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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1967話

「うおおおおっ、この肉、美味ぇっ!」

 串に刺された肉を食べて喜びの声を上げているのは、当然の如く順平。
 屋久島2日目の夕方、俺の要望通り、桐条家の別荘の庭では現在バーベキューパーティが開かれていた。
 メイド達も、色々と準備をしながらも焼いた料理を食べていた。
 別荘にいる全員が参加しているバーベキューパーティである以上、当然ながら武治の姿もそこにはあった。
 ビールを飲みながら肉と野菜が刺さった串を食べている光景は、とてもではないがペルソナ世界の中でも屈指の規模を持つ企業グループの総帥という立場には見えない。
 そんな武治と話している美鶴も、嬉しそうに笑みを浮かべていた。
 少し離れた場所では、真田が肉と野菜が刺さった串にプロテインを掛けようとしてメイドに止められていた。……うん、まぁ、その気持ちは分からないでもない。頑張れメイド。プロテインの使者に負けるな。
 有里は野菜の串を食べている山岸と笑みを浮かべて話をしており、アイギスはそんな有里にシーフードの刺さった串を持っていたりといった風に世話を焼いていた。
 幾月はメイドに対して駄洒落を口にしては、愛想笑いを返されている。
 そんな中、俺は様々な具材の刺さった串を口に運んでは味わっていた。
 肉だけでも、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉……それらの肉の、様々な部位。
 野菜や海産物の串もあっさりとしていて美味い。

「随分と食べるのに一生懸命ね。普通こういう場合は、話を楽しんだりもするんじゃないの?」

 はい、と。冷たいウーロン茶の入ったコップを俺に渡しながら、ゆかりが話し掛けてくる。
 夏らしく、まだ午後5時くらいなので到底夕方と言える光景ではないが、それでもゆかりの頬が薄らと赤くなっているのは……やっぱり昨日の件が関係しているのは間違いないだろう。

「美鶴達が用意しただけあって、どの具材も美味いんだよな」
「それは分かるけど……そんなに脂身の多いお肉を一杯食べて、胸焼けしない?」

 ゆかりが視線を向けたのは、いわゆるA5級というランクの肉だ。
 サシ、いわゆる脂身が多く入っているこの手の肉は、100g程度食べるのであれば美味く食べる事が出来るが、300g、400g……ましてや1kgとかの量になると、食べている途中で胸焼けし、とてもではないが食べられなくなるとか何とか、聞いた覚えがある。
 だが、俺の場合は味に飽きるという事はあっても、胸焼けをしたり胃がもたれるといった事はない。
 こういう時に混沌精霊としての能力に感謝するというのは……うん、正直どうなんだろうなと自分でも思わないでもないが。

「俺はそういうのは、した事がないから分からないな。……それより、ゆかりもしっかりと食べておいた方がいいぞ。こういう高級食材でバーベキューパーティなんて、そうそう出来ないんだからな」

 そう言うも、考えてみればゆかりは桐条家に連なる家の出だ。
 今でこそ母親と縁遠くなっているが、小さい頃はこういうパーティに参加した事があっても、おかしくはないか。

「分かってるわよ。マグロの表面だけを焼いたのとか、あっさりしてて美味しいわよ」
「鰹の叩きみたいな感じか」
「うーん、似たような感じだけど、味は和風じゃなくて洋風ね」

 そんな風にバーベキューを味わいつつ、言葉を交わす。

「そう言えば、俺はバーベキューってこういう串に刺した料理だって認識だったんだけど、正確には外でやる焼肉もバーベキューって扱いになるんだよな」
「ああ、そうらしいわね。でも、バーベキューってくらいだから、やっぱり串に刺してる方がそれっぽいけど」
「箸とかもいらないしな」
「そうね。……あ、でもほら。アイギスは有里君の為に具材から串を抜いてるわよ?」

 そう告げるゆかりの言葉に視線を向けると、そこでは実際ゆかりの言葉通りの光景が広がっていた。
 焼き鳥もそうだが、バーベキューとかって串で刺している状態で食べるのが美味いと思うんだがな。
 勿論その辺りは人によって認識が違うので、確実にどうこうといった事は言えないのだが。

「ビールの入った缶を鶏とかに突っ込んで焼く料理とかもあるらしいけど……一度食べてみたいと思わないか?」
「……それ、本当に美味しいの? とてもじゃないけどアクセルの説明だけだと、美味しそうには思えないんだけど」
「俺もそう思う。ただ、ビールの炭酸とかアルコールとかそういうのが影響して、肉質がかなり柔らかくなるらしいけど……絵面的に、ちょっとどうかと思うよな」

 しみじみと告げると、ゆかりも同感だといった感じで頷き……

「うおおおおおおおおおおおおおおっ! マジっすか!?」

 突然聞こえてきた順平の驚愕が混ざった声に、視線を向ける。
 するとそこでは、かなりでかい……それこそ、俺の掌よりも大きなアワビを、そのまま網の上に置いている光景があった。

「うわ、本気ででかいアワビだな。あれ、店で買ったら数万円するんじゃないか?」
「……踊ってるわね」

 ゆかりの言葉通り、網の上に置かれたアワビは踊っていた。
 正確には炭火の熱さを嫌がっての……断末魔に近い動きなのだろう。
 アワビそのものが大きいだけに、その動きもダイナミックなものになる。
 そうして10分程が経ち……ようやくアワビの動きが止まったところで、メイドが切り分けていく。
 アワビのステーキ、だな。
 肝醤油をつけて食べるその料理は、シンプルなだけに非常に美味い。
 それこそ、出来ればもっと食いたくなる程に。

「美味いな、これ」
「ええ、アワビとは思えない程に柔らかいし。……普通、アワビって言ったらコリコリとした食感を楽しむ料理だと思ってたんだけど」
「ふふっ、アワビというのは、色々な料理に使えるんですよ?」

 俺とゆかりにそう声を掛けてきたのは、アワビのステーキを切り分け、皆に振る舞っていたメイドだ。
 20代くらいのそのメイドは、笑みを浮かべて言葉を続ける。

「例えば、とろろ汁という料理を知ってますよね?」
「……とろろ? 長芋とか山芋を擦って出汁とかで伸ばす?」
「はい、それです。生のアワビを長芋のように擦ると、それと同じようになるんです。それを麦飯に掛けて食べると、これがもう最高で……」

 以前食べた事があるのか、うっとりとした様子で告げるメイドの言葉に、俺とゆかりは少しだけ羨ましそうな視線を向ける。
 アワビの寿司や刺身といった料理は食べた事があったが、擦ってとろろ汁ならぬ、アワビ汁にして食べるなどという事は、全く想像出来なかった為だ。

「ふふっ、精力のつく料理としても有名なんですよ? どうですか、もし必要であれば、ご用意しますが」
「……え?」

 精力という言葉から、メイドが自分達をどのように見ているのか理解したのだろう。
 ゆかりは顔を真っ赤にして、口を開く。

「そっ、そそそそそ……そんな料理は必要ありませんから。別にそんな、精力だなんだって、私達はまだそんな関係じゃないですし」
「あら、すいません。一緒にいるところを見て、すぐにそうだと思ったのですが」
「え、ええ。そうなんですよ。だから、勘違いは……」
「ふふっ、ですけど……『まだ』そんな関係ではないんですね」
「っ!?」

 自分が何を口にしたのかを理解したのか、ゆかりの顔が更に赤く染まる。
 ……うん。これ以上ない程に見事なまでの自爆だな。
 真っ赤になって何も言えなくなり、俯いた状態のゆかりに、メイドは小さく笑みを浮かべると、一礼して去っていく。
 そうして残ったのは、羞恥で赤く染まったゆかりと俺のみ。
 いや、この状況で一体どうしろと?
 その後もバーベキューを楽しみつつ……やがて、夜も暗くなってくると自然と皆が腹一杯になり、バーベキューは終わる。
 個人的にはバーベキューの具材を使って作った焼きそばとか、お好み焼きが結構美味かったと思う。
 大人がもっといれば、夜になってもビールとかを飲んで、まだバーベキューパーティが続いていた可能性があるが、俺達の中に大人は武治と幾月の2人しかいない。
 メイドの多くは20歳を超えているが、さすがにバーベキューを食べるだけならまだしも、半分仕事中の今の状況で酒を飲む訳にはいかないのだろう。
 武治もまだ仕事が完全に片付いた訳ではないらしいので、好きなだけ酒を飲む訳にはいかなかったらしい。……多少は飲んでいたみたいだが。
 幾月は結構好き放題に酒を飲んでいたので、既にダウンしている。
 恐らく、そこまで酒に強いって訳ではなかったのだろう。
 そんな訳で、バーベキューパーティは終わり……何だかんだと疲れた俺達は、そのまま自分の部屋に戻る事になる。

「ゆかり、後で俺の部屋に来てくれ。……それとも、お前の部屋に行った方がいいか?」

 バーベキューパーティの片付けをしている中で、ゆかりにそう告げる。
 それが何を意味しているのか、ゆかりもきちんと理解したのだろう。顔を赤くしながら、口を開く。

「その……分かった。後でアクセルの部屋に行くね」

 短くそれだけを言うと、ゆかりはそのまま俺の前から走り去る。

「アクセル、岳羽はどうかしたのか?」
「いや、何でもない。ちょっと用事を思い出したらしい」
「用事?」

 ゆかりが走り去った様子を不思議に思ったのか、美鶴がそう尋ねてくるが、まさか馬鹿正直に言う訳にもいかないので、取りあえず適当に話を誤魔化す。
 そんな俺の言葉に首を傾げていた美鶴だったが、やがてメイドに呼ばれてそのまま片付けに戻っていった。
 ……さて、ゆかりの気持ちは昨日のキスで分かった。また、俺もゆかりを決して嫌いな訳ではない。いや、寧ろ好意を抱いてすらいる。
 だが……ゆかりが俺を受け入れる事が出来るのかと言われれば、難しいだろう。
 ともあれ、俺に出来るのは……正直に現在の俺の立場を話し、他に恋人が10人以上いる事を説明し、それをゆかりが受け入れる事が出来れば、そこが俺とゆかりの恋愛のスタート地点という事になるだろう。
 また新しい世界で恋人を作ってきた、とレモン達に言われるだろうけどな。
 もっとも、それを嫌がるかと言われれば、レモンの場合はそんな事はなく、寧ろ歓迎してくれる。……勿論それは、純粋にその恋人が俺という存在を愛しているからであり、もし金や権力、技術……そんなの目当てではないと分かっているからこそだろうが。
 ラピスやルリの件も話す必要があるだろうな。
 そう思いながら、俺は自分の部屋に戻るのだった。





 部屋に戻ってから30分程。
 ちょっと前に本屋で買った料理漫画を読んでいると、不意に扉がノックされる。

「アクセル、いる?」
「ああ、入ってもいいぞ」

 声を掛けると、すぐに扉が開いてゆかりが部屋の中に入ってくる。
 その様子は、当然と言えば当然だろうが、かなり緊張している様子だ。
 元々ゆかりは恋愛関係には弱いのを思えば、こうして夜に男と2人だけで部屋の中にいるというだけで、色々と思うところがあるのだろう。

「取りあえず……ほら、これでも飲んでくれ」

 そう言い、空間倉庫から取り出したペットボトルのお茶を渡す。

「ありがと」

 そう言ってお茶を受け取ると、やはり緊張から喉が乾いていたのだろう。キャップを開け、お茶で喉を潤す。
 そうして身体の体内から冷やしても、やはりゆかりの頬は薄らと赤く染まったままだ。
 それでもお茶を飲んで一段落したのか、改めてゆかりは俺の方を見ると、小さく深呼吸してから口を開く。

「それで、アクセル。……私が来た理由はもう分かってるわよね? 昨日の……その、返事を貰いに来たんだけど」
「ああ、分かっている。だがその前に、まだ俺はゆかりに言ってない事が幾つかある。まず、それを聞いてから……それでもゆかりの気持ちが変わらないのであれば、その気持ちを受け止めたいと思う」
「……え? 何よ、いきなり?」

 YesかNoのどちらかの返事を貰うつもりになってきたゆかりだったが、いきなり俺の口から出た言葉はかなり予想外だったのか、ペットボトルのお茶を持つ手が止まる。
 それを見ながら、俺は座っていたソファを立ち、指をパチンッと鳴らす。
 瞬間、俺の全身が白炎に包まれ……次の瞬間、その姿は今までの10代のものではなく、俺本来の20代のものへと変わっていた。

「見ての通り、俺の実年齢は20代だ。それに……」

 再び指を鳴らすと、次に羽根や角、尻尾のある混沌精霊の姿へ変わる。

「俺は人間ですらなく、混沌精霊という種族でもある」

 そして再び指を鳴らして白炎に身体を包み、先程までと同じ10代の姿へと戻った。

「……こんな俺でも受け入れられるか? もし無理なようなら……」
「馬鹿を言わないでよ。アクセルはアクセルでしょ。それで私がどう思うかなんて、全く変わらないわよ」

 俺の言葉を遮るように、ゆかりはそう告げる。
 そんなゆかりの言葉を嬉しく思いつつ……最後の秘密を口にする。

「そうか。じゃあ、最後にもう1つ。……以前にも言ったと思うけど、俺には既に10人以上の恋人がいる。そして、養子もいる。それでも俺を受け入れられるか?」

 そう、尋ねるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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