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テンプレでもいいじゃない!~転生・遊戯王GX

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ターン4:休みたい時に限って休めない。

船上死闘デュエルも無事終わり、ようやくアカデミアに着いた。
ホクホク顔の十代君とゆま・・・やりきった感の翔君、そして精神力がゴッソリ削られた俺氏・・・
アンティデュエルを仕掛けて来る輩は勿論、中にはBMGを始めとするガールズ達に告白したり
愛を語り始める生徒が続出し、彼等の想いを特等席で長々と聞かされてしまう羽目になった・・・
三沢君が最後に『お疲れ様・・』っと労ってくれたのが凄い嬉しかった・・・。


・・・んで今は女子寮です。(少なくとも心は)男の俺が入っていいのかと思うかもしれんが
生憎そんな気力は残ってない・・・寮長の鮎川先生に挨拶するのが限界だったぜ。
そして女子寮での歓迎会、見渡す限りのキャッキャウフフな会話に入っていく気になれない・・・
やっぱ男と女じゃ話す内容が全然違うね、俺は大人しく隅でジッとしとくか・・


「あらっ、貴女は歓迎会に参加しないの?」


・・・結構、目立たない場所を選んでいたつもりなのに何でバレるかなぁ?
俺より身長が一回り程高い金髪女子、男前ヒロインこと天上院明日香さんと・・・
後ろの2人誰だっけ? 顔は覚えてるんだけどなぁ・・・



「いえ十分に楽しませて頂いております。何分、こういった場には余り慣れておりませんので・・」


「ふふっ、そんなに畏まらなくてもいいわ。私は天上院明日香、これでも貴女と同学年よ。」


「・・・そうでしたか、てっきり上級生の方かと・・」



実際に会ってみると威厳って言うの? 人を惹き付けるカリスマみたいのあるよね、この人・・



「だから私の事は気にしなくていいわ。普通に接してくれた方が私としても嬉しいしね。
 宜しく頼むわね、『斎藤瑞樹』さん♪」


「・・・?・・どうして、私の名前を?」


「ふふっ、だって貴女・・炎城プロが新しく結成したチームに入ってた子でしょ?
 テレビでも何度か映ってたわ。」



確かに学費目当てに炎城さんのチームに補欠として参加してたけどマイナーリーグだぞ?
メジャー所ですらない場所が放映されるモンか?



「それは貴女が入っていた頃の話でしょ? 今の炎城プロと言えば飛ぶ鳥も落とす勢いで
 メジャーリーグに返り咲いたプロデュエリストなのよ」



あ~、そう言えば・・・息子さんに良いトコ見せたいからデッキの調整手伝ってくれって頼まれて?
やってる内に楽しくなってきて終いには『マジエク帝1Kill』だの『ゼロ帝』やってたっけ・・
この世界の人にOCG知識与えるとこうなるのか・・・テスタロスも自力でメガ進化してたし・・



「その炎城プロがね?インタビューで答えていたのよ。貴女と出会ったお蔭だって・・・
 それで普段は放映される事が殆ど無いマイナーリーグの映像に映っていたのが・・」


(・・・流石に・・ちょっと、やり過ぎた。)



遊星さん・・勝てんのかなぁ・・・?ゼロ帝に関しては虚無魔人まで入ってるぞ・・・・
でも相手は多分、息子さんの方だと思うし・・・けど仮に親父さんのデッキ使った場合・・・・



「・・・・ん?」



この世界に来てから黒歴史作りまくってるなぁ・・俺・・・なんて思ってると
寮長の鮎川先生がコッチに向かって手を振っている。何か急ぎの用事っぽいけど・・・



「・・? どうかしたの??」


「いえ、その・・・教員の方が呼んでいらっしゃるようですが・・」


「えっ?・・あら本当だわ・・・あんなに慌ててどうしたのかしら??」



先生と話している間に後ろの2人にも自己紹介だけは済ませておくか・・・
・・・ってあれ? 直ぐに戻って来ちゃった??



「呼ばれていたのは瑞樹の方だったみたいよ?」



えっ、俺なの? 呼ばれる理由が全く・・・















「おっ?やっと出て来た! おーい、瑞樹ぃ~~! 俺とデュエルしようぜーー!!」



・・・・あった。・・いや何でだよ! 歓迎会してる真っ最中だろ今!!?



「そういや お前とデュエルしてなかったなと思ってさぁ~! なぁいいだろ?
 俺、早くブラック・マジシャンと戦いたくって しょうがねぇ~んだよぉ!!」



全く悪気の無い笑顔で言い切った十代君とアタフタしてる翔君の姿があった・・・。



「・・・一応、注意はしたんだけど・・全然聞いてくれなくて・・・」


「淑女の場を何だと・・・」


「これだからオシリスレッドは・・」



鮎川先生は溜め息混じりにボヤき、明日香さんは苦笑い、後ろの二人は・・・
うん、すごい冷めた目してるわ・・・



「・・・分かりました。ではデュエルディスクを用意しますので少しお待ち下さい」


「ちょっとアンタ!!あんな奴のデュエル受ける気じゃないでしょうねっ!!?」



明日香さんの後ろに控えていた茶髪さんが凄い剣幕で喰いついて来た・・・。
まぁ折角の歓迎会を台無しにされた気持ちは分からんでも無いが・・・



「言葉でどうにか出来る人なら、既に鮎川先生が対応して下さっています。
 それに折角足を運んでくれたのですから・・・ある程度、妥協はさせて頂くつもりです。」


「私が言いたいのは時間と場所ぐらい弁えなさいって事よ!!ただでさえ女子寮は男子禁制!
 時間だって「止めなさいジュン子・・」明日香さん!? ですけど・・・」



明日香さんがジュン子さん?を止めてる内に先生に説明して・・・っと・・
黒髪さんの方も口に出さないだけで不満丸出しだけど、十代君の場合は一度要望に応えてからの方が
説得もやりやすいだろうしね。今回は我慢してくれ・・・頼むから、目が怖い・・・・



「・・・おっ? 来た来た! 瑞樹ッ!!んじゃ早速・・・ッ!」


「その前に、少し場所を移しましょうか・・。」


「えぇ~、何でだよ? ただデュエルするだけだろぉ~??」


「折角の月夜です。湖の近くでデュエルした方が風情もあって、盛り上がるかもしれませんよ?」


「・・・そんなモンかぁ~?」



先生には事情を話したが他の女生徒に見られたら洒落にならん・・。
サッサとバレにくい場所に移動せねば・・・



『・・え・・・えっとね? 翔君・・次からは十代君を・・・成るべく止めるよう善処してね?
 翔君だって、入学初日から問題事なんて起こしたくないでしょ?』(小声)


「は・・はいッス・・・でも僕じゃアニキを抑えるのは・・・・」



・・・まぁ俺がやれと言われても・・ちょっと難しいしね。
止めようとはしてくれていたんだ、それだけでも十分だ・・・そう思う事にしよう・・






・・・・・・・
・・・・・
・・・





十代君の背中を翔君と2人でグイグイ押しながら移動・・・
明日香さんとジュン子さん達も一緒だけど・・・気にしたら負けだな・・。



「・・・この辺りなら、大丈夫そうですね。」


「おう! そんじゃぁ・・・いくぜ瑞樹!!」





「「デュエル!!」」




十代:LP4000
瑞樹:LP4000






「・・・先攻後攻は其方が決めて頂いて構いません。」


「えっ、いいのか??・・・へへっ、んじゃ俺の先攻だ! ドロー!!」



十代君が勢いよくドローしてデュエル開始・・・
縛り厳守は勿論だけど・・相手は主人公、超ド級の素引きチートの持ち主なんだよなぁ・・・



「俺はE・HEROスパークマンを・・攻撃表示で召喚!!」



出て来たのは兎で呼べるヒーロー、元の世界だと散々ヒーローに泣かされたっけ・・



「俺はこれで、ターンエンドだ。」


「では宜しくお願いします、ドロー。」



・・・まっ、ヒーロー以上に泣かされたカードやデッキなんてありすぎて逆に分からんけどね。
OCGの闇は深い・・全部ドルベなコンマイのせいだが・・・



「・・・私は、マジシャンズ・ロッドを召喚!」



出て来たのはブラック・マジシャン・・・の杖。
よく見たら一応、青く光ってるブラマジの幻影が杖持ってんのね



「マジシャンズ・ロッドの効果発動!このカードが召喚に成功した時、ブラック・マジシャン
 名が記された魔法、又は罠カードをデッキから1枚手札に加える事が出来ます。
 私はマジシャンズ・ナビゲートを手札に加え、永続魔法『黒の魔導陣』を発動!」



俺の周囲を囲むように展開される魔法陣、同時にアカデミア特有の超ミニスカートが
フワッと揺れて思わず手で押さえてしまったが・・・別に染まっる訳じゃ無いからな!!
翔君が勢いよく顔逸らしたのは気遣いと受け取っておくわ



「く・・・黒の魔導陣が発動した時、私はデッキトップを3枚確認し
 その中にブラック・マジシャン、またはブラック・マジシャンのカード名が記された魔法
 罠カードがあれば、その1枚を相手に公開する事に手札に加える事が出来ます。
 ・・・私が公開して加えるのは『黒・魔・導』!」


「・・・ん~、さっきからよく分かんねぇんだけどさ。カード名が記されてるってのは
 カード効果の所にブラック・マジシャンの名前があれば出来んのか?」



明日香さん達は問題なさそうだけど十代君と翔君の頭に「?」マークが浮かんでる・・・



「その通りです。この場合カード名だけでは無く、カード効果のテキストに
 ブラック・マジシャンの名前が記載されていれば効果が適用されます。」


「何かイマイチよく分かんねぇけど・・・とにかく凄ぇ効果って事だよな!!」



後で ちゃんと説明するべきだろうか? でも当の本人が嫌がりそうだしなぁ・・・



「・・・そういう事です。続いて装備魔法ワンダー・ワンドをマジシャンズ・ロッドに装備!
 これにより、マジシャンズ・ロッドの攻撃力は500ポイントアップ!」



杖が入れ替わるのかと思ったけど、杖2刀流だった・・・
昼間見たら何も無い所に杖2本浮かんでるようにしか見えないんじゃね?



マジシャンズ・ロッド:攻撃力1600→2100



「攻撃力がスパークマンを上回った!」



ここで翔君の相槌・・・だけど反応する人は(以下略・・



「バトル! マジシャンズ・ロッドでスパークマンを攻撃!!」


「・・・ッ! スパークマン!」



マジシャンズ・ロッドの攻撃に耐え切れずスパークマンは爆発・・・
何で機械族でも無いのに爆発するんだろうね・・?



十代:LP3500
瑞樹:LP4000



「バトルフェイズを終了し、第2のメインフェイズ・・・私はワンダー・ワンド第2の効果
 を発動。」


「攻撃力が上がるだけじゃねぇのか!?」


「このカードと装備したモンスターを墓地へ送る事で、私はデッキからカードを2枚
 ドロー出来ます。」


「・・・えっ?でも それだと瑞樹さんのフィールドがガラ空きに・・」



翔君の疑問に答えられる人は居ないけど十代君や明日香さん達も同じ事考えてるようだ
そりゃ、このままだと俺は大ダメージ確定だしね。



「えぇ、ですから・・こうするんですよ。このカードはドローによって手札に加わった時
 相手に公開する事で特殊召喚出来ます! 現れろ、守護神官マハード!!」



魔導陣でデッキトップ操作してなかったらギリギリ来なかったファラオの部下さん・・・
神官と言うよりかは黄金聖闘士に見えなくも・・・



「いきなり上級モンスt・・・ってキャアアア!!イケメェェエエエエン!!!」


「ジュン子さん!あの殿方、ブラック・マジシャン様と似ておりません事?!!」


「後で見せてもらいましょ!!」


「えぇ! 勿論ですわ!!」



内心の疑問はジュン子さん達に遮られてしまった・・・
うん、まぁ・・・ブラック・マジシャンと同一人物だしね この人・・・・
翔君が『イケメンずるいッス・・』なんてボヤいてるけどスルーした方が良さそうだ。



「すっげえ強そうじゃねぇか! 瑞樹、お前そんなカードも持ってたんだな!!」



一方の十代君は全身から『早く戦いたいオーラ』を出しながら燥いでいる。



「エースの一角を担って頂いておりますからね、マハードさんは特に強いですよ。
 私はカードを3枚伏せて、ターンを終了します。」



十代:LP3500

手札)5枚
 場)無し
伏せ)無し



瑞樹:LP4000

手札)3枚
 場)守護神官マハード
伏せ)3枚



「俺のターン、ドロー! ・・・おっしゃ来たぜ!!」



キーカードのみならず、状況に対応してドロー出来るって羨ましい・・・
コッチはドローやサーチ所かデッキトップまで操作して漸く戦線を維持出来るってのに・・・



「俺は魔法カード融合を発d「その融合にチェーンして増殖するGの効果を発動します」
 へっ?・・・Gって~と、つまりゴキブr「アニキ!!」うお!何だよ翔・・・?」



おっかし~な・・・ディスクにも差し込んで無いのに辺りからカサカサする音が・・・・
翔君は止めてくれたけど女子チームは半パニック状態、明日香さんまで(以下略・・



「・・・このカードを手札から墓地へ送る事により、このターンのエンドフェイズまで
 相手プレイヤーがモンスターの特殊召喚に成功した時1枚ドロー出来ます」


「へぇ、そんなカードもあるんだな・・・まぁいいや、デュエル続行だ!!
 俺は手札のE・HEROフェザーマンとバーストレディを融合!
 来い! マイフェイバリットカード、フレイム・ウィングマン!」


「・・でも攻撃力2100なら、マハード様の方が上よっ!!」



ジュン子さん、俺のセリフ取らないで・・



「ヒーローにはヒーローの戦う舞台ってモンがあるのさっ! 手札からフィールド魔法!
 スカイスクレイパー発動!」



森に囲まれた湖が一転、無機質な巨大ビルが立ち並ぶ場所へ・・・
あっ、湖の所はご丁寧に埋め立て工事やってる・・・職人ってスゲェ・・



「さぁ舞台は整った! 行け、フレイム・ウィングマン!! 守護神官マハードに攻撃!
 そしてスカイスクレイパーの効果、俺のヒーローの攻撃力が相手より低い時・・
 その攻撃力を1000ポイントアップする!!」



フレイム・ウィングマン:攻撃力2100→3100



「アニキのフレイム・ウィングマンの攻撃力がマハードを上回った!!」


「そこのレッド!マハード様を呼び捨てにするんじゃないわよっ!」


「マハード様! 負けないでっ!!」



周りの反応は兎も角、俺も一応・・・初っ端からサンダーボルトや羽箒が飛び交って?
デビフラからの巨大化究極竜が飛んで来る時代からやって来た身だし・・・
簡単に突破させるつもりはないよ、十代君。



「私は永続罠、DNA移植手術を発動。このカードはフィールドに存在するモンスターの
 属性を統一させる事が出来ます。私は『闇』属性を選択!」


「・・・へっ? 属性を変えてもフレイム・ウィングマンの方が・・」


「守護神官マハードは闇属性モンスターと戦闘を行う場合、攻撃力が2倍となります!」


「マジで!!?」


「マジです。・・・守護神官マハードで、フレイム・ウィングマンを迎撃っ!!」



守護神官マハード:攻撃力2500→5000



一気にF・G・Dに並ぶ攻撃力へと跳ね上がる。後ろの女子チームは
『キャー!マハード様、素敵いいい!!』だの『マハード様・・・素敵ですわ♪』とか・・・
流石の明日香さんも苦笑いだ。翔君はテンパってるし・・・



「そ・・速攻魔法、融合解除を発動!!フレイム・ウィングマンの融合を解除して墓地の
 E・HEROフェザーマンとバーストレディを守備表示で特殊召喚するっ!!」


「・・なら私は増殖するGの効果により、デッキからカードを2枚ドローします。」



これで十代君の手札は後1枚、俺は5枚にまで回復・・・
順調に進めば次の俺のターンで・・



「バトルを終了し・・俺は魔法カード、天よりの宝札を発動! お互いのプレイヤーは
 カードが6枚になるようドローする。俺は6枚のカードをドローだ!」


「・・・私は1枚ドロー。」



・・・・それ、最初の素引きドローで全部揃ってたの?



「おう! 融合だけは来なかったけどなっ!」



仮に全部3枚積みにした所で揃う確率は・・・考えたくねぇな・・



『クリクリ~♪』


「・・・んっ?」


「おっ?相棒、来てくれたんだなっ♪」



十代君は見えてないようだけど彼の周りと飛び回るパタクリ・・ではなく、ハネクリボー・・・
あの効果を使われると少し面倒だな・・・。



「俺はハネクリボーを守備表示で召喚し・・」


「ならハネクリボーの召喚に合わせ、リバースカードオープン!「なにっ!?」
 罠カード、マジシャンズ・ナビゲートを発動!」


『クリッ!?』



ハネクリボー・・君に恨みは無いけど、君はこのターンで処理させて貰うよ。悪く思うな・・



「マジシャンズ・ナビゲートは手札に存在するブラック・マジシャン1体を特殊召喚出来ます。」


「ブラック・マジシャン!!」



マハードの隣に登場するブラック・マジシャン、ジュン子さん達の目がハートになってるのは
一先ず置いといて・・・



「まだ効果は続きますよ。手札よりブラック・マジシャンを特殊召喚した後、
 私はデッキから闇の属性を持つ、魔法使い族モンスター1体を呼び出す事が出来ます。
 現れろ!レベル7、マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン!!」


「・・・これがブラック・マジシャン・・・その上・・俺のターンに最上級モンスターを
 並べるなんて・・・!」



続いて現れるのは素顔が見えないブラック・マジシャンの幻影?
あっ、因みにマジブラはちゃんと守備表示です。



「驚いている暇はありませんよ? 本番は此処からです! 黒の魔導陣、第2の効果発動!」


「1個だけじゃ無かったのかよソレッ!?」


「効果が1つだけとは言っていませんよ? 黒の魔導陣、第2の効果・・・1ターンに1度
 私の場にブラック・マジシャンが召喚、又は特殊召喚された場合・・相手フィールド場の
 カード1枚を選び、ゲームから除外しますっ!・・・私は、ハネクリボーを選択っ!!」


『クリ~~~~ッ!!』


「しまった・・・相棒ッ!」



再び魔導陣が展開し、ブラック・マジシャンがハネクリボーを次元の彼方へと消し飛ばす・・
そう言えば・・・さっきからチョコを始めとしたガールズが来ないな・・・・?



「ハネクリボーの効果は破壊されたターンに発生する全てのダメージを0にする効果・・・
 ・・よって、私のターンが来る前に突破させて頂きました。序に言うなら・・2つの効果を
 持っているのは魔導陣だけではありませんよ? 私は墓地に存在するマジシャンズ・ロッド
 第2の効果発動!」


「まだ続くのかよっ!?」


「マジシャンズ・ロッドが墓地に存在し、私が自分のターンでは無く、相手のターンに魔法・罠
 カードを発動した場合・・私の場に存在する魔法使い族1体を生贄に捧げる事により、墓地に
 存在するマジシャンズ・ロッドは手札に戻ります・・私はブラック・マジシャンを選択っ!」


「・・・へっ? 折角出したブラック・マジシャンを??」


「そして、マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョンの効果も発動! このカードも同じく
 私が相手のターンに魔法・罠カードを使用した時に効果を発動出来ます。フィールド場に表側
 表示である限り1度だけ、墓地に存在するブラック・マジシャンを復活させますっ!」



再び現れるブラック・マジシャン・・・まっ、どのデッキでもキーカードは忙しいよね・・。
・・・以上、ブラマジの基礎コンでした・・文字数長ぇよ。



「・・・・・へへっ、ブラック・マジシャンを此処まで使いこなすなんて・・おもしれぇ・・・
 瑞樹・・すっげぇ面白いぜ、このデュエル!!」



俺がやってるのはブラマジの基礎コンだけどね。ブラマジデッキをメインに戦うOCGの
人達に比べれば、俺のプレイングなんて・・・まっ、此処でこんな事を言うのは野暮か・・



「そう言ってくれると私も嬉しいです。・・・ですが、私のブラック・マジシャンを倒せないと
 遊戯さんのブラック・マジシャンは倒せませんよ?」


「おう! 勝つのは俺だっ!!」

 

何でだろうね? 十代君なら本気で突破してくる気がする・・・



「・・・相手の動きに合わせて展開しながら、障害となるカードを排除して来る戦術・・・
 これが瑞樹のデュエルって事ね・・・。」


「しかも瑞樹さんの手札には最初のターンで黒・魔・導が加わっておりますので・・」


「何を伏せた所で総攻撃、次のターンでアイツの勝ちよっ!!」






















「・・・ズルいッスよ瑞樹さんっ! そんな卑怯なカードや戦術を使って!!」



・・・和やかムードをブッ壊してくれてアリガトよ。ドコが卑怯なのかは分からんが・・
まっ、ナビゲにしろ魔導陣にしろ この時代には無かったカードを使ってる訳だし?
そういう意味ではズルと言われても否定出来なくは・・・



「お・・おい翔! お前デュエリストの魂に向かって何言って「・・ザケんじゃないわよ」
 ・・・・・へっ?」



言っとくが俺じゃないからな? 俺の後ろに要る般若・・・ではなくジュン子さんだからな?



「・・・男子禁制の女子寮に土足で上がり込んだ挙句、不利になった途端に相手を侮辱して
 自分を正当化するってわけ?・・・何処まで根性腐ってんのよオシリスレッドは!!?」


「ちょ、ちょっとジュン子っ!?」



気付けばジュン子さんが翔君の胸倉掴んで怒鳴り散らしていた・・・。
明日香さんと十代君が止めに入るもジュン子さんは熱くなったせいで聞く耳を持たない感じ・・



「アンタみたいなのが一番嫌いなのよっ! 自分一人じゃ何にも出来ない癖にっ!!
 後ろに隠れて、他人の揚げ足取る事しか出来ないヤツのせいで「ジュン子!!」」


「お、おいっ、流石に暴力はマズイって・・・!!翔、お前も早く瑞樹に謝れよっ!!」


「うわああああああ!!アニキぃぃいいいい、助けてえええええ!!」



流石にデュエル所じゃ無くなり、俺もジュン子さんを止めに入ったけど・・・
ブラック・マジシャンとマハードの目は凄く冷たい・・・そりゃ、コイツ等は俺の巻き添え
喰らった身で罪は無いが・・・イケメン怒らせると怖さ100倍だな・・。



「・・明日香さんっ・・・・・あぁもう! ほらっ、アンタも行くわよ!!」


「え?で、ですがデュエルの決着が・・・」


「相手にするだけ時間の無駄よ!! こんな連中に優しくしても甘えるだけだわっ!!」


『『ピピーーーッ、ピピーーーツ』』


「今度は何よっ!?」


「・・・メールの着信音です。届いたのは私と・・十代君のようです。」


「えぇ?・・・ったく誰だよ、こんな時に~。」



俺の腕をグイグイ引っ張るジュン子さん、力強いな・・・
え~っと? 画面を開くには・・・



~やぁ試験番号11番、斎藤瑞樹君。知っていると思うが俺はオベリスクブルー1年
 最強デュエリストの万丈目準さんだ。今夜0時、互いの親睦も兼ねて、この俺自ら
 君を互いのベストカードを掛けたアンティデュエルに招待しよう。場所はデュエル
 フィールド、君の勇気に期待しているよ。~



・・・察した、けど入学初日から問題行動起こす気は全く無い。無いが・・・・



「へぇ~? 中々面白い事言ってくれるじゃねぇかっ!?」



十代君は違うよね?絶対行く気満々だよね!!?



「十代君、行ってはダメですよ? デュエルアカデミアではアンティデュエル自体が
 禁止されていて良くて謹慎・・場合によっては停学、退学もあり得ますからね?」


「げっ!そんな校則あったのかよ・・・けどさぁ・・挑まれたデュエルは受けて立つのが
 真のデュエリストってモンだろ??」


「・・・その姿勢は称賛しますが「もういいでしょっ!?」・・ちょっ、ジュン子さん?」


「停学になろうが退学になろうが、勝手にすればいいわ!これ以上アンタ等の都合に私達を
 巻き込まないで頂戴!!行きましょ明日香さん、ももえ!」


「えぇ、勿論ですわ!!」



・・・どうしよ? このまま十代君を放っておいたら絶対行くよな?
原作なんざ覚えてねぇが翔君がアテにならんのは分かる・・・となると他に十代君の興味を
惹けそうなモン・・・あるんだが・・・・正直、嫌な予感しかしねぇ・・。



「・・・そ、そうだっ! ねぇ十代君? 良かったら私とデッキ調整しませんかっ?!」


「ヘッ? デッキの調整って・・・瑞樹のか??」


「いえ違います! 実は私もE・HEROを幾つか持っていましてね?!私は使いませんし
 十代君だったら大切に使ってくれそうですし? もし良ければ会って頂けませんか?
 ひょっとしたら十代君が知らないヒーロー達に会えるかもしれませんよっ!!?」


「俺の知らないヒーローだって!!?・・・けどデュエルの挑戦をすっぽかすのは・・」



下手しなくても俺がヒーローから受けたトラウマ全部、抉り返されそうだが? それ以上に
入学初日から知ってるヤツが処分受けるトコなんざ見たくねぇよっ!!



「・・・それを言うなら私とのデュエルも中断されちゃった訳ですし? 十代君にしたって
 決着を付けるのは私と、私のブラック・マジシャンが先になる筈ですよね?!どうせなら
 私のヒーロー達と会って、ちゃんとデッキを調整してからにしませんか?!その方が私の
 ブラック・マジシャンも喜ぶかもしれませんよっ!?」



「ん~、そりゃ瑞樹のブラック・マジシャンとは決着付けたいけどさ・・万丈目のデュエル
 も捨てがたいし・・・あぁ、もうっ! 俺はどうすりゃいいんだよおおおお!!」








『・・・・・・・・翔・・・君っ!』

『はっ・・はいッス!!』



さっきの言葉は聞かなかった事にするから相槌ぐらいしろやゴルアァ・・・みたいな目で
合図してみたらホントに止めに入った。ちょっとでも負い目があるならと思って付け込んで
みたが? やってみるモンだな・・・





その後、どうにか十代君を説得してレッド寮へ移動。 同じ部屋のビッグコアラこと
前田隼人君とも知り合い、十代君のデッキ調整を手伝ったのだが・・・

















※※※※






「魔法カード、ヒーローアライブを発動しデッキからE・HEROエアーマンを特殊召喚!
 エアーマンの効果でシャドーミストを手札に加えて、エアーマンとシャドーミストを
 融合!現れろE・HERO Great TORNADO! 
 そしてシャドーミストの効果によりデッキからブレイズマンを手札に加えて召喚!
 ブレイズマンの効果により融合を手札に加えるぜ! そして場のブレイズマンと手札の
 沼地の魔神王を融合し現れろ、E・HEROアブソルートZERO!!いくぜ瑞樹!!
 速攻魔法マスク・チェンジ発動!場のアブソルートを墓地へ送り、現れろ!!
 M・HERO アシッド!!この瞬間アシッドとアブソルートの特殊効果発動っ!!
 アブソルートはフィールドから離れた時、相手のモンスターを全て破壊し
 アシッドは特殊召喚した時、相手の魔法・罠カードを一掃する!!」


「そう簡単にはやらせませんっ!!速攻魔法ディメンション・マジック発動!
 場のマジシャンズ・ロッドを生贄にキウイ・マジシャン・ガールを特殊召喚!
 キウイが場に存在する限り、私の場の魔法使い族はカード効果では破壊されません。
 更にディメンションの追撃効果によりTORNADOを破壊!!
 そして破壊され、墓地へ送られたマジシャンズ・プロテクションの効果により
 墓地のブラック・マジシャンが復活!」


「おっと躱されたかっ!!なら俺は手札から強欲な壺を発動して2枚ドロー!
 貪欲な壺を発動、TORNADO、アブソルート、アシッド、ガイア、ダークロウを
 戻して2枚ドロー!更に墓地のテイク・オーバー5を除外して1枚ドロー!!
 続いてホープ・オブ・フィフスも発動、墓地のE・HERO5体を戻して2枚ドロー!
 更に融合回収を発動、エアーマンと融合を手札に戻してマスク・チャージも発動!!」


「おおぉ・・・十代君の手札が見る見る回復していく・・・(灰流うらら?悪いな、来て
 欲しい時に限って来ないのが俺のクオリティーなんだ・・・)」





新旧ヒーロー達をソリティア宜しくブン回す十代、瑞樹も9期プレイヤーの意地で善戦
するも結果は3勝7敗・・・翔は途中から2人のデュエルが理解出来なくなり、心配して
様子を見に来ていた明日香は絶句していたのだが・・生憎、瑞樹に周りを気にするだけの
気力は残っていなかった・・・。




「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜっ!!」


「・・・あ・・有難う、御座います・・・。」



トラウマ全部掘り返される所か、自分と十代の差を嫌と言う程に実感させられてしまった
これが天才と凡人の差か・・・と・・



(・・け・・・けど縛りは最後まで順守出来たし? 十代君相手に3勝出来れば・・・・
 OCGプレイヤーの面子は・・・守れたと信じたい・・。)







「・・・ソコで何をしているのですかニャ~?」


「・・・え゛っ?!」



やっと一息付けると思っていたら大徳寺先生が後ろで立っていた。



「消灯時間はとっくに過ぎていますのニャ・・・それに♪ 夜の外出は、幾らオベリスク
 ブルーの生徒でも禁止されていますのニャ~」


「・・・あぁ・・私は、その・・・十代君のデッキ調整をですね?」


「十代君がどうかしましたかニャ??」


「・・・・・えっ?」



大徳寺先生の言葉に慌てて周りを振り返る瑞樹だったが十代は勿論、翔の姿も綺麗サッパリ
無くなっていた・・・



「兎に角、鮎川先生には私から伝えておきますので君は早く女子寮に「お・・・」お?・・」














「・・・お・・おのれ遊城十代ぃぃいいいいいいい!!!!!」






次に会った時は大会用本気デッキでシバく!!
そう心に誓うが戻った先で待っていた鮎川先生とジュン子さん達によるお説教+愚痴を聞く
事になってしまったのは言うまでもない・・・。


 
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