| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生とらぶる

作者:青竹
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ペルソナ3
  1950話

 コロマルを仲間にしてから、数日……以前と同様、再び荒垣と連絡が取れなくなった事を美鶴達に説明したら、それを聞いた真田はかなり心配していた。
 もっとも、真田本人はそれを表に出したりはしていないが。
 ともあれ、荒垣もおらず、コロマルの召喚器もまだ出来ていない……となると、タルタロスに挑むのも色々と危険なので、俺とゆかりは影時間になると長鳴神社の境内で戦闘訓練を行っていた。

「順平、今の一撃は威力は高いけど、攻撃をミスったら隙が大きくなる。もう少し攻撃する時に攻撃を外した後の事を考えろ」

 ……そう、何故か俺とゆかり、コロマルの2人と1匹だけではなく、美鶴達のチームも合流して。
 いやまぁ、コロマルに色々な戦いを経験させるという意味では、結構役立ってるんだけどな。

「すまないな、アクセル。私達の用件に付き合わせてしまって」
「気にするな。コロマルにとっても、いい訓練相手になってるし」

 視線の先では、有里がコロマルと戦っている。
 勿論本物の武器という訳ではなく、有里が持っているのは木刀。コロマルが持って……いや、咥えているのは、こちらも短剣の木刀。
 尚、順平が持っているのは刃のついた本物の大剣だったが、戦っているのは炎獣なので、特に問題ない。
 シャドウと炎獣って、決まった形をしていないという意味で、結構似ているところがあるんだよな。
 人型にもなれるし、シャドウにいたように獅子や鳥の形にもなれる。
 である以上、シャドウを想定した敵としてはこれ以上ない存在だと言ってもいい。
 本来なら、炎獣は触れれば火傷をするといった形にする事も出来る。
 だが、今はあくまでも模擬戦。
 シャドウの代役としての炎獣である以上、触れても少し熱いと思える程度に留めている。

「それより、コロマルが使う短剣の方、どうなってる?」
「ふむ、幾つか集まったが……それをコロマルが気に入るかどうかは、別だな」
「だろうな」

 短剣の木刀に関しては、コロマルは特に不満もなく受け取った。
 正直、少しは嫌がったり抵抗があったりするのかと思ったのだが、どうやらコロマルを見ている限りではそういう事もなかったらしい。
 そんな訳で、ゆかりと色々話し合った結果、コロマルの武器は短剣となったのだ。

「もう少し嫌がると思ったんだけどな。……それでもマウスピース型の牙とかよりはよかったのか」
「そりゃそうでしょ。そういうのって、かなり戦いにくそうじゃない?」

 俺と美鶴の会話を聞いていたゆかりが、少し呆れの混じった様子でそう告げてくる。
 実際、それで戦いにくそうかどうかと言われれば……戦いにくそうなのは、間違いない。
 視線を肝心のコロマルの向ける。
 そこでは、真田が有里と交代して次の戦いを始めていた。
 コロマルが真田を中心に円を描くように移動しており、何かあったら即座に攻撃出来るように隙を窺っている。
 コロマルの戦いだから炎獣を作るような事はせず、まずは真田に戦わせてみたんだが……寧ろ、戸惑っているのはコロマルではなく真田の方だった。
 ただ、その理由はよく分かる。
 そもそもの話、コロマルは犬としてもそこまで大きな訳ではない。
 ボクシングを戦いのベースにしている真田にとっては、低い位置にいるコロマルというのは非常に戦いにくい相手なのだろう。

「明彦は、何気に動物が好きだからな。どうしても躊躇ってしまう……というのも、あるのだろう」

 追加で出てきたその言葉に、少しだけ驚く。
 真田の性格を考えると、別に動物好きといった風には到底思えないのだ。
 ……いやまぁ、外見だけで考えるのであれば、荒垣が料理好きだというのだって普通に考えて有り得ない事だろうが。

「わん!」

 コロマルが鳴き声を上げ、地面を蹴る。
 そのまま真田に向かって突撃していくが……次の瞬間、真田はボクシングのフットワークでその一撃を回避する。
 この辺りの動きを見る限り、真田は攻撃よりも回避の方が得意そうに見える。
 まぁ、真田の性格から考えると、イケイケの攻撃特化型に見えるのだが。
 だが、よく考えてみればボクサーのパンチを回避するのと、コロマルが突っ込んでくるの。
 どっちの方が回避しやすいかとなると……大きさと速度の両方から考えて、後者だろう。
 もっとも、ペルソナを召喚するのであればまだしも、今の状況で真田がコロマルに攻撃を命中させられるかは、別の話だが。

「くそっ!」
「わおおおん!」

 真田がコロマルに対して蹴りを放つも、その一撃は慣れているボクシングに比べて、どうしても粗雑な一撃になる。
 勿論、その辺の普通の高校生……それこそ、俺が知ってる限りだと、友近のように特に身体を鍛えている訳でもない高校生が放つ一撃よりは、格段に鋭い一撃だ。
 だが、その程度の一撃であれば、それこ影時間に関係している者にとっては、特に脅威には感じない。

「真田の場合はボクシングが主になってるのは分かるけど、蹴りを使う格闘技をさせてみてもいいかもしれないな。それこそ、キックボクシングとか、ムエタイとか。もしくは……空手もいいかもな」
「む? 前2つは分かるが、何故そこで空手が出てくる? いや、勿論空手にも蹴り技があるのは知ってるが……今の言い方から考えると、空手というのは他のとは違うと言ってるように思えるが?」
「ああ。あくまでも俺の知ってる限りの格闘技で、という限定だが……」

 そこで一旦言葉を切り、コロマルに翻弄されている真田の方を見る。
 迂闊に蹴り技を出しても、その一撃はあっさりと回避され、その隙を突かれてコロマルが体当たりをする。
 紀元前4000年前以上から行われ、数千年近い歴史を持つボクシングは、ことパンチという一点においては最高峰の技術を持つ、洗練された格闘技だ。
 だが、それはあくまでもパンチ……立っている人間に対してのものでしかない。
 いや、座っている人間に対しても有効的な攻撃ではあるが、コロマルのように地面の近くを走ってくるような相手に対しては、対処のしようがない。
 ……地面を這うようなアッパーとかなら、可能かも? と思わないでもないが……それは特別な選手しか出来ないだろう。
 そんなボクシングに比べ、空手というのは瓦割りを見れば分かるように、格闘技の中で唯一足下に対する拳の攻撃がある。
 勿論唯一というのは、あくまでも俺が知ってる格闘技の中でという意味で、もしかしたら俺が知らない格闘技にそんな技を持つものもあるのかもしれない。
 だが、少なくても俺が知ってる限りでは、瓦割り……それが氷柱だったり、それ以外の物だったりする可能性があるが、ともあれそんな技がしっかりとあるのは空手だけだ。
 そういう意味では、同じ拳を使った技術ということで、真田に空手を習わせてみるのも、面白いかもしれない。

「ふむ、空手か。明彦が望むのならそれを叶えないでもないが……本人が望むか?」
「どうだろうな。俺が見た感じだと、真田はボクシングに拘っているって訳じゃない。模擬戦をしたり、真田と話してみた限り、真田は強くなるのに手っ取り早いからボクシングを選んだ。そんな風に感じるが?」
「……なるほど。分かった。一応後で明彦にも聞いてみよう。それでもし本人が乗り気であるのなら、私の方で手を回す」

 美鶴にとって、真田が強くなるというのは決して損ではないのだろう。
 それこそ、友人だからこそというのもあるだろうが、純粋に影時間に関しては、手札は多ければ多い程にいいのだから。
 そういう意味では、順平に剣道部で必要な竹刀や防具といった一式を買ってやったのと同じような事だろう。

「わおおおおおんっ!」

 コロマルが高く吠えながら跳躍し……錐揉み状態? 横回転? そんな感じで拳銃の弾丸のように回転力を強化しながら、真田に向かって突っ込んでいく。
 その一撃は、真田にとっても予想外だったのだろう。
 だが、それでも長年シャドウと戦ってきた経験からか、真田がコロマルの一撃を回避しながらカウンターを放つ。

「ギャンッ!」

 決して思い切り打った一撃という訳ではなかったのだろうが、それでもコロマルにとっては結構痛かったのだろう。
 悲鳴を上げながら着地する。
 そこで一旦模擬戦は終わり、ゆかりがディアを使って回復させてやる為にそっちに向かった。
 にしても、今の攻撃は半ばコロマルの本能的な攻撃だったんだろうが、見た目がかなり凄かったな。
 それこそ、何らかの必殺技名がついていてもおかしくないと思える程には。
 そんな事を考えつつ、俺は改めて美鶴の方を見る。
 何故か俺の方を見ていた美鶴と目が合い、戸惑ったような表情を一瞬だけ見せた美鶴だったが、それでもすぐに口を開く。

「ど、どうしたのだ?」
「荒垣と連絡がつかない件だけど、もう数日経っても連絡が付かないようなら、桐条グループに任せてもいいか?」
「う、うむ。そうだな。荒垣と連絡が取れないのは、こちらとしてもあまり面白くはない。それこそ、数日と言わずとも、この影時間が終わったらすぐにでも構わんが……どうする?」

 喋っている間に大分落ち着いてきた美鶴の言葉に、俺は首を横に振る。

「荒垣だって、子供じゃないんだ。それこそ、数日連絡が取れないからといって、すぐに探されるような真似をするのは、面白くないだろう」

 影時間においては、その数日というのは大きな意味を持つ事もあるのだが……今の状況を考えれば、多分大丈夫だ。
 勿論、いきなり連絡が取れなくなった事は、こっちとしては面白くはないのだが。
 ただ、前にも同じような事があったからか、今はそこまで心配している訳でもない。
 戻ってきたら、幾つか文句を言わせて貰うつもりだが。

「アクセルがそう言うのであれば、こちらはそれで構わないが。……いいんだな?」
「ああ。もし荒垣が何か危険な目に遭っているのなら、それこそ助けを求める連絡くらいはしてきてもおかしくないだろうし」

 人に頼るという事はあまりしないように見える荒垣だったが、それでも本当に危険になればこっちに頼ってくるだろうという予想はあった。

「そう言えば……」

 ゆかりにディアを使われて怪我が治ったコロマルが周囲を走り回っている様子を眺めながら、ふと気になっていた事を尋ねる。

「コロマルの召喚器、一体どうなってるんだ? 幾月の様子を見れば、かなり張り切っているように見えたけど」
「ああ、人間以外のペルソナ召喚者という事に、強いインスピレーションを受けたのだろう。理事長は現在、コロマル用の召喚器の開発に熱中している。……正直なところ、完成するまでは数週間……下手をすれば月単位で時間が掛かると思っていたのだが」

 そう溜息を吐く様子を見れば、やはり美鶴にとっても今の幾月の様子は異常なのだろう。
 もっとも、俺にしてみれば幾月は色々と怪しい存在であるというのは変わらないんだけどな。
 人当たりは良いし、美鶴からも信頼されていて、月光館学園の理事長をしているのを見れば分かる通り、桐条グループからも有能な人材として見られている。
 そこまでの事を考えれば、到底怪しいといった事はない筈なのだ。
 だが……それでも、俺にとって幾月というのはどうにも信用出来ない男であるのは間違いない。
 何かやらかしそうな……もしくは企んでいそうな、そんな感じがする。
 もっとも、今のところは特に何も尻尾を出していないので、それを表に出すような真似はしていないが。
 駄洒落に関しては、取りあえずスルーするとして。
 だが、今の状況で幾月が優秀な研究者だというのも、間違いはない訳で……そうなると、やはりコロマルの召喚器を任せられるのは幾月しかいない。
 勿論そんな幾月に任せた以上、召喚器を受け取った時には何か妙な改造とかがされていないかをしっかりと確認する必要があるのだが。
 幾月には、巌戸台分寮の部屋の中に隠しカメラの類を仕掛けたという前科があるのだから。
 ……実はあの隠しカメラとか、もしかして幾月じゃなくて武治が娘の美鶴を見守る為に仕掛けた、とか言わないだろうな?
 だとすれば、ちょっと色々と不味い事になるんだが。
 その辺りの事情、ちょっと考えておいた方がいいのかもしれないな。

「取りあえず、コロマルの召喚器が早く出来るというのは、こっちにとっては何も文句はない。寧ろ、早く出来るのであれば、それはそれで嬉しくすらある。勿論、その素早く作られた召喚器が、きちんと通常通りに使えるという事が前提の話だが」
「アクセル! 倒したぞ! 次の炎獣頼む!」

 順平の言葉に視線を向けると、そこには大剣を手にした順平が、激しく息を切らせながらも、こっちを見ている。
 その周囲には炎獣がいない以上、間違いなく倒したのだろう。

「へぇ……分かった。なら、次はもう少し強い炎獣を出すとするか」

 そう告げ、再び俺は炎獣を生み出すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧