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ジンベエザメの心

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第二章

「そうだよね」
「ああ、そうだね」
「海雄君は海の戦士だからね」
「住吉大社の氏子だし」
 住吉大社は海の神社だ、海の神である須佐之男命を祀っている。大阪の海の神社としてあまりにも有名だ。
「あの大社の力もあるしね」
「海の生きものの言葉も聞ける」
「だからジンベエザメとも話が出来る」
「そうだったね」
「そやで、そやからな」
 海雄は海遊館の人達に笑顔で言うのだった。
「おいらが皆の話を聞かせてもらってな」
「僕達にだね」
「話してくれるんだね」
「彼等の言葉を」
「身体の何処が悪いかとか」
「そうしたことを」
「話させてもらうわ」
 海雄は笑顔で言った、そしてだった。 
 海雄は自ら水槽の中に何と赤褌一丁になって入りジンベエザメとも他の魚達とも会話をした、そうして海遊館の人達に彼等の言葉を伝えた。
「ジンベエザメは今は何処も痛くないそうやで」
「身体の何処も」
「そうなんだね」
「じゃあ身体の調子はいいんだね」
「そうなんだね」
「そう言ってたで、それで他の子達はな」
 他の魚達のことも話す、そしてだった。
 海雄は海遊館の人達に他の生きもの達と話したことを話していった、そうしたことをしてだった。海遊館の人達を助けたのだった。
 その海雄にだ、海遊館の人達は笑顔で話した。
「いや、助かるよ」
「ここの生きもの達の話がわかるとね」
「やっぱり全然違うからね」
「彼等の言葉がわかる人がいるとね」
「かなり助かるよ」
「おいらは海の精霊やからな」
 それでとだ、海雄は彼等に笑顔で応えた。
「海の生きものの言葉はな」
「わかるんだね」
「海の皆と話せて」
「それでだね」
「そうやで、そやから海遊館の人達が困ってたら」
 その時はというのだ。
「こうしてお話をするさかいな」
「それじゃあね」
「これからも頼むよ」
「私達は海の生きものと会話は出来ないから」
「だからね」
「そうさせてもらうわ」
 ここまでは笑顔の海雄だった、だが。
 海遊館の人達から海雄の活躍を聞いた大阪市長は海雄を呼んでそうしてだった、彼に満面の笑顔で言った。
「大活躍じゃない」
「海遊館のことかいな」
「そう、あそこの人達が言ってたよ」
 海雄本人に満面の笑顔で言うのだった。
「海雄さんがあそこの生きものの話を伝えてくれてね」
「それでやね」
「彼等の体調や水槽や設備の問題点もわかって」
「よく出来るから」
「本当に助かってるって言ってたよ」
 市長の席から海雄に話すのだった。 
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