転生とらぶる
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ペルソナ3
1963話
夕食が終わり、一休みし……少し眠くなってきた頃に部屋にメイドがやって来て、武治が待っている部屋に案内される。
既に美鶴や幾月、真田、山岸の姿はあるが、有里と順平、ゆかりの姿はまだない。
部屋の雰囲気はどこか重く、そんな中で俺は空いていたソファに座る。
部屋の中には幾つかのソファや椅子があり、それぞれが無言で座っている。
「アクセル、この前の食事の時以来だな」
「ああ、そっちも元気そうで……いや、疲れているのか?」
「ふっ、こう見えて忙しいのでな」
そんな風に俺と武治が会話をすると、それを見ていた幾月や真田、山岸といった面々が驚きの表情を浮かべた。
まさか、俺が桐条グループの総帥をしている武治と、ここまで気軽に話すとは思っていなかったのだろう。
中華料理店での俺と武治の会話を覚えている美鶴のみは、これが2度目という事もあって、驚いている様子はないが。
「そうか。お前が倒れると色々と面倒な事になるだろうから、身体には気をつけろよ。……タルタロスで入手したマジックアイテムの中から、何かやるか?」
体力を回復させる奴とか、そういうのが何個かあった筈だ。
もっとも、疲れからくる体力不足にも効果があるのかどうかは分からないが。
「いや、取りあえず今日はゆっくりと寝る事が出来るからな。その辺の心配はいらんよ」
ゆっくり、ね。
こうして俺達と話をする以上、とてもではないがゆっくり出来るとは思わないのだが。
ただ、武治がそう言うのであれば、こっちとしてもそれ以上は何も言う事は出来ないが。
そうして俺がソファって少しすると、残りのメンバーも姿を現す。
揃って驚きの表情を浮かべたのは、この場に武治の姿があったから……それとも、武治の顔が強面で、とてもではないが桐条グループ総帥という立場には見えなかったからか。
その辺りの理由は分からないが、ともあれ驚きの表情を浮かべたのは間違いない。
だが、武治の方はそんな反応に慣れているのか、特に気にした様子はない。
このペルソナ世界において有数の大企業たる桐条グループの総帥ともなれば、それこそメディア露出とか、そういうのはあってもおかしくはない。
順平達も、そんな武治の顔をTVか雑誌辺りで見ていてもおかしくはないのだが……高校生だと、その辺りについては調べないのか?
ただ、遅れてきたメンバーの中の1人、ゆかりだけは武治に対して驚きの視線ではなく、鋭い……それこそ、半ば敵意の混じった視線を向けていたが。
この辺りは、やはり父親の一件が影響しているのだろう。
武治の方も、ゆかりに睨まれてもそれが当然といった様子で受け入れている。
そんなゆかりの態度に気が付いたのか、順平が少し震える。
「これで全員が揃ったようだな。では……君達には、これから色々と話を聞いて貰う」
そう告げ、武治の口からは何故影時間というものがあるのか、そしてタルタロスが生まれたか……その辺りの説明がされる。
だが、その説明は少し前に美鶴や幾月から聞いた内容と重複している部分も多くあり、特に驚くべき内容ではない。
幾つか初めて聞く内容もあったが、それでも驚くべき内容といった訳ではない。
そんな俺達の様子を見て、武治は少しだけ感心したように美鶴に視線を向ける。
それに気が付いたのだろう。美鶴はどこか照れた様子を見せていた。
恐らく、武治としては桐条グループがやった事を隠して俺達にそのような真似をさせていると知れば、美鶴を叱ろうと思っていたのだろう。
だが、既に美鶴はそれを公表している。
それが武治にとっては嬉しかった、といったところか。
……もし影時間に関わっているのが美鶴達だけであれば、その辺りはまだ隠されていた可能性が高い。
特に美鶴の祖父が世界の破滅を望んだといった件については、桐条グループの後始末をさせられているという印象に拍車を掛けるしかないのだから。
しかし、このペルソナ世界では美鶴とは別に動く、俺という存在がいる。
その影響からか、美鶴はこの前の話し合いの時にその辺りの事情についてはしっかりと説明している。
まぁ、武治的には順平達をシャドウとの戦いに引き込む前にその辺りの事情を説明すべき、と思ってはいるようだったが。
ただ、この場合……事情を知っていた荒垣や、後で仲間になったコロマルはともかく、俺とゆかりの場合は美鶴がどうとか関係なくタルタロスを攻略していたからな。
影時間やらペルソナやらシャドウやら……そんな事情を何も知らないまま、影時間の適性を得たのだ。
そうである以上、桐条グループが過去にやらかした一件を知っていても知っていなくても、結果として同じ行動をしていただろう。
「そして……君達をこの部屋に呼んだのは、これからが本番だ」
「え?」
そんな声を上げたのは、誰だったのか……
ともあれ、武治は改めて真面目な表情をこちらに向けていた。
何だ? 何か他にもまだこっちに話していない事があったのか?
この行動は、俺にとっても完全に予想外だった。
それは美鶴も同じらしく、武治の方を驚きの表情で見つめている。
他の面々も同様に……いや、幾月のみは違うな。
「幾月」
「はい、分かりました。……皆、いいかい? これから君達に1つの映像データを見て貰う。これは、つい最近エルゴ研……シャドウについて研究していた場所から発掘された映像データだ。……特に、岳羽君にとっては重要な意味を持つと思う」
「……え? 私?」
幾月の言葉に、何故自分が? と疑問を抱くゆかり。
だが、幾月はそんなゆかりに対し、頷きを見せる。
「そうだ。そして、他の人達にとっても、この映像データについては色々と思うところがあると思うけど……取りあえず、最後まで見て欲しい」
そう言いながら手に持っていたリモコンを少し操作すると、部屋の中にあったTVに1人の男が映し出される。
中年……と呼ぶにはまだ少し早いか? それでも見かけでは20代後半、もしくは30代前半といった年齢の男。
ただし、生活が不摂生な為か年齢以上に疲れているように見える。
そんな人物がTVに映し出され……
「お父さん」
ゆかりの口からそんな声が出る。
……なるほど。この男が桐条グループのスケープゴートにされた、ゆかりの父親か。
そしてTVに映し出された男……ゆかりの父親の口からは、独白が流れる。
曰く、美鶴の祖父は破壊に魅入られた……
曰く、究極の破壊とでも呼ぶべきデスを生み出す為の実験が行われそうだったので、それを防ぐ為に十二匹のシャドウを逃がした。
曰く、デスをどうにかする為には、逃がした十二匹のシャドウを倒す必要がある。
そのような事を言い、最後に自分の娘……ゆかりに対しての遺言を口にし……やがて、映像が止まる。
「っ!?」
そして映像が終わった瞬間、影時間を作り出したが自分の父親だったのだと知ったゆかりが部屋を飛び出ようとしたが……俺は、その腕を掴んでゆかりが出ていくのを止める。
「何するのよ!」
「待て」
「……え?」
苛立ち交じりに叫んだゆかりだったが、俺の口から出たのがゆかりを宥めるような言葉……ではなく、深刻そうな声だったからだろう。
ゆかりは数秒前に怒っていた事も忘れたかのように、こちらに視線を向けてくる。
いや、そんな視線を向けているのはゆかりだけではない。武治を含め、この場にいる全員が俺の様子に不思議そうな表情を向けていた。
「武治、1つ聞くが……この映像データはエルゴ研だったか。そこにあった物なんだな?」
俺が桐条の父親を呼び捨てにした事に再び驚きが部屋の中に満ちるが、それは関係ないと、武治にじっと視線を向けて返事を待つ。
そして、武治はすぐに頷く。
「そうだ。私はそう聞いている。……間違いないんだな?」
武治の視線が向けられたのは、幾月。
この映像データを発掘してきたのは、幾月で間違いないらしい。
「え、ええ。そうです。ですが、それが何か?」
何を言われているのか理解出来ない。
そんな風に視線を向けてくる幾月に、俺は改めて先程まで映像が映し出されていたTVに視線を向け、口を開く。
「さっきの映像、俺が見た限りでは口の動きと、実際にゆかりの父親の言ってる言葉がズレていたぞ」
『……』
俺の言葉に、部屋の中にいた全員が黙り込んだ。
それは、自分の父親が全ての元凶だと思い込み、この場から走り去ろうとしたゆかりも同様だった。
やがて、そんな沈黙の中で口を開いたのは、当然と言うべきか、場慣れをしている武治。
「それは、本当なのか?」
「ああ。美鶴辺りから、俺の能力については色々と報告されてると思うが、その能力の1つに動体視力とか、その手の能力もある」
正確には動体視力以外にもないような視力は複数あるのだが、取りあえず今はその辺りの事はわざわざ話す必要もないだろう。
そう言いつつ、この映像を発掘してきたという幾月の方に視線を向けるが……そこにあるのは、驚きのみだ。
それが他の面々と同じように、今の映像にそんな違和感があったと分からなかったからの驚きなのか……もしくは、自分がした細工を見抜かれたが故の驚きなのか。
この映像を発掘してきたのが幾月だというのであれば、それこそこの映像を弄ったのが幾月だという事になる。
元々俺は幾月とは生理的に合わなかった為か、もしそうだとしても驚きはしない。
だが、武治にしてみれば影時間に関しては頼れる研究者であり、美鶴にしてみれば信頼出来る味方というのが、幾月だった筈だ。
そうなると、やはり幾月を怪しむといった真似は出来ないのだろう。
「本当ですか? 僕もこの映像を何度か見ましたが、特にそのようには感じませんでしたが」
幾月の言葉を聞き、他の皆も分からなくなった……といった風にこっちを見てくる。
まぁ、この映像の細工はかなり良く出来ていて、それこそただ普通に見ているだけであれば、そこまで不思議には感じないしな。
だが……それは、あくまでも普通に見ていれば、の話だ。
「武治、桐条グループにはこういう映像とかを分析するような部署とか、そういうのは当然あるな?」
「ああ、勿論ある。この時代、その手の技術は必要だからな」
「なら、話は早い。この映像を分析させてみろ。恐らく、俺が違和感があった場所を専門の技術者が分析すれば、すぐに分かる筈だ。……ただし、誰がこの映像に細工したのかが分からない以上、取り扱いには十分に注意する必要があるだろうな。それに……」
そこで一度言葉を切ると、俺は意味ありげに幾月に視線を向ける。
幾月は何故自分がそんな視線を向けられたのか分からないといった様子で、首を傾げていた。
さて、これが演技なのか本当なのか……その辺は分からないが、これから俺が言う事で、その辺りも多少ははっきりとする可能性があるだろう。
「桐条グループが雇っているような、本物の腕の立つプロであれば、この映像が細工されたものだってのはすぐに分かる筈だ。それだけじゃなくて、どんな機材が使われたのか……場合によっては、その細工をした人物の癖から、対象が特定出来る可能性も少なくはない」
そう言う俺だったが、これは半ばブラフに近い。
この世界のコンピュータとかの技術が、具体的にどのくらいのレベルにあるのかというのは、俺にもしっかりとは分からないのだから。
これがホワイトスターにいる技術班であれば、それこそレモンのようなトップクラスの人材ではなくても、その程度の分析は容易に出来るだろう。
だが、そうするには本人の技術力と、何より高性能のコンピュータが必要となる。
それと分析のためのプログラムとかもか。
だが、このペルソナ世界でどこまでその手の技術が進化しているのかというのは、俺にもよく分からない。
勿論電気店とかに行けば売ってるPCやら何やらで大体理解出来るが、それはあくまでも売られている物だけであって、本当の意味で最先端という訳ではない。
そうである以上、それこそ桐条グループやら……そこまで行かずとも、軍隊で使われているような機材こそが最新鋭機器となるのは間違いなかった。
それに、この世界には影時間やらペルソナやらシャドウやらといったものが存在している。
そうである以上、俺が把握していない場所でその手の技術により高い性能を持つコンピュータの類があってもおかしくはない。
「ともあれ、その手の技術があるのであれば、しっかりと分析してみればいい。そうすれば、俺が言った事も証明出来る筈だ。それに……そうなれば、当然のように誰がそのような真似をしたのかというのが、問題になるしな」
「誰が、か。……主任研究員の岳羽氏が、あの状況で自分の遺言に等しい言葉に対してそのような小細工をするとは思えない。それはつまり……誰かがいる、という事か」
武治は一瞬ゆかりの方を見ると、改めて口を開く。
「そのような者がいた場合、桐条グループの持つ全ての力を使い、追い詰める事を約束しよう」
ゆかりに対して、そう宣言する。
ゆかりの方は、そんな武治に向かってどう反応すればいいのか、戸惑っている様子だ。
まぁ、過去の件を思えば、それも仕方がないのだろうが。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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