魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第四十二話
バキィ!と目の前の男をぶん殴る。
「テメェに!テメェに親に捨てられた子供の気持ちがわかるか!?」
男は答えない。
「答えろよ!十六代目更識楯無!」
俺が殴り飛ばした男。
男の名は更識楯無といった。
[シールドエネルギー・エンプティ。勝者織斑千冬]
[予選ブロック第一試合!勝者は織斑選手だぁぁぁ!]
姉さんが敵ISのシールドエネルギーを削りきり、機械音声と実況の声が鳴り響いた。
「んー…もう少し早く反応…いや、暮桜じゃアレが限界か…」
「どーしたの一夏おねーちゃん?」
と膝にのせたエレンが言った。
「だからおねーちゃんではないと…まぁいい…
いま姉さんが使ってるISがあるだろ?」
「うん」
「あのISじゃぁ姉さんについていけないんだよ」
「?」
「まぁ、姉さんはすごいって話さ」
うーん…まぁ…姉さんならテクニックだけで勝てるか…
試合が終わり、ちらほらと席を立つ人が出てきた。
この後の試合は…
うん、見なくてもいいかな。
「どうする?メシ食いに行くか?」
「行くー!」
「行きます」
エレンとリムが答える。
「箒は?」
「構わんぞ」
「じゃぁ行くか」
別行動の柳韻さんとヴィッサリオン達に連絡し、席を離れる。
で、スタジアムから出た所で気付いた。
あれ?護衛(更識)は?
今現在、箒には更識家の護衛がついている…筈なのだが。
今はノーガードだ。
うぅむ…何かあったか?
メティス・サイトで周囲を探ると…
「ん?なんだ?」
「どうした一夏?」
「いや…なんか…トラブルっぽい…いま箒についている筈の護衛が居ない。
しかも更識家…えっと…箒の護衛を政府公認でしてる暗部が一室に集まってる」
「「「?」」」
「取り敢えず何かあった事は確定だな…」
スマホを取りだし…
「ヴィッサリオン」
「『どうした若』」
「何かあったらしい。少し見てくるから箒に付け」
「『わかった』」
数分待つとヴィッサリオンが来た。
「嫁さんは?」
「さぁ?」
「さぁ?って…まぁいいや、箒の護衛宜しく」
「任せろ」
さてと…
スタジアムに戻る。
パレードを使い身長170ほどの金髪の男に化ける。
向かう先はスタジアム地下だ。
そこに更識に与えられた部屋がある。
更識家は現在日本代表チームの警備をかねているのだ。
部屋に向かっていると人が来た。
ん?更識の人?もう解決したのか?
正面から更識家の人間が歩いて来るが…
誰も俺に気付かない。
認識阻害をかけているから当たり前ではあるが…
やがて部屋についた。
中で誰かが言い争っていた。
女の子と成人男性の声だ。
まぁ、入ってみるか…
ドアを開けようと手をかけ…
「じゃぁお父様は簪ちゃんを見捨てるの!?」
「仕方あるまい!私は楯無なんだ!」
「お父様なんてだいっ嫌い!」
ガチャリとドアが開けられた。
目の前には蒼い髪に紅い瞳の少女が居た。
「貴方…だれ?」
と警戒の色を滲ませて俺を見る。
けど、そんなことは今はいい。
少女を押し退け、部屋に入る。
問題は…
「おい、そこのオッサン、あんた更識楯無か?」
「誰だ?」
「質問に答えろ」
「ああ、私が十六代目更識楯無だ」
「そうか…」
先の会話…
「何があった?」
「貴様に関係あるまい」
チッ…
「更識簪が誘拐されたか?」
楯無の顔が歪む。
当たりか…
「当たりのようだな…何を要求された?」
「…………」
答えないか…
「暮桜のスペックデータ!それと日本のIS研究の全情報!」
少女が答えた。
「刀奈!」
男が少女を叱る…が。
「機密事項!?知ったことじゃないわ!
簪ちゃんを見捨てるなんて!こんな家だいっ嫌いよ!」
そうか…そうかそうか…
「仕方ないだろう!国益の為だ!」
あぁ…もう…ダメだ…
「おい、オッサン」
「なんだ坊主」
もう…限界だ!
「歯ぁ食いしばれ!」
気付けば、目の前の男を殴っていた。
斯くして冒頭へ。
「国益だぁ!?知った事か!テメェの娘だろうが!
なぜそうも簡単に見捨てられんだよ!」
あぁ…クソッ…!
スマホを取りだし…
「ヴィッサリオン、人を寄越せ。
更識家の令嬢が誘拐された」
「『なんだと?更識家は動かないのか?』」
「ああ、そうだ。いいから人員寄越せ」
「『……………了解、スタジアム西口に向かわせる』」
「わかった」
プツッ
盾無に背を向け、部屋を出る。
「待って!」
少女に呼び止められた。
「なんだ?」
「簪ちゃんを助けてくれるの!?」
「ああ」
「私も連れてって!」
ふぅむ…
「却下だ。足手まといはいらん」
「私は更識刀奈!足手まといにはならないわ!」
ふぅん…やっぱりか…素人よりはマシ…
何かの役に立つか?
「勝手にしろ」
通路を歩いて行く…
前から人が走ってきた。
ソイツは更識刀奈の前で一礼した。
「お嬢様!」
「今度は何よ!?」
「日本代表のデータが奪われました!」
はぁ!?
「さっきの騒動で警備が薄くなったスキを突かれ…」
チッ…更識簪を拐ったのはブラフか…
「おい!更識刀奈!急ぐぞ!」
「ええ!」
更識刀奈を連れて走り出した。
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