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エアツェルング・フォン・ザイン

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そのいち

 
前書き
皆様はじめまして、一部の人にはお久しぶりです。
毒蛙って名前でハーメルンにいたらBANされたので引っ越してきました。
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灯俊 ALOプレイヤー(SAOサバイバーではない)。東京に住んでいたが、ある事件のせいでイツシマに引っ越してきた。
ショウ GGOプレイヤーでVRゲームは最近始めた。
葵 灯俊と一緒にイツシマに引っ越してきた少女。性同一性障害で体は女、精神は男。
アルゴ 情報屋。事情があって灯俊達が通う学校で教師をしている。 

 
今日は珍しくショウの部活が休みだったので近くのショッピングモールに来ていた。
「はぁ…おい灯俊、なんでヤローとこんな所に来なきゃいけないんだ…」
「しゃぁねぇだろ、ここしか空いてなかったんだから」
「だからってこれは無いだろう!」
いやぁ…
「いいじゃんスイパラ、ここの結構旨いぞ?」
「よく来るのか?」
「うん、葵とね」
アイツあんななのに甘い物は好きなんだよな…ま、俺もだけど。
「で、俺のせっかくの休みに呼び出して何の用だ?」
ん?
「特に用はない、暇だったからな」
『誰でもいいから一緒に居たい』なんて言えないしな。
「俺の休日がぁ…」
「いいじゃねぇか、どうせ家でゴロゴロしてんだろ?」
「お前はいいよな…文化部で…」
「まぁな、でも先週はこっちも休日にあったんだぜ?」
「はぁ?お前の部活ってオカルト部だろ?」
オカルト部、そこが俺が所属する部、部員三名の部活で存続が危ぶまれているのだ
「ああ、顧問の先生の発案で悪魔の召喚をな…」
と言ったらショウの視線が怪しい物を見る目付きになった。
「悪魔の召喚?VRゲームのし過ぎで遂に現実とゲームの区別が付かなくなったか?」
まったく酷い言われようだ、俺の提案じゃねぇっつの…
「だから顧問の発案だって、まぁ俺等もノリノリだったけどな」
「ほーん、で?具体的に何をしたんだ」
「というと?」
「だから何をどうやって、何を呼び出そうとしたんだよ?」
あぁ、そう言う事か。
「学校の裏山の地面に魔円陣を書いて生け贄を置いて…」
「生け贄!?何を!?」
「鹿。先生が射ってきた」
「はぁ!?あの人猟銃免許持ってるのか!?」
因みに顧問の先生は俺達の担任だ。
「何を言ってるんだ?教員の3割は持ってるぞ?」
この壱対島(いつしま)は壱岐、対馬、五島のちょうど中間にある。
地理的要因から特殊な生き物が多い。
それに加え害獣も多いので猟銃免許を持つ人間は多い。
「まじかぁ…」
それにアルゴの調べだから間違いない。
「でさ、諸々の準備を終えていざ召喚しようとしたんだけどさ俺以外の二人がチキッてさぁ」
「チキッた?どうチキッたんだ?」
「召喚の時なんだが陣に術者の血を垂らすんだけどそれを嫌だって言ってさぁ。
結局俺一人の血を使う事になったんだよ」
「ほーん…そんなので怖じ気付くくらいならやるなよって話だな」
「いやぁー…それが…その…」
まさか…あんな事が起こるとはねぇ…
「ん?何か有ったのか?」
「うん…呪文唱えてたらいきなり陣が発光し始めてな…慌てて陣を崩したんだ。」
またもやショウの視線がきつくなった。
「あ、その顔は信じてないな?」
「ったりめー馬鹿」
ま、葵も笑ってたしな…
「その後は急いで帰って出来る限りの魔除けをしたよ」
「あっそ」
うーわ、興味無いって顔だな。
「それが先週末の事だ」
「おまえ…大丈夫なんだろうな?」
「何が?」
「いや…憑かれてたりとか…」
「さぁ?でもあれだけ魔除けしてたら大丈夫だろ」
具体的には数十もの多重結界を拵えた。
今も自作の札を持っている。
まぁ、全部自作だから意味無いかも知れないけど…
「魔除けって…」
んー?信じてないな…しょうがない…
俺は首から提げていた御守りの中身を取り出した。
「ほら、これとかな」
取り出した物、それは…
「バカ!?なんて物持ってるんだ!?」
「銀の弾丸…シルヴァー・ブレット…先生から借りたのさ」
あの人何でも持ってるんだよな…この前あの人の家に行った時にヴィジャ盤とかあったし…
俺は弾丸を再び御守りの中に入れた。
「さ、早く食おうぜ、時間切れになっちまうぞ?」
その後時間一杯スイーツを堪能した。
「そろそろ帰るか…」
「ああ」
俺は隣町なのでバス停まで歩く、ショウは見送ってくれた。
ふと、道路に目がいった。
そこには白いワンピースを着た小学校低学年くらいの女の子が…
危ない!
女の子に向かって、一台のバスが迫っていた。
「相棒!」
「ああ!」
俺は駆け出した。
この世界では俺は無力だ。
でも女の子一人くらい救える。
だって、俺は…星騎士なのだから。
女の子を抱える…
そのまま反対車線に…行けなかった。
そちらにもバスが居たからだ。
クソォッ!
「相棒!頼んだぞ!」
少女を放り投げた。
火事場の馬鹿力というやつだろうか?
少女がとても軽く感じた…
ショウが女の子をキャッチしたと同時に
俺は
とてつもない衝撃で
意識を
失った。
 
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