新訳紅桜篇
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15 楽しい時間は、あっという間。
船に戻る前に、さんざんお買い物を楽しんだ後は、
もうすでに陽が沈んでいた。
楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまうものだ。
どっぷり陽がくれてからだったのか、奉行所の役人たちが、行灯を持って、見回りをしている。
だが、船に戻る途中で大声が聞こえたので、ちょっと気になって、話を聞いていくことにした。
_「うるさいよ、どっちが前か後ろか分からん体し
てるくせに!」
_「オイ!なぁにやってんだ?貴様ら、
こんなところで。怪しいヤツらめ…」
_「なんだ、奉行署の人かぁ…。
びっくりさせないで下さいよ、」
なんだよ、ソレ。
それはこっちのセリフだよ、www
_「びっくりした、じゃないよぉ~!
何やってんだ、って聞いてンのぉ。
お前らわかってンのぉ?
最近ここらにはなァ…」
_「辻斬りが出るから、危ないよぉ~。」
え?今なんか、先輩の声が聞こえなかった?
_「エリザベスゥゥゥッ!」
何があったんだ?
_「オイオイ、妖刀探してこんなところまで来て
みりゃ、どっかで見たツラじゃねェか。」
あら、知り合い?
まさかの?
_「ぎ、銀さん!」
_「本当だ~。どこかで嗅いだ臭いだねぇ~。」
_「目的は違えど、あいつに用があるのは
一緒らしいよ、新八くーん。」
_「嬉しいねぇ~、わざわざオレに会いに来てくれた、
って訳か…
コイツァ災いを呼ぶ妖刀、と聞いていたがね、どう
やら強者を引き寄せるらしい…桂にアンタ、こうも
会いたいヤツに会わせてくれるとは、オレにとって
は吉兆を呼ぶ刀かもしれん。」
_「桂さん!?桂さんをどうしたんだ、お前ェェェッ!」
_「おやおや、お宅らの知り合いだったのかィ。
そりゃァ、すまんことをした。オレもおニューの刀
を手に入れてはしゃいでたものでねぇ~。
ついつい斬っちまった。」
そりゃあ、マズイぞ、
晋助に言うべきか?
とにかく、すぐに船に戻ろう。
船に帰還すると、まずは上司のまた子の部屋に、
そしてそのあと、晋助の部屋にいく。
部屋のドアをノックして、「失礼します、」と声をかけると、「はい、」という声がした。
中に入ると、また子は相当ビックリしたのか、私にハグしてきた。
_「よかった、無事に戻ってきてくれて。
心配したッスよ~!!」
_「え…?
まぁ、それは良かったです。」
ってか、私これでもまだ現役のスパイだからね、
どしたの?また子さん!?
それだけでも驚きなのに、もっとすごい爆弾をぶちこまれた。
_「また子様、総督がおいでです。」
とかいう声が聞こえてきて。
え?…ちょっと待って、とか言う間もなく、
し…総督が入ってきた。
_「アンナ、帰ってきてたんだァ。
知らなかったぜ。」
_「ええ。先ほど帰ってきて、先にまた子先輩に、帰還報告をしてたところでした。」
_「そうかィ…じゃ、また子。
ちょいとアンナを借りてもいいか?」
……は?
_「ど、どういう…」
_「了解したッス、晋助様
アンナ、また今度 おしゃべりするッスよ :)」
とか言って、結局晋助の部屋に連れていかれる羽目になった。
まじで、どうしよう……!?
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