転生とらぶる
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ペルソナ3
1969話
屋久島の滞在3日目。
今日は最終日という事もあって、午前中は遊んで午後から帰る事になっていた。
そんな中、俺はゆかりと共に屋久島の名物……縄文杉が見える場所。
本来なら近くにまで行きたいところなのだが、縄文杉の保護の為、離れた場所から見る事しか出来ないらしい。
「ゆかりは昨日、見に来たんじゃなかったのか?」
「途中でアイギスの件があったもの。……それに、付き合い始めた日なんだから、ちょっとくらいデート気分になってもいいでしょ?」
俺の手を握り、ゆかりがそう言ってくる。
昨日は結局キスだけで終わり、それ以上の事はなかったのだが……それを特に不満には思わない。
ゆかりは抱いて欲しいと言ってきたのだが、幾らゆかりが高校生の平均以上に女らしい身体をしているからといって、俺の倫理的に高校生を抱くというのはちょっと問題があった。
……まぁ、その倫理観もそこまで強固なものではないのは、俺自身が一番知っているのだが。
ともあれ、ディープキスだけでゆかりを部屋に戻したのだが……それだけで腰砕けになってしまい、横抱き、いわゆるお姫様抱っこをしてゆかりを部屋にまで運んだのは、良い思い出となった。
もっとも、部屋に到着した後で、ゆかりに影のゲートを使えばここまで緊張することがなかったというのを見破られ、若干拗ねられたが。
ともあれ、俺の事情を全て知った上で付き合う事になった俺とゆかりだったが、その事は暫く他の面々には秘密にするようにということになっている。
ゆかりにとっては、照れくさいというのもあるのだろうが、その事によって影時間の解決が遅くなるかもしれないという事を憂えているのだろう。
もっとも、付き合っているという意味では有里と山岸の件もある。
あの2人が本当に付き合っているのか、実はまだ告白とかがされてないのか……その辺りはまだ俺にも分からなかったが、それでも普段のあの2人の様子を見ていれば、付き合っているという風に見えてもおかしくはない。
いや、それどころか……寧ろ夫婦? といったように見える事もある。
そんな2人は、当然のように屋久島最終日、俺達とは別行動を取っており、どこかに出掛けたらしい。
海とかか? まぁ、海だったら順平辺りが気が付きそうな気もするが。
「ちょっとアクセル。どうしたの?」
「いや、何でもない。ただ、縄文杉ってくらいだから、本当に縄文時代からあったのかと思ってな」
名前からすれば、縄文時代から生えていた……という事になるが、それだと樹齢がもの凄い事になる。
いや、実際に縄文時代から生えていたのかどうかってのは、調査方法にも諸説あるらしいけど。
「そうね。ここまで大きい木って、そうそうないわよね」
その言葉に、周囲に俺達の他に誰もいないのを確認してから、口を開く。
「ネギま世界ってところだと、これより巨大な木が埼玉県にある学園都市に普通に生えてるけどな」
「……え?」
何を言ってるのか理解出来ない、といった風に視線を向けてくるゆかり。
まぁ、普通はちょっと信じられない話なんだから、そんな風に思ってもおかしくはない。
だが、やがて繋いでる手に力を入れながら、俺の方に視線を向け、口を開く。
「それ、本当?」
「ああ。今は無理だが、ホワイトスターに戻れるようになったら、ネギま世界に連れて行って見せてやるよ」
「一応聞くけど、それ、大丈夫なのよね?」
「大丈夫って何がだ?」
「例えば、その木を見た人は呪われるとか、そういう事はないのよね?」
「あのな……世界樹、正確には神木・蟠桃と呼ばれている木だぞ? 呪われるとか、そういうのはないから安心しろ」
「ふーん。……なら、少し楽しみにさせて貰おうかしら」
そんな風に30分程、縄文杉を見ながら俺とゆかりは会話を交わす。
その後、手を繋いだまま桐条の別荘に戻ると……
「ちくしょおおおおおおおおおおおおおっ!」
ふと、そんな風に叫びながら走っている順平に気が付く。
付き合っている事を隠す必要がある以上、今の状況を見られるのは不味いということで、俺とゆかりは繋いでいた手を離す。
そしてお互いに顔を見合わせ……
「で、何だと思う?」
「そう言われて、何があったのかがすぐ納得出来るのが微妙なところね」
「だよなぁ……順平がいたのは砂浜だろうし」
恐らくナンパしようとして、見事に玉砕したのだろう。
……正直なところ、午後には帰るというのに、今ナンパしても何か意味があるのかと思うのだが。
ああ、でも携帯で連絡を取り合う事が出来る以上、今からナンパしても全くの無駄って訳でもないのか。
屋久島というリゾート地で会った順平と連絡を取り続けるかと言われれば、正直微妙なところだが。
こういうのって、やっぱりリゾート地で会った相手だからこそ、その時だけの関係となる可能性が高いように思える。
良く言えば一期一会、悪く言えば……なんだろうな。地産地消? いや、違うな。ポイ捨て彼氏? 何だか微妙に合ってるような気がしないでもない。
ともあれ、そんな感じなんだから、もし連絡先を聞いてもそれが本当かどうかは分からないし、本当でもナンパされた相手が地元に戻ってからも連絡を続けるのかは微妙なところだ。
「……さて、お昼までまだちょっと時間あるけど、どうする?」
見なかった事にした!?
まさに、これぞスルーといった様子を見せるゆかりに、俺はどう対応すべきか迷う。
迷うんだが……まぁ、順平だしいいか、とすぐに判断しして、俺も忘れる事にする。
「昼食は別荘の方で用意してくれるんだよな? なら、散歩しながら別荘に戻らないか?」
「まぁ、今から泳ぐかって言えば、そんな気分でもないしね。時間もそんなにないし」
特にやるべき事もないからという事で、別荘の周囲を散歩する事になる。
ここまで来ると、もういつ知り合いに会うか分からないという事で、ゆかりは俺と手を繋ぐような事はなく……
「おう、アルマー、岳羽も。2人は散歩か?」
「え? あ、はい。真田先輩は……聞かなくても分かりますね」
「ふふっ、そうだろう、そうだろう。やはりこのような場所に来たからには、しっかりと走っておこうと思ってな。良ければお前達もどうだ?」
ランニングに誘ってくる真田だったが、ゆかりも……そして当然俺も、それには首を横に振る。
何が悲しくて、わざわざ今から走らなきゃいけないんだよというのが、俺の正直な気持ちだ。
真田にとっては、屋久島のような場所でトレーニング出来るってのは、嬉しい事なんだろうが。
東京だと、どうしても空気が汚いし、その気持ちも分からないではない。分からないではないんだが……だからって、俺が走りたいかと言われれば、当然否だ。
「俺は止めておくよ」
「私も止めておきます。縄文杉を見てきた余韻に浸っていたいので」
「そうか? 分かった。なら、俺は走ってくるぞ」
そう告げ、走り去る真田。
トレーニング中毒と呼ぶべき真田だったが、人にそれを強要したりしないのは助かる。
……時々プロテインを勧めてくるのは、正直どうかと思うが。
やっぱり、料理に直接プロテインを掛けるのとかって、どう考えてもおかしいよな。
真田の味覚、大丈夫か?
そう思わないでもないが、牛丼を好んで食っているのを見れば、普通の高校生らしい味覚をしているようには思える。
もっとも、ボクシング部に所属している真田が、牛丼を何杯も食うのは、体重的に危ないような気もするんだが。
「じゃ、行きましょ。別荘の方に向かえば、何かあるかもしれないし」
真田が去った事により、ゆかりは俺にそう言ってくる。
「そうだな。何か面白いものでもあるかもしれないし」
そう言うものの、桐条グループの別荘の近くだ。
何か怪しげなものとか、そういうのがあった場合、即座に撤去されてしまうのは間違いないだろうが。
それでも、このままただ歩いているよりはマシだろうと、別荘に近づいていくと……
「もう、知りません!」
道の先から、そんな声が聞こえてきた。
それも、聞き覚えのある声で。
ただ、唯一意外だったのは、その声を発した人物は普段なら今のように叫んだりしないという事が分かっていた為だ。
もし何かをされても、それを受け入れて反抗しない性格。
実際、学校で苛められている時も特に現状を変えようとはせず、ただ受け入れているだけだった。
そんな人物が叫ぶというのは、何があった?
ゆかりと視線を交わし、お互いに小さく頷くと声の聞こえてきた方に行く。
すると、予想通りその先には山岸の姿があった。
見て分かる程に怒っている様子で、俺達とは別の方に向かって歩いていった。
そして山岸がいたと思しき場所には……これまた予想通り、有里の姿がある。
ただ、その有里の近くにアイギスの姿があるのを見ると、恐らく山岸の怒りの原因はそれだろうと、容易に想像出来た。
……アイギスの場合、きちんと服を着て身体の機械の部分を隠していれば、十分人間の女に見える。……まぁ、足はちょっと誤魔化すのが難しいと思うが。
ともあれ、そんなアイギスが有里の側から離れない事が、山岸にとっては受け入れられなかったのだろう。
あの2人の関係って、今はどうなってるんだろうな。
傍から見れば、それこそ俺とゆかりよりもまともな恋人同士といった風に見えるけど。
だが、本人達に聞く限りでは、付き合っているって感じじゃないらしいんだよな。
俺とゆかりの場合は、ゆかりが積極的だったが……有里と山岸だと、どちらも恋愛方面に積極的ではない事もあって、その辺りの進展は微妙なところだ。
「どうする?」
声を掛ける? と視線を、向けてくるゆかりがだったが、あそこに突っ込むと色々と不味い事になりそうな気がするんだよな。
それこそ、痴話喧嘩に巻き込まれそうな……
「止めておく。山岸と有里、それとアイギスの間の問題だろ。俺達が口を出すような事をすれば、それだけ面倒なことになりそうな気がするし」
「……そうね」
俺の意見はゆかりも同意見だったのか、反対はしない。
機械だけあって、アイギスはそんな俺達の声が聞こえたのか、有里の側でこちらに視線を向けてくる。
だが、その言葉通りアイギスにとっては俺達よりも有里の近くにいる方が重要なのだろう。
有里の側からこっちに近づいてくる様子はない。
そんなアイギスに軽く手を振ると、向こうも小さく頭を下げてくる。
有里には特に何もしていないが、ともあれ、これで挨拶は済んだと判断し、そのままゆかりと共に別荘に向かう。
「何だかんだと、殆ど全員に会ったな」
「そうね。後は桐条先輩だけだけど……」
そう言った瞬間、別荘の近くで武治と何かを話している桐条の姿を見つける。
俺達が乗ってきた車があるという事は、恐らく武治は一足先に帰るのだろう。
……まぁ、武治にはやるべきことが多いからな
特にゆかりの父親の映像に関して本当に加工されたものなのかどうか……そして何より、その映像を加工したのが誰なのかをしっかりと調べる必要がある。
怪しいのは幾月だし、その辺りについても武治にはしっかりと報告してあるが、それでも長年の部下をすぐに裏切り者だと判断するのは難しい、といったところか。
それだけに、しっかりとした証拠が出てくれば武治もきちんと動くようになると思うが。
そんな風に思いつつ、俺はゆかりの方に視線を向ける。
そこにあるのは、当然と言うべきか面白くなさそうな表情。
いやまぁ、過去の件を思えば武治に対して敵愾心を持つなという方が難しいのだろうが。
それでも、以前よりは若干……本当に若干だったが、武治に、そして桐条グループに対しての態度が収まったように思える。
これだけでも、今回屋久島に来た意味があったんだろうな。
美鶴と話していた武治は、やがて離れた場所にいる俺達に気が付いたのだろう。小さく頷くと、そのまま美鶴との会話を終えて車に乗り込む。
実は親馬鹿の武治だったが、ゆかりを前にするとやっぱり罪悪感があるんだろう。
娘との会話を強引に切り上げるくらいには。
ともあれ、そうして話を切り上げた武治は、車に乗って走り去る。
ちなみに俺の方を見て頷いたのは、映像の加工や幾月の裏切り疑惑について、しっかりと調査するというのを態度で示したのだろう。
武治が乗った車は俺達の横を通り……その本人は特にこっちに視線を向けたりしないまま、走り去る。
「……アクセル、岳羽も。どうした? まだ、昼食まではもう少し時間があるぞ。折角の屋久島なんだ。もう少しゆっくりしてきてもいいのではないか?」
俺とゆかりに気が付いた美鶴が、そう言ってきた。
武治との話が途中で切り上げられたことを残念に思っているのは間違いないのだろうが、それを俺達に感じさせないようにという、そんな気遣いが感じられた。
そんな美鶴に、俺とゆかりは並んで近づいていく。
美鶴が俺達を見て少しだけ不思議そうな表情を浮かべていたが……ともあれ、俺達は昼食の時間まで3人で話をするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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