オズのトト
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第七幕その六
夜は呼び寄せた飛行船に戻って休みますが。
その飛行船の中に入ってです、ボタンはこんなことを言いました。
「僕この飛行船で休むのははじめてだよ」
「そういえばそうだね」
トトがそのボタンに応えました。
「君が僕達と冒険したことは多いけれど」
「うん、それでもね」
「飛行船に乗るのは」
そうして休むことはというのです。
「はじめてだよ」
「そうだね」
「うん、だから楽しみだよ」
「晩御飯を食べて」
ドロシーはそこからと言ってきました。
「そしてね」
「それからお風呂?」
「皆で順番に入って」
そうしてというのです。
「寝るのよ」
「そうするんだね」
「そう、そして次の日の朝もね」
「冒険だね」
「そうするのよ」
「飛行船で寝泊まりする以外はいつもの冒険と同じなんだ」
「そうよ」
ドロシーはボタンに微笑んで答えました。
「実際にね」
「そのこともわかったよ」
「それでね」
さらにお話するドロシーでした。
「ティータイムの時にお話したけれど」
「いい山を見付けたら」
「鳥さん達に紹介するわ」
「移住先を待っている鳥さん達にだね」
「そうしてもらうわ」
「早く見つかったらいいね」
「いい山がね」
鳥さん達がいるその山をというのです。
「私もそう思うわ」
「そうだよね」
「あとね」
さらにお話するドロシーでした。
「今日見た山はね」
「僕が寝ていたあの山だね」
「いい感じかも」
その中を見て回った感想はです。
「先に住んでいる人達もいなくて果物もお水も多くて」
「うん、いい感じだったね」
「確かにね」
ムシノスケ教授とカエルマンもドロシーのその言葉に頷きました。
「あの山はね」
「ざっと見た感じだと」
「明日もう一度見て回りましょう」
ドロシーはこうも言ったのでした。
「それでどんな山か完全に確かめて」
「そしてだね」
「決めましょう」
ドロシーはトトにも答えました。
「それから」
「うん、そうしようね」
「ええ、しかし日本の山というけれど」
今回っている山々はです、日本の自然が出ている山です。
「これまた独特ね」
「何かですね」
日本人の恵梨香がドロシーに応えました。
「生きものが小さくて」
「そう、他の国の同じ種類の生きものよりもね」
熊も狐も狼達もです。
「妖怪さん達も」
「独特ですね」
「不思議な感じがするわ」
「ユーモラスかな」
ジョージは日本の妖怪達についてこう言いました。
「日本の妖怪は」
「怖さはあまりなくて」
神宝の見たところです。
「愛嬌があるんだよね」
「そうそう、親しみやすくて」
カルロスはにこにことしてお話しました。
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