ドリトル先生と奈良の三山
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第七幕その五
「聖徳太子ともお会いしたことがあります」
「そうだったんだ」
「奈良の鹿達の神の使いです」
その立場もお話するのでした。
「千数百年生きていてです」
「そうしてだね」
「今の役職を務めさせてもらっています」
「そうした鹿さんだったんだ」
「はい、そしてです」
そのうえでというのです。
「この役職は聖徳太子に任じてもらいまして」
「そうしてなんだ」
「そうです、そのうえで」
まさにというのです。
「先生にお話があって参りました」
「僕に?」
「先生のお名前は聞いています」
あらゆる生きもの達の友達である先生のことはというのです。
「私も、そして先生は今学問で奈良に来られていますね」
「うん、そうだよ」
「奈良の古都にこの明日香の古都も参られて」
「そして三山も行くつもりだよ」
「そうですね、その三山ですが」
「何かあるのかな」
「学ばれて先生が思われたことをお話して頂けますか」
こう先生に言うのでした。
「そうして頂けますか」
「君にかな」
「私にです」
そしてというのです。
「世の中にもです」
「論文に書いてだね」
「出して頂けますか」
「最初からそうするつもりだったけれど」
「是非です」
それをというのです。
「お願いします」
「またどうしてそう言うのかな」
「実は私も他の神の使い達もあの三山のことはわかっていないのです」
「そうなんだ」
「はい、古墳ではないかと話していますが」
それでもというのです。
「どうも昔のことなので」
「君が生まれる前なんだ」
「その頃には既にありました」
あの三山はというのです。
「太子はご存知だったかも知れないですが」
「それでもだね」
「私達もです」
神の使いである白鹿も他の神の使い達もというのです。
「わかっていないのです」
「それで僕にだね」
「一つ説を出して欲しいのです」
「そうなんだ、ただ」
「ただ?」
「それが正解とは限らないよ」
先生は白鹿にお話しました。
「あくまで僕の説で」
「そうですね」
「僕もそれが正しいかどうかわからないよ」
自分で説を出してもです。
「絶対とはね」
「そうですね、ですが」
「色々な説を出して」
「それを見ていってです」
そしてというのです。
「わかるかも知れないので」
「だからなんだ」
「先生にお願いしたいのです」
「それで僕にお話をしに来たんだ」
「左様です」
まさにというのです。
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