転生とらぶる
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ペルソナ3
1957話
「あれ? おい、アクセルがゆかりッチと一緒に来ないってのは、珍しいな」
ラブホテルでのイレギュラーシャドウとの戦いがあった翌日……俺の感覚では、寧ろ俺の部屋で行われたゆかりと美鶴との戦いの翌日と表現した方が正しいのだが、ともあれその翌日、学校に向かっている途中に遭遇した順平が、俺の方を見てそんな風に言ってくる。
「あー……ゆかりは、ほら」
順平の言葉に、視線を少し離れた場所を歩くゆかりに向ける。
その瞬間に何かを感じたのか、ゆかりは俺の方を見て……視線を合わせると、顔を真っ赤に染めて足早に学校に向かう。
いつもどおり通学途中で一緒にはなったのだが、昨日の件でゆかりは俺とまともに会話をする事が出来なかったのだ。
顔を合わせた瞬間に頬を真っ赤に染め、無言で距離を取る。
……俺の部屋で、雰囲気に流されるままにキスをしようとしたのが、ゆかりにとっても予想外だったんだろうな。
もしあの時、美鶴が何も言わなければ……恐らく、ゆかりは俺を受け入れていただろう。
もっとも、ゆかりが俺をどう思っているのかが不明な以上、あのまま本当にキスをするつもりはなかったが。
あれは一種のショック療法のつもりだったんだし。
だが、それは仕掛けた俺だからこそ分かる事であり、仕掛けられたゆかりの方はそれを分からない。
ともあれ、今はゆかりが落ち着くのを暫く待つ必要がある……といったところか。
勿論、それに対して色々と思うところがない訳ではないが。
「ふーん。……ま、アクセルがそれでいいなら、俺ッチからは何も言うことはないけどな。それより、数学の宿題やってきたか?」
順平なりに気を遣ったのか、話題を逸らす。
もっとも、逸らされた話題が宿題なのを考えると、何となく順平が言いたい事は理解出来たが。
「写すつもりか?」
「頼む。昨日は色々とあって、宿題をやる時間がなかったんだよ」
「いや、色々とあるって意味なら、それこそ俺だって昨日はイレギュラーシャドウと戦ったんだから、お前以上に色々とあった訳だが」
白河通りでの戦いが終わった後は、ゆかりと美鶴の2人を部屋に連れて行って、そこでも色々とあった訳だし。
そもそも、影時間になるのは日付が変わる頃。
つまり、それまでに宿題をやる時間は十分にあった筈なのだ。
……もっとも、部活をやっていない俺と違って順平は剣道部に所属している。
しかも月光館学園の剣道部は結構強豪で、それだけ練習も厳しい。
そんな剣道部の中で、2年になってから入部したとはいえ、順平は色々と目を掛けられている存在だ。
その辺りの事情を考えれば……まぁ、宿題をやる余裕がなかったというのは、納得出来る……か?
「取りあえず、総菜パン1個でどうだ?」
「……コロッケパンでいいか?」
「カツサンド」
「高いって!」
順平の口から悲鳴が上がる。
まぁ、値段的には100円程度だが、高校生として考えれば十分に高額になるのか。
もっとも、順平は影時間に働いているバイト代として、それなりに美鶴から……正確には桐条グループから貰っているらしいが。
その報酬を考えれば、カツサンド程度の値段はどうにでもなるような気がするんだが。
「分かった。なら、焼きそばパンで手を打とう」
「……まぁ、そのくらいなら」
焼きそばパンもコロッケパンよりも高いが、カツサンドと違って10円、20円といった差でしかない。
そのくらいの値段なら、順平にとっても許容範囲だと考えたのだろう。
ちなみに、本当にちなみにの話だが、この世界には焼きそばパンではなく、焼きうどんパンというのもあるらしい。
この近辺では売ってないようだったが、TVでやってるのを見た。
まぁ、考えてみれば焼きそばも焼きうどんも、両方が麺類を炒めた料理だ。
そう考えれば、焼きうどんパンがあってもおかしくはないのだろう。
ただ、俺はあまり好んで食べたいとは思わないが。
きちんと商品として売れている以上、不味いって事はない筈だ。
けれど、イメージ的な問題でパンとは合わないような気がするんだよな。
ちなみに焼きうどん、俺が知ってる限りだと2種類の味付けがある。
醤油味とソース味。
ソース味なんかは、焼きそばにかなり近い感じになるが、俺の好みは醤油味の焼きうどんだ。
この辺もあって、パンに合わないというイメージがあるのかもしれない。
ともあれ、焼きそばパンでの交渉が決まる頃にはちょうど俺達も教室に入り、順平に数学のノートを渡す。
「一応言っておくけど、そのまま丸写しはするなよ」
「分かってるって」
俺の言葉にそう言って自分の席に戻っていく順平だが、本当に分かってるんだろうな?
言うまでもなく、俺はテストで1位の成績。
それに比べて、順平は……取りあえず赤点は取らないといった成績でしかない。
その辺りの事情を考えると、もし順平が宿題で出された問題全てを完全に解いているのを教師に見つかれば、丸写しされるというのが分かってしまう。
そうなるとこっちにも被害が出るんだけどな。
……ああ、でもテスト前になったにも関わらず、勉強を教えて欲しいと言ってこないって事は、友近や宮本も含めて今回のテストはそこまで危ないって訳じゃないのか?
ともあれ、俺の場合はテスト勉強をするにしても、基本的に学校の勉強だけで問題はない。
俺が知っている日本史や世界史の誤差を調整する程度でいいのだから。
「……ねぇ」
そんな時、ふと隣の席に座っていたゆかりが声を掛けてくる。
昨日の今日だし、今朝もああいう態度だったので、まさかゆかりの方から直接声を掛けてくるとは思わなかった。
正確には、声を掛けてくるにはもう少し時間が必要になると、そう思っていたのだ。
「何だ? もしかして、ゆかりも数学の宿題をやってきてないとかか?」
「そんな訳ないでしょ。……その、ただちょっとアクセルと話そうと思っただけよ」
「そうか。……で、何を話す? まぁ、これといって何か話題がある訳じゃないけど」
正確には話題にしたい事は昨夜の件も色々とあるのだが、それをここで口に出来るかと言われれば、間違いなく否だ。
「別に話題は何だっていいじゃない」
「そうだな。……なら、テストが終わったら、一緒に海かプールにでもいかないか? 折角の夏休みなんだし、たまにはデートくらいいいだろ」
「デ……そ、そうね。ええ、そのくらいはしてもいいかもしれないわね」
デートという言葉に一瞬声を上げそうになったゆかりだったが、それでも何とか余裕を持っているかのような態度を取り、そう言葉を返してくる。
相変わらずそっち関係には……いや、それもあるけど、やっぱり昨日の一件が尾を引いてるのか。
「どこかいい場所を知ってるか? プールにしろ海にしろ、この季節はかなり混み合っているのは間違いないだろうし」
既に7月だ。
当然この季節になれば、海やプールに多くの人が集まってくる。
そうである以上、行く場所というのは大事だろう。
「うーん、そうね。近場だと色々と不味いけど……私達だけなら、それこそかなり遠い場所でも大丈夫でしょ?」
「まぁ、それは否定しない」
プールはともかく、海に行くまで電車で数時間掛かるとか、そういうのは勘弁して欲しいが、俺の場合はそれこそ影のゲートを使えば、沖縄だろうとハワイだろうとタヒチだろうと移動が可能だ。
パスポートの類を持ってない状態で外国に行くのは不法入国になるが、影のゲートで移動する俺達をこの世界の人間がどうこう出来る筈もない。
……もっとも、影時間とかペルソナとかを見れば、決して魔法の類が存在しないという訳ではない以上、絶対確実に安全だと言い切れなかったりするのだが。
「うーん、そうなると海外とかもありなのね。ちょっと迷うわ」
「俺はどこでもいいから、ゆかりが行きたい場所でいいぞ。……ただし、影のゲートを使うんなら、行くのは影時間に関係している連中だけだな。……別に俺はゆかりと2人きりでもいいけど」
「ばっ、いきなり何を言ってるのよ! 馬鹿じゃない? てか、馬鹿じゃない!?」
驚くと2度同じ事を言うのは、ゆかりの平常運転と言える。
別に俺は冗談を言った訳ではないんだけどな。
もしゆかりがいいのなら、2人で海水浴に行っても構わないと思ってるし。
「とにかく……そうね、どこかいい場所がないかは考えておくわ。他の人達にも行けるかどうかは聞いておくから、アクセルはその辺心配しなくてもいいわよ。荷物持ちに移動手段……色々とやって貰うべき事はあるんだから」
「あいよ」
俺を使う気満々のゆかりに、それだけを返す。
ただ、移動だけならともかく、荷物持ち……空間倉庫を使うとなると、人が多い場所は色々と不味いだろう。
人のいる前で空間倉庫から荷物を取り出したりといった真似をすれば、かなり目立つし。
でも、どこか人のいない場所で荷物を出して、そこから皆で持って移動するというのなら、ありか?
「うーん、海外か。いっそ、オーストラリアに行ってスキーを楽しむってのもありかも?」
「いや、海水浴はどこ行った」
ゆかりの口から出た言葉に、思わず突っ込む。
突っ込みながらも、スキーやスノボといったウインタースポーツを夏のこの時季に楽しむというのは、ちょっと面白いかもと思わないでもない。
もっとも、海水浴とかと違って色々と準備を整える必要が出てくるが。
「ちょっと言ってみただけよ。……けど、アクセルがいれば、それこそどこにでも行けるのが、凄いわね。その気になれば、幾らでも稼げるんじゃない?」
「稼げるかどうかと言われれば、間違いなく稼げるだろうな。……ただ、確定申告とかそういうので、どう対処するかが問題になるな」
空間倉庫を使ったというのを、まさか確定申告で国に説明する訳にはいかないだろう。
そうなると、輸送に掛かった費用とか、どこからその商品を買ってきたのかとか、その辺りで大いに突っ込まれる事になる。
シャドウミラーであれば、その辺りは全く気にしていないんだが。
……そもそも、シャドウミラーの場合はわざわざ他の世界から金を払って産業廃棄物やスペースデブリといった代物を持ってくるのだ。
それをキブツに放り込めば、そのまま他の世界で買い取って貰える資源やら何やらに代わるのだから、まさに濡れ手に粟と言うべき商売方法だった。
おまけに異世界間貿易では、ホワイトスターを経由した時点で利用料がシャドウミラーに支払われる事になっている。
兵器その物は基本的に条約に従って取引出来ないようになっているが、それ以外の物であれば話は別なのだ。
まぁ、現在ホワイトスターにいない俺にとっては、その辺りは関与しようがないのだが。
「その辺の問題はともかく、もう少しでテストなんだし、勉強を一緒にしない?」
「俺は構わない。ゆかりと一緒に勉強するのなら、疲れないし」
疲れるという言葉で、中間試験の時の事を思い出したのだろう。ゆかりは苦笑を浮かべる。
「3馬鹿に勉強を教えるのは疲れたものね。桐条先輩の手まで患わせて、ようやく何とかなったといった感じだったし」
苦笑を浮かべている様子を見れば、あの時がどれだけ面倒だったのかは容易に理解出来る。
実際、何故あそこまでこっちの教えている事を理解出来ないのか、ちょっと分からなかったからな。
それでも丁寧に教えていた俺やゆかり、美鶴は、褒められてもいいと思う。
「あの時は大変だった。幸い、今度はそこまで酷くはないみたいだけど」
視線を3馬鹿と呼ばれた3人に向けるが、順平は美鶴の目も光っているだけあって、宿題を忘れてきたりとかはしない。……いや、今日みたいに時々忘れてくるのを考えると、あまりしなくなった、と表現した方がいいのか?
宮本は部活の方で色々と言われている為か、取りあえず真面目に授業を受けてはいる。
……唯一、帰宅部の友近のみがあまり真面目に勉強をしている様子がないが、1人だけなら自業自得だろう。
友近の為にも、ここは敢えて厳しい態度で当たる方がいい……という事にしておこう。
「じゃあ、どこで勉強する? 図書館にするか?」
ここで俺の部屋で勉強するか? と聞かなかったのは、昨日の件があってゆかりも色々と来にくいと思ったからだが……
「別にアクセルの部屋でもいいわよ?」
予想外な事に、ゆかりの口からはそんな言葉が出た。
いや、本当にいいのか? 俺の部屋で勉強をするという意味を分かってるのか?
そう思ったが、わざわざここでそれを聞けば、寧ろ俺が昨日の件を気にして……そして、ゆかりとの関係について気にしていると思われてもおかしくはない。
そうならない為には、特に気にしないようにと考え……
「分かった、じゃあ俺の部屋で勉強するか」
そういう事に決まる。
……尚、この日の放課後、俺の部屋にゆかりがやってきて、そこで初めてゆかりは昨日の事を思い出したのか、色々と挙動不審になったのだが、俺はそれをスルーしたのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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