ドリトル先生と奈良の三山
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第六幕その八
「色は黄色、司るのは土でね」
「へえ、そうなの」
「真ん中はそうなるんだ」
「黄色で土」
「そうした生きもので」
「そう、それとね」
さらにというのです。
「季節は土用だよ」
「ああ、季節の変わり目ね」
「ちゃんと季節もあるのね」
「だから変わり目を土用っていうんだ」
「そうだったの」
「そうだよ、それとね」
さらにお話する先生でした。
「面白いことがあって」
「面白いこと?」
「っていうと?」
「それは何?」
「一体」
「うん、後ね」
こうもお話したのでした。
「皆麒麟は知ってるよね」
「うん、物凄く偉大な神獣だよね」
「滅多に出ないっていう」
「出たらそれだけ吉兆っていう」
「そんな生きものよね」
「そう、この生きものが出た時に生まれた人は麒麟児と言われるんだ」
このお話もするのでした。
「稀に見る天才ってことでね」
「そこまで凄いのね」
「麒麟って」
「真ん中にいるだけに」
「それだけに」
「そうだよ、それとね」
先生のお話は続きます。
「皇帝がいるともお話したね」
「うん、中央にね」
「日本だと天皇陛下ね」
「帝がおられるのね」
「そうした場所ね」
「そう、平安京つまり京都の造りはね」
先生達も行っているその街もです。
「周りに四霊獣がいてね」
「それでなんだ」
「中央に京都があって」
「そこに帝もおられる」
「四霊獣達に護られて」
「そうしたんだね」
「そう、北の山が玄武ね」
その京都のお話をここ明日香村でするのでした。
「南の川が朱雀でね」
「そうなっていて」
「それでなの」
「東の道が青龍で」
そちらはそうなっているというのです。
「西の平野が白虎だよ」
「つまり北に山、南に川、東に道、西に平野」
「その中央になのね」
「都を置いて帝がおられる」
「それがいい場所なのね」
「そう言われていてね」
それでというのです。
「京都に都が築かれたんだ」
「成程ね」
「だからあそこに都があったの」
「五行思想で最高だから」
「それでなの」
「そうだよ、後ね」
さらにお話する先生でした。
「これは東京もだよ」
「あそこもなんだ」
「つまり江戸だね」
「あそこも五行思想としていいの」
「そうなの」
「そうだよ、南の川は海だけれどね」
それでもというのです。
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