魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第七十一話
『速報。IS開発者篠ノ之博士失踪』
今朝、IS学園(今年から生徒の受け入れ開始)から束さんが消えたらしい。
その事で世界中大騒ぎだ。
ズズ…と味噌汁を飲みながら、正面に座るウサ耳に問いかける。
「いいの?なんか大騒ぎになってるけど」
「別にいいのさ。世界各国に回せるだけのコアは造ったしね」
織斑家 08:36
春休み初日、俺は世界を騒がす天災と共に朝食を取っていた。
「いっ君、今日の予定は?」
「え…?いや…特には。今日はカンヘルのOSに手をつけようかと…」
RX0000GN-CANHEL
俺がまだ織斑一夏じゃなかった頃に造った一つのプラモデル。
外見は、両肩部、背部、後腰部にGNドライヴを、サイドウェストにSEED系レールガンを供えた銀色のフェネクスだ。
細かい所を言えば、アームドアーマーDEにGN粒子コンテナが付いていたり、ブレードアンテナが龍の角の意匠だったりする。
昔考えた設定では、同調させた四基のGNドライヴとサイコフレームの共鳴を使い量子ワープする星系間航行用MSだった。
身も蓋もなく言えば『ぼくのかんがえたさいきょうのもびるすーつ』という奴である。
え?お前ニュータイプじゃないだろうだって?
そこはサイオン波でなんとかできるし、その内イノベイターになるだろうと予想しているから問題無しだ。
しかしいざ造ろうと思えば、十数年前の自分を殴りたくなる。
何故か?
機体が持たないのだ。
トランザムとNT-Dはどちらも機体に莫大な負荷を掛けるシステムだ。
その上GN粒子とサイコフレームの相乗効果の予想がつかない。
サイコフレームは星をも動かすエネルギーを放出する事ができる(無論、集団無意識という意志の一点集中があればこそだが)。
GNドライヴはその動力元がトポロジカルディフェクト…時空の歪みである。
こんな超科学の産物を二つも混ぜればどうなるか解った物ではない。
いや、まぁ、結局造るんだけどね。
っていうか既にハード…フレームとGNドライヴは完成しており、Knight of Traitorに使われている。
結局問題は制御OSの方なのだ。
通常時、サイコフレームは核となるサイコミュの力を増幅させる。
つまりそちら側をうまく弄ればいいのだ。
なお現在KoTにはサイコミュシステムを搭載していない。
なのでシールドファンネルは使えないし、NT-Dも発動しない(はず)。
それと、もう一つの課題をあげると、GNドライヴの四基同調が難しい。
製造した全てのGNドライヴでツインドライヴ用マッチングは80をキープしている。
しかしそこから先は見当もつかないのが現状だ。
「ふーん…あ、このお魚おいしい…(ま、負けた…)」
「まぁ、急ぎじゃないし」
「だったら…ちぇーちゃん、居る?」
と、束さんはなぜか橙を呼んだ。
『いるけど、どうかした?」
虚空から現れながら、橙が答えた。
「ねぇねぇ、ここにさ、マタタビ植えていい?」
「「は?」」
「いやー、猫屋敷って憧れない?」
猫屋敷ねぇ…
どうやら束さんは癒しが欲しいようだ。
まぁ、ずっと頭の硬いアホを相手にしていたのだから仕方がないだろうけど…
「でもマタタビって猫にとって麻薬とか媚薬みたいな物じゃなかったっけ??」
「そうなの?」
おいおい…
「そうだよ。お酒みたいな物だね」
と橙が答えた。
「うーん…じゃぁどうしようか…」
「どうって、まぁ、猫好きだからいいけど…」
「ますたー、いい方法があるよ」
何?
「私が猫を集めればいいんだよ。
30匹くらいなら、直ぐにでも集められるよ」
「「え?」」
「私の眷族。この近くの猫なら全員言うこと聞かせられるよ」
い、いつのまに…?
「影ながら箒の護衛してもらってるよ」
え?何それ知らないんだけど。
「いくらますたーと言えども、箒との物理的距離が有ると難しいでしょ?」
「ま、まぁ、一応箒のエイドスは常に追ってるけど…」
そこ!ストーカーとか言うんじゃない!
「この町の、神社から学校までの区画の数百匹は全部私の眷族」
「え?でもさっきは30匹って言わなかったかい?」
「それはこの近くに居て直ぐに集まれる数だよ」
わぁお…即応で30かよ…
「ちなみに神社周辺は数十匹単位で護衛してるよ」
マジかよ。
メティス・サイトを使い、神社周辺を視ると、確かに小動物のエイドスがかなりの密度でみられる。
「猫と戯れたいなら家に帰った方がいいっぽいけど?」
「うーん…今更どの面下げてって感じだね…」
違い無い…
「で、どうするの?私の眷族集めようか?」
「んーそれはまた今度。今日はいっ君とイチャイチャしようかな~」
「媚薬持ち出したら反撃しますからね?
魔法で感度倍増させてくすぐりますからね?」
「はっはっはっはー!ナンノコトカナー?」
じゃぁそのポケットの中身は何だよ?
「右のポケットの小瓶」
「ギクゥ!?」
自分で言うなや自分で。
「橙」
「OK、ますたー」
橙が束さんのポケットから媚薬の小瓶を取り出す。
「え!?ちぇーちゃん今のどうやったの!?」
「橙はそこそこ高位の怪異だし、物質透過は余裕らしいよ。
つー訳で橙、それ束さんによろしく」
束さんに向けて右手を向け…
「ペトリフィカス・トタルス!」
「え!?ちょ!?体が!?」
ペトリフィカス・トタルスとはハリーポッターに登場する石化呪文だ。
まぁ、今のは全身に硬化魔法を掛けて拘束したんだけどね。
「さぁー、観念してください」
動けない束さんの背後に、橙が歩み寄る。
媚薬の小瓶の蓋を開け…
「ゴメンね束、ますたーには逆らえないから」
束さんの口に流し込んだ。
どーせナノマシンで分解されるだろうけど、まぁ、ちょっとした意趣返しだ。
この前水筒に媚薬仕込まれたからな!
「フィニート」
"呪文よ終われ"と言って拘束を解く。
「ふふ…ふふ…ふふふふ…」
な、なんだ!?
「私に媚薬を飲ませたって事はバッチコイって事だよね!?」
「えぇ…?」
いやぁ…この前の仕返しのつもりだったんだが…
「さぁ!ベッドへGOだよいっ君!春休み中は毎日愛を育もうじゃないか!」
ガタン!と席を立った束さんが、テーブルのこちら側に来た。
「さぁさぁ!」
ハイテンションな束さんは、玄関のドアが開いた音には、気付かなかったようだ。
ゴスッ‼
「も"っ!?」
「春休み中、一夏とどうすると?姉さん?」
束さんの後ろには、鞘に入った刀を振り下ろした、箒が居た。
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