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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二十五話

 
前書き
オリジナル魔法解説
【ヘロンの牢獄】
精神干渉系魔法。相手の全ての感覚を奪う魔法。
対象は主観時間で48時間以内に発狂する。 

 
「正気か束!?それはお前が一番危惧していた事ではないのか!?」

「ああ、そうだよ、でもねちーちゃん…奴等にめにものみせてやらないと気が済まないのさ」

「しかしだな…」

「解ってるよ…『ISの兵器としての有用性』、いっ君とさんざん話し合ったからね…」

「しかし…一夏はいいのか?」

「姉さん、これは俺と束さんが決めた事なんだ」

「そうそう、ISを世に知らしめるにはコレが一番なんだよ…私達の夢はまずISを知って貰わないと始まらないんだ」

「解った…いいだろう」

俺が三年生になり、束さんがISの基礎理論を発表した一ヶ月後の事であった。











俺は三年生になった。

つまり満九歳、原作から割り出した白騎士事件まで約一年だ。

二年生の時はなんと言うか…波乱万丈?と言っていいのか…まぁ…いろいろあった。

例えば…アララギが学校の屋上から飛び下りたりとか…

何でも姉のアララギ カレンがクラスのガキ大将とその一味を相手取って大立周りしたんだと…

その時授業中だったんだが校内放送で教師が全員召集されたから、『これは何か合ったな…』と思って探って見ると校舎の屋上で喧嘩があったのだ。

その上隣のクラスから特徴的なコア・エイドスの持ち主が出ていったのだ。

アララギのコア・エイドス・プログラムはエイドスを視ることが出来れば直ぐに気づく、不自然な程に人間らしいからだ。

で、アララギが向かった先は屋上。
姉の下へ向かったのだ。

いやいや、授業中に何故屋上に居るんだ…仕事しろよ教師…屋上の鍵くらい閉めとけよ…

いや、それよりもさっきの放送で姉が関わってると解るアララギも恐いけど…

等と思っている間にアララギが屋上に到達し、教師陣とガキ大将とその一味の眼を潜り抜け姉の隣に…

いやいや、待てやお前、確かにそのルートなら死角だが何故立ち入り禁止の屋上の構造を把握してるんだお前は…

その後、アララギと姉は屋上からダイブ…

いくら下に幌付きのトラックが有ったからって俺が減速魔法と慣性制御してなかったら二人とも大怪我だったハズだ。

しかし、何をどうすれば屋上から飛び降りるという思考にいたったのだろうか…

その後、アララギ姉は教師陣と親と暦さんに大目玉だったらしい。

アララギ…事あるごとに俺や箒を巻き込むな…

部活動勧誘の時の件もあるから俺等って教師や上級生に少し眼ぇ付けられてるんだよな…

あと暦さん、俺がアンタ等の家に行った時に部屋に連行して愚痴るの止めてくれませんかね?

俺だって愚痴りたいんですけど?



そうそう、阿良々木家といえば家族が増えたそうだ。

『お盛んですね』?バッきゃろー、そんなんじゃねぇよ。

老倉育だよ。暦さんは、彼女に歩み寄ったようだ…

いやぁ…あの時は疲れたよ…

アレから何度か阿良々木家に呼ばれたんだが、いつの間にか彼女が居たんだよ。

しかもさぁ、よく視たら負のプシオンをまるでコートでも着るように纏ってたんだ。

これじゃぁ、何を言われても、何を見ても、悪い方向にしか思考が向かない…。

仕方がないので負のプシオンを散らしたりしていたのだ。

それでも<眼>を放したらまた負のプシオンが寄って来たりしてたので橙を張り付かせたりしたのだ。

陰鬱な空気を散らしたり、歩み寄る人が居たり…彼女は少しずつだが心を開いて行っているようだ。

彼女の未来に幸多からん事を…

あと、驚くことに橙が実体を持ったのだ…なんだ?格が上がったのか?

あ、ボディ無駄になったかな?と思ったが任意で霊体に成れるとか…

今の橙の分類ってなんなんだろうか?幽霊?亡霊?化猫?

デウス・エクス・マキナ<ご都合主義の神>よありがとう!

あ、最近橙を抱き枕にして寝てます、暖かいんだよね…

今舌打ちした奴後で体育館裏ね。

そんなこんなで二年生を無事に終えた俺達だった。










そして三年生になった時。

「いっ君、今年中にISを発表しよう」

と、束さんが言ったのだ。

俺と束さんはその発表に向けて資料を作ったり、その後の効果的なデモンストレーションも考えた。



「ねぇ、いっ君。ISのデモンストレーション…どうしたらいいと思う?」

「ん…」

俺は悩んだ、ここで原作通りに白騎士事件を起こすか、それとも別の手を考えるか…

「月に旗を立ててみる?」

俺が選んだのは、後者だった。

「う~ん…でもそれじゃぁ弱いんだよね、もっとこう実用的かつ魅力的な…」

その後は出来そうな事から出来そうにない事まで、宇宙開発に関するあらゆるデモンストレーションを考えた。

「もう、だいたい出尽くしたかな?いっ君は他に何か有るかい?」

ある、だがそれは…正史に於ける方法で、彼女を不幸にした方法。

彼女の正史に於ける、唯一の過ち。

「言うだけならなんでもいいよ」

「だったら、言うけど、これはあまり良いやり方じゃないんだ」

「言ってみてくれ、いっ君」

すぅと息を吸い込み、言う。

「戦争に介入したりして…ISの…兵器としての有用性を全面に押し出す……そうすれば、少なくとも、ISの名は…」

「…………それは」

「言ってみただけだから…」

「それは…うん…最終手段…かな」

ああ、そうだろうとも。

それに、やっぱり束さんは天才だ…そうすれば大人達が動かざるをえないと、あの一瞬で理解したのだ。





そして俺と束は各機関や研究者に対して招待状を送った、タイトルは。

【宇宙開発用強化外骨格インフィニット・ストラトスに関する技術発表会】

百五十近い数を出したが来たのは三十名程だった、近くのホールを借りたが椅子がかなり余ったのを覚えている。

発表会は酷い物だった…束さんと俺が作った資料や内容に不備は無かった…しかしオーディエンスがな…

ヤジが酷かったよ…途中で遮音フィールド使ったりしたけど、途中で誰も居なくなったんだ。

こんな下らない妄想に付き合わせおって、と言われたのだ。

いやぁ…キレたね。

橙が止めてくれてなかったら全員に≪ミストディスパージョン≫か≪ヘロンの牢獄≫を使っていたかも知れない。

いや、確実に使っただろう。

まぁ、でもサイオンパターン全員覚えたし、そのうち呪詛でも送ろうか…いや、霊体(サイオン体)をかき乱して不能にしてやろうか…

ラボでホロウィンドウを弄りながら考えていると束さんがやって来た。

「いっ君、話があるんだ」

そして、俺と束さんは、計画を立てた。

この世界を、覆す計画を。

世界を変える計画を。

世界に喧嘩を売る計画を。

俺達を嗤う者を、見返す為の計画を。

幾つも幾つも、考えられる限りの方法を。

「でも、本当にこれでいいのか、もう一回考えてみて」

「もう、十分に考えたよ…考えて、これなんだよ…だから」

「うん…なら、そのためにも準備をしないとね…」

『準備』、計画の為の…

「先ずは、どの計画を選ぶにしても…武装…かな」

俺が今造っている機体は、一切の火器を搭載しない予定だった。

転生したばかりの数年は、ISでの戦闘に心引かれていた。

転生特典として得た知識をその為の機体に使うつもりだった。

しかし、束さんとISを造り始めてからは、ISで戦うのはあまり気が進まなかった。

昔の自分がとても、醜く思える程に。

GNドライヴやエイハヴリアクターだって、火器の動力ではなく、宇宙開発用永久機関のつもりで造った。

いや、俺は心の何処かで、こうなる事を望んでいたのかもしれない。

圧倒的な力を行使して敵を薙ぎ倒す事を…

「束さん…」

「なんだい?いっ君?」

「俺は…こうなる事を望んでたのかもしれない」

「え?」

「IS、俺にはISは兵器に見えた。
鋼の鎧を纏って、敵を薙ぎ倒す、絶対無敵のパワードスーツ…」

「………」

「始めの頃、俺はISをそう見ていた」

「………」

「束さんと研究していくと、そういう気持ちは無くなって、そう考えていた自分を醜く思うようになった」

「もう、いいよ…」

「でも、俺は心の片隅で…」

「もう、いいよ…いっ君、大丈夫だから。
例え、いっ君がそう考えていても私は責めないから」

「…………どうして?」

「いっ君だって男の子でしょ?男の子ってそういう物に憧れるって聞いたから」

「……」

「大丈夫、私はいっ君を嫌ったりしないから」

「でも」

「ふふ、いっ君に初めて見せたISの構想図、あれを視たら、誰だってそう思うよ」

「だけど…」

「聞いて?あの構想図さ、鎧をイメージしたのは間違ってないんだ」

「………」

「宇宙に行こうって考えた時にね、ちーちゃんが剣道の防具を着けてるのを見たんだ。
そして、『服みたいな宇宙船』を考え付いた。
だから、ISは剣道の防具を…もっと言えば鎧武者をモデルにしたんだ」

「……」

「だから、さ。いっ君が自分を責める事は無いよ」

「束さん…」

「だからさ、今まで通りで良いんだ、私にとっていっ君はいっ君だから」

「ありがとう…束さん」










嗚呼、彼女ハ、ナンテ優シイノダロウカ。










コンナ彼女ノ夢ヲ嗤ッタ奴ハ。










後悔サセテヤラナイトナァ…
 
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