銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十四話 襲撃の後始末
明日も夜勤ですので更新が難しいです。
寒くなってきて風邪気味です。
********************************************
第八十四話 襲撃の後始末
帝国暦480年8月7日 午前0時25分
■オーディン ノイエ・サンスーシ宮中警備隊庁舎貴賓室 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
オフレッサー邸に防衛に行った、ケスラーより全て済んだとの連絡を受けた。
「ケスラー、御苦労様。屋敷の方々や部隊の者は無事ですか?」
「御家族も当方も全員無事です。また襲撃犯も全員生存しています」
「で怪我人はどの位出ていますか?」
「当方は怪我人0です。襲撃犯が44名が重傷です」
「随分と味方が頑張ったんですね」
言いにくいようにケスラーが話す。
「いえ、憲兵隊は我々が捕らえましたが、襲撃犯は御家族が倒しました」
「あの執事の方ですかね」
「執事の方が12人、ご婦人が8人、ご令嬢が5人倒しています」
「あー、流石オフレッサー家の家族だね」
驚くきますね、凄いぞオフレッサー一族、どこぞのリリカルな高町家みたいだ。
「じゃあ、オフレッサーは何もせずに済んだのね」
「はい、先ほどご帰宅しましたが、そのままですね」
「ケスラー、逮捕した連中を徹底的に取り調べて、クラーマーの悪事を暴いて下さい。
私はオフレッサーに連絡して策を授けますんで」
「判りました。取りあえず今夜は、ヴィッツレーベン、ケーフェンヒラーを残して警戒させます」
「お願いしますね」
同日午前0時35分
家族達の無事を確かめた後。
久々に戦った為に執事のバウムガルテンがギックリ腰になり痛がっているのを、賞めた後、寝るように諭して寝かせた後。
アーリア達が準備したシュラハトプラットがリビングへ届けられていた。
おいしそうな湯気に食欲がわいてくるが、その時電話が鳴る音がした為。
メイドのイルマが受けに行った。
オフレッサー邸に掛かってきたTV電話は、ノイエ・サンスーシから掛かってきた。
電話に出たメイドのイルマが慌ててリビングへ駆け込んできた。
「イルマ、慌ただしいわよ」
「大変です、でででで殿下からお電話です!」
「はっあ、殿下?」
「こここ皇女殿下です」
「なに!、それを早く言わんか!」
オフレッサー慌てて電話室へ走っていく。
TV電話のモニターにはテレーゼがにこやかに写っていた。
「皇女殿下におかれましては、お待たせ致しまして誠に申し訳ございません」
「オフレッサー、その様な事気にせずとも良い。妾は卿の家族達が無事で嬉しいのじゃ」
「殿下、勿体のうございます」
「父上も心配しておったのじゃが年寄りは夜が早くて耐えられなかったのじゃ。
済まんな起きておらんで、しかし、父上と妾が卿を士官学校の教官を頼んだばかりにこのような事に成ってしまいすまん」
テレーゼが頭を下げた。
驚くオフレッサー。
「殿下、頭をお上げ下さい。恐れ多いことでございます」
「オフレッサー、ありがとうじゃ」
「勿体のうございます」
オフレッサーがぺこぺこしている姿は一興であった。
「オフレッサー、今回の事はかなり根が深いようじゃ。
子供の悪戯では済まない状態じゃ其処で済まんが、
士官学校の教官を明日は休んでくれんか?」
「殿下のご命令とあれば、その様に致しますが何か為さいますのですか?」
「うむ、今回の事件は憲兵隊が絡んでいるので、それを頼んだ連中と関係者をあぶり出します。
其処で連中を油断させる為に明日は休んで欲しいのです」
「御意」
「憲兵隊を捜索するときに、宮中警備隊だけでは足りませんので、装甲擲弾兵の応援をお願いします」
「皇女殿下、お任せ下さい。我ら装甲擲弾兵は陛下と殿下に永遠の忠誠を尽くしますぞ」
「オフレッサー、大儀です。けどライムバッハー総監に話を聞いてませんよ」
テレーゼがにこやかに突っ込む。
「総監も同じ気持ちです」
嫌だと行ったらぶっ飛ばすと考えてるオフレッサーであった。
「心強いことです、オフレッサー。父に代わって礼を言います」
「勿体のうございます」
「夜遅くまで済まぬな」
「殿下とんでもございません」
「卿の家族も素晴らしい戦いをしたと聞いたぞ、ズザンナを妾の近衛に欲しいくらいじゃ」
「お恥ずかしゅうございます」
「冗談ではないぞ考えておいてくれ」
「御意、娘も喜びましょう」
「さて遅うなってすまぬな、ゆるりと休んでくれ」
「殿下、誠にありがとうございました。家族共々御礼申し上げます」
「ではな」
「御意」
■オーディン オフレッサー邸 アルノルト・フォン・オフレッサー
殿下からのご連絡と陛下からの、我が家族へのご心配を受け今回ほどありがたい事はなかった。
益々陛下と殿下に忠誠を尽くす所存だ。
それに殿下がスザンナを近衛に欲しいと仰ったからな、
明日にでもヴァーリアとズザンナに話してみるか。
しかし、餓鬼共の悪戯かと思ったが、憲兵まで動くとはクレーマー候補生の仕業か?
装甲擲弾兵対憲兵隊か普段は、取り締まられているからな。
逆に我々が取り締まるのも一興だな。
しかし、皆も40人を半殺しとは、育て方を間違えたかのう。
あれでは嫁のもらい手が無いかも知れん。
ヴァーリアも16の頃は大人しかったが、
儂に追いつこうと一緒に訓練したから彼処まで強くなったのかの。
まあ、家族が無事でよかった。
好物のシュラハトプラットを食べるとするか。
明日は休みになったからな。
■オーディン 帝国軍士官学校寮 フレーゲル男爵部屋
今夜が襲撃だと言う事でまたも懲りない面々が集まっていた。
しかしびびったらしくコルプト子爵は数日前から参加しなくなっていた。
フレーゲル達もリッテンハイム候にもいい顔をする、臆病者には用がないと捨てておいた。
「そろそろ襲撃されている時間です」
「クラーマー、家に投石とかして脅かすので大丈夫だろうな」
「フレーゲル殿、父がフレーゲル男爵の依頼なら、
任せてくださいと言っていますから大丈夫ですよ」
「そうか、まあ投石や生ゴミを庭に蒔くなどすれば威圧には十分だろうな」
「いざとなれば、糞尿を玄関にばらまけば大丈夫ですよ」
「ヒルデスハイム伯、確かに良い案だな。今回の事で懲りなければそうしたそう」
「しかしコルプトの奴、ビビリおって情けない」
「逃げる奴は放っておけばいい、そのままハブればいいのだから」
「まあ確かにな」
フレーゲル達が計画したのは非常に幼稚な嫌がらせだったが、
それがクラーマー憲兵隊副総監が間に入ったことで、大事件になったのが真相であった。
■オーディン クラーマー邸
その頃クラーマー憲兵隊副総監は、現場へ送った腹心以下の部隊から連絡が途絶えていたが、大したことがないと思い、明日連絡を聞けばいいと寝てしまった。
■オーディン 宮中警備隊庁舎
その頃襲撃犯や確保した憲兵隊は、宮中警備隊官舎にて夜通しの取り調べが始まっていたのであった。この取り調べが、憲兵隊の膿を出し切る外科手術になる第一歩と成ったのである。
■オーディン ノイエ・サンスーシ 皇帝別宅
テレーゼは夜更かししすぎて、眠くなりノイエ・サンスーシのフリードリヒ4世の別宅で寝る事になり、翌日、シュザンナに言い訳をするのに苦労したのであった。
ページ上へ戻る