吹き荒れよトルネード
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第一章
吹き荒れよトルネード
港英雄の力は竜巻だ、戦いの際には身体からその竜巻を起こして戦う。
その為かなりの強さを誇っている、しかし英雄は力を滅多に使わない。普段は大阪の港で楽しく働き高校に通っている。
その彼にだ、大阪の子供達は尋ねた。
「英雄さんは滅多に竜巻出さないよね」
「物凄く強いのに」
「それはどうしてなの?」
「何でいつも竜巻出して使わないの?」
「そうしないの?」
「それはあまりにも強い力だよ」
だからだとだ、英雄は子供達に答えた。
「僕も竜巻を滅多に出さないんだよ」
「あまりにも強いから」
「そうした力だから」
「だからなんだ」
「竜巻を滅多に出さないんだ」
「そうするんだ」
「そうだよ、あの力は確かに強いよ」
英雄自身が一番よくわかっていることだ、竜巻がどれだけ強いか。
「けれどあまりにも強いからコントロールが大変でね」
「若しコントロール出来なかったら?」
「その時はどうなるの?」
「英雄さんの出した竜巻は」
「一体どうなるの?」
「その時は大阪の街や皆に大変な被害を与えてしまうからね」
だからだというのだ。
「僕は竜巻を滅多に使わないんだ」
「普段は自分の手や足で戦っているんだ」
「竜巻を出して使わないで」
「災害救助の時も僕達を助ける時も」
「そうしているんだ」
「そうだよ、僕が竜巻を使う時はね」
滅多にないその時はというと。
「それだけの時だから」
「使うしない様な」
「そうした時なんだ」
「じゃあ竜巻を使ったら」
「その時は」
「本当に大変な時だよ」
こう子供達に話した、英雄は実際に竜巻は滅多に使おうとせず自分の手足を主に使って戦い災害救助にもあたっていた。
だがある日のことだ、大阪の空に突然異様な姿をした鳥が姿を現わした。その鳥は数えきれない程いてしかもその影は。
「人の影!?」
「しかも頭は鹿だぞ」
「足もだ」
「何だあの鳥は」
「見たことのない鳥だぞ」
「ペリュトンだ!」
誰かがその鳥の名前を叫んだ。
「あの鳥はペリュトンだ!」
「ペリュトン!?あの人を殺す怪鳥か!」
「どんな武器も通用しないという」
「あの伝説の鳥が大阪に攻めてきたのか」
「何てことだ!」
誰もがペリュトンが来たと聞いて驚いた、この鳥はどんな武器も通用せず人を殺すことを生きがいとしている人の影を持つ謎の怪鳥なのだ。
「皆逃げろ!」
「ペリュトンにはどんな武器も通用しないぞ!」
「向かっていっても駄目だ!」
「安全な場所まで逃れろ!」
「早く逃げるんだ!」
皆慌てて逃げる、だが大阪二十六戦士達はペリュトンにも果敢に向かう。確かにペリュトンにはどんな武器も通用しない。
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