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オズのトト

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第五幕その六

「お風呂が好きになったのは」
「そうよね、トトは」
「うん、それまでは濡れることもね」
 トトはドロシーに応えてお話しました。
「好きじゃなかったけれど」
「それがね」
「オズの国のお風呂ってとても気持ちいいから」
 だからだというのです。
「最後にブラッシングまでしてもらうし」
「そのブラッシングが一番好きよね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「僕も今じゃお風呂大好きだよ」
「そうよね」
「そう、だからね」
「今日もよね」
「楽しみたいよ」
 そのお風呂をというのです。
「是非ね」
「そうね、じゃあね」
「今日は飛行船に入って」
「そうして休みましょう」
 こうお話してです、そしてでした。
 皆は一緒にです、降りてきた飛行船の中に入りました。そうしてそこで休むことになりましたが。
 晩御飯のバーベキューを食べながらです、ドロシーは皆に言いました。
「今は飛行船の中で休んでいるけれど」
「明日からはだね」
「ええ、山に入ってね」
 そうしてというのです。
「歩き回ることになるわ」
「そうだね」 
 カエルマンはドロシーのその言葉に頷きました、よく焼かれたピーマンや人参、玉葱等を食べながら。
「それはね」
「ええ、中に入って見ていかないとね」
「よくわからないからね」
「だからだね」
「ええ、休むのはね」
 それはといいますと。
「飛行船が降りられる場所ならね」
「入られるけれど」
「うん、それならだよ」
 教授もお野菜を食べつつドロシーに応えました。
「ある程度まで降りられたら」
「そうしたら?」
「飛行船から光を出してね」
「光?」
「そう、引力がある光でね」
「それを出してなの」
「この中に入れることが出来るよ」
 そうだというのでえす。
「だから安心してくれ給え」
「そんな能力もあるのね」
「この飛行船にはね」
「オズノ国の飛行船だけあって」
「そうした能力もあるのだよ」
「着地出来ないところでも人が乗れる様にしてるんだ」
 トトは教授のお話を聞いてこう考えました。
「そうなんだね」
「その通りだよ」
「成程ね」
「だから安心するんだ」
「休むのはだね」
「この中で休めるのだよ」
「じゃあ今回の冒険の拠点はこの飛行船だね」
 トトはこうも言いました。
「お空を冒険する時と同じで」
「確かにそうだね」
「じゃあね」
「それで楽しんでくれるね、トトも」
「そうさせてもらうよ」
「何かと凄いですね」
 しみじみとしてです、カルロスは焼かれたスペアリブを食べつつ言いました。
「オズの国の飛行船は」
「そうして出入り出来るなら」
 神宝はマトンが串で刺されたものを食べています。 
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