肴にしようじゃないか。
丁度ここに姉さんが買い込んでたノンアルコールビールもあるしな」
二時間後
暦さんの背後に周り、小声で囁く。
「さぁ…どうする暦さん?
選んじゃうの?誰かを取るの…?」
そうして天使の声色で悪魔の選択を提示する。
「それとも全員愛しちゃう?」
あの後、関係する者…暦さん、育さん、火燐さん、月日、千石にちょっとしたおまじないを掛けて話を聞かせてもらった。
「みーんな、暦さんの事が好きなんだよ…?
さぁ…どうする?誰かを選んで誰かを傷つけて"誠実"に生きちゃう?
それとも、皆が笑顔になれる不誠実な生き方を選んじゃう…?」
弾、鈴、蘭ちゃんは無関係なのでニヤニヤしながらこちらを見ている。
「さぁ?どうしちゃうんですか?暦さん」
『正しさ』に従って生きてきた暦さんには少し意地の悪い問だったかな?
「ぼ、ぼ、僕…は…ぼ…く…は…」
うわぁ…そのうちディルディル言いそう…
ヒョイ、と脇に手を入れられ、持上げられた。
「みゃおー…なんだよ箒。今良い所だったのに…」
俺を持ち上げたのは箒だった。
「そこら辺にしてやれ…
暦さん。焦る事は無い。落ち行いて、その選択をすればいい。
まぁ、暦さんには是非とも男としての器量を見せて欲しい所ではあるがな」
「恨むぜ、一夏君」
「おや、俺は選択を与えただけですよ?」
「君はまるでファルファタールだ」
「だれが破滅の悪女か。
アンタを誘惑してねぇし、そも俺は男だ」
「ふむ、違いない。これまでその美貌で幾多の男を惚れさせ、挙げ句絶望させた男だからな」
「ブルータス…」
「おや、私は事実を述べただけだぞ?」
『それに、精神干渉魔法を使うのもやり過ぎだ』
は?
突然、頭の中に箒の声が響いた。
『稲荷を通してチャンネルを開いただけだ』
また器用な事を…
そして箒が椅子に座り、必然的に俺はその膝の上に。
あ、箒が俺の前に尻尾出してくれた。
モフモフ~!
「育さん達も、そう焦らずアピールしていくと良いのではないだろうか?
あぁ、その場合撫子が不利だな…」
「大丈夫!その分一回一回を濃密にするから!」
なら、良いのかな?
それにしてもやっぱり箒の尻尾はいいなぁ…
「あ、暦お兄ちゃんは好きなシチュエーションある?
あるなら私が書いてあげちゃうよ?」
「「「アウト!」」」
他の三人が立ち上がり千石を連れて廊下に出た。
「えっと…放っといて大丈夫なのかな?」
と暦さんが不安そうに言う。
「んー…」
話の内容を聞く限り暦さん争奪戦のルール制定の話し合いだな…
「放っといて大丈夫だよ。
今は暦さんをどう落とすか話し合ってるだけだから」
「僕の周りが着々と埋められているだと…!?」
「諦めなよ。暦さんはもう恋の罠に囚われてるんだから」
「怖いこと言わないでくれよ…」
怖いこと?いやいや、貴方はこれからもっと怖い物、者、事と対峙する事になる。
これくらいで音を上げて貰っては困るのだ。
「暦さん。劇的な人生を送る人と送らない人の差は、その人に主人公の素質があるかどうかだ。
暦さんは少なくともソレを持っているんだ。
だから、暦さんの物語を紡いでいってくれ。
取り敢えず、この恋をどうするかだね」
暦さんはこの世界の主人公だ。
俺のような偽物とは違う、本物の主人公。
だけど、俺は、彼から責任を一つ奪った。
奪ってしまったのだ。
後悔はない。
だって、それでその人は救われたのだから。
だから、見落としてしまっていた。
その責任は、それだけでは果たせないという事を…
side out
4月某日
「戦場ヶ原先輩…」
なぜ、なぜ、なぜ!
「なぜ、私じゃないんだ…!」
視線の先には、小さな少女と戯れる、愛しいあの人…!
「アイツが…アイツが私の戦場ヶ原先輩を…!」
アイツサエ…居ナケレバ…
ソコニ居たのはワタシダッタノニ…!
後書き
撫子の一夏と暦に対する感情。
一夏へはペットやぬいぐるみに対する「好き」。
暦には明確な恋愛感情を以てして「好き」となります。
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