サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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マツノ:「ふむ、、では君たちも
15年前に消滅したポケモン達を
探す為にチームを結成した訳か」
サトシ:「はい。話し合いの結果、
シルフが事件に関与している可能性が
高いと判断したので、、」
マツノ:「それは私も同感だ。
シルフは15年前の事件を境に、
誰よりも早く新しい時代に浸透して
いった組織だからな、、。急激な
経済的成長も含め、何かしらの関与は
しているだろうな」
ヒロシ:「会長さんも、事件の調査を
していたんですよね?何か情報は
掴んでいますか?」
マツノ:「あの事件以降、シルフは
組織の情報を全て隠してしまった。
私が動いた時は既に、迂闊に調査出来ない
ほどの巨大組織になっていたのでね、、。
確信をつく情報は何もないのが事実だな」
ヒロシ:「そうですか、、」
マツノ:「だが、一つだけ気になる
事があってね、、」
サトシ:「気になる事?」
マツノは一瞬だけ沈黙を置くと、
改めて口を開いた。
マツノ:「、、君たちは、”波動”という
存在を信じるかね?」
ヒロシ:「!!」
サトシ:「波動?」
マツノ:「そう。人やポケモン、、いや、
全ての生き物が持つとされる、
非科学的な生命力エネルギーだ」
ヒカリ:「その波動がどうかしたんですか?」
マツノ:「私はポケモン大好きクラブ
2代目会長になる前、趣味で
ポケモンの生態に関して日々勉強をしていた。
その一環で、ポケモンがモンスターボールに
入る習性に関して調べていたのだが、
そこで興味深い内容を目にしてな。
モンスターボールの機能はポケモンの
生存本能を利用したものであり、
”ポケモンは自身の身を守る為にボールに
入る”という事が一説としてあるのだ」
サトシ:「ポケモンの生存本能?」
マツノ:「そうだ。ポケモンは生きる手段の
一つとして、モンスターボールに入る事を
受け入れる。そしてポケモンがボールに
入る時、そこには生命力エネルギーが
生じる、、。モンスターボールは、
ポケモンの生命力エネルギー、つまり
波動を利用した物と私は考えている」
サトシ:「ポケモンの波動、、」
タケシ:「その波動が、シルフと何か
関係でも?」
マツノ:「、、謎の発光体だ」
サトシ達:「!!」
マツノ:「事件当日に突如現れた、
あの発光体、、私はあれの正体が
全てのポケモンを回収する、
モンスターボールだと思っているのだよ」
サトシ:「あの発光体が、、」
ミドリ主任:「シルフはきっとあの発光体で
ポケモンを全て回収し、
無力になった人間を支配して
世界の政権を握るつもりだったのよ」
ヒロシ(カツラさんの立てた仮説と一緒だ。
あの発光体が仮にモンスターボールの役割を
しているのなら、やはりポケモンは、、)
ヒカリ:「そ、そんな、、あれが
モンスターボールだって言うの、、」
タケシ:「しかし、それはあまりにも
非現実的です、、。いくらモンスターボール
の役割をしているとは言え、全てのポケモンを
収集する機能があるとはとても、、」
マツノ:「常識的に考えるとな、、。
しかし、先ほど言ったように、ボールは
ポケモンの生存本能を利用した機能。
回収容量を調整し、後はポケモンの本能に
任せれば不可能では無い、、。発光体が
一つではなく、各地方に出現したようにな」
サトシ:「、、じゃあやっぱり
ポケモンは、、」
女性会員:「失礼します」
異様な雰囲気の中、眼鏡をかけた
30代前半くらいの金髪女性会員が
人数分のお茶を持ってきた。
マツノ:「ああそうだ。
皆をここに呼んできてくれ。
彼らに紹介したい」
女性会員:「かしこまりました。失礼します」
ヒロシ:「、、今の方も会員ですか?」
マツノ:「うむ。彼女はずっと昔から
私の補佐役を務めていてな。
言わば、最初の同志だ。
今、ここの会員が顔を出すから、
挨拶がてら今後の動きについて話し合おう」
しばらくすると会員達が20名ほど
サトシ達のもとに現れ、皆は顔を合わせた。
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