オズのトト
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第四幕その九
「ずっとぶつかっていないの?」
「仲の悪いままで」
「そうしていたいのか」
「そう聞いてるのね」
「そう、ずっと仲が悪いままでいいの?」
こう皆に尋ねるのでした。
「それで」
「そう言われると」
「やっぱりね」
「ぶつからない方がいいよ」
「私達にしても」
「仲がいい方がね」
「いいわよね」
「そうよね、だったらね」
それならというのです。
「私はお互いに仲良く出来る様にするわ」
「そうしてくれるんだ」
「ドロシーさん達が」
「そうしてくれるのね」
「皆仲良くがオズの国の決まりでしょ」
法律だというのです。
「だからね」
「そういう風にしてくれるんだ」
「今はぶつかってばかりだけれど」
「それを」
「ええ、絶対にね」
こう約束するのでした、そしてです。
皆は今度は鳥さん達のお話を聞くことにしましたがここででした、ドロシーは皆にこんなことを言いました。
「三時になったからね」
「ティータイムだね」
「その時になったんだね」
「ええ、だからね」
教授とカエルマンにお話します。
「今から休みましょう」
「お茶か、わし等は別にな」
ティータイムと聞いてです、長老さんは森の生きものの皆を代表してそのうえで言うのでした。
「その習慣がないからな」
「参加しないの?」
「昼は寝る」
そうするというのです。
「そうしておる」
「あら、そうなの」
「この山は気持ちいいからな」
「気候とか環境が」
「だからな」
それでというのです。
「昼はお茶やお菓子でなくな」
「寝るのね」
「そうするのだ」
「ううん、それが貴方達の習慣なのね」
「言うならな」
「日本というよりイタリアね」
こう言ったのは恵梨香でした。
「お昼寝するなんて」
「イタリア?外の世界の話か」
「ええ、外の世界の国の一つで」
「その国でも昼寝をするのか」
「そうなの。スペインって国でもそうよ」
この国もというのです。
「お昼は寝るの」
「そうなのか」
「私達はお茶だけれど」
「わし等は夜に元気になる生きものも多いしな」
見ればムササビやモモンガといったそうした生きもの達もいます。
「わし自身そうだ」
「そういえば狼さんもね」
「うむ、夜に元気になる」
「そうだったわね」
「とはいっても満月で元気にはならないな」
「あれっ、そうなの?」
「ニホンオオカミは特にそうしたことはない」
こうお話するのでした。
「それは他の狼達だな」
「狼男だとね」
トトが言うにはです。
「満月の時に変身して」
「他の狼もね」
「そう、満月に吠えたりするけれど」
「ニホンオオカミは違うのね」
「そうみたいだね」
「月は確かに好きじゃ」
長老さんもこのことは否定しません。
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