歌集「冬寂月」
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十五
白雪の
つもるは夢か
寂しさか
夜にそぼ降るも
いづれきえにし
雪の降らない土地なれど、今日は随分長々と降り続いている。
その様は郷里の風景に似て…。
枯野に深々と降り積もる雪は…あの頃の夢を募らせるようでいて、寂しさをも募らせるようで…。
そんな夜更けに降る侘しい雪さえ、いつかは儚く消えるもの…。
きっと…夢は消えても、寂しささえも共に消えゆくのかも知れないな…。
侘しける
堪えて憂き世に
ながらへば
花もさかなむ
身の恨めしき
心寄り添うものもなく…ただ堪え忍び、この辛い世界で長く生きたとして、何の意味があるのだろうか…。
花もつかぬ荒野の枯れ木のような私に、何があると言うのか…。
ただただ…この身が恨めしくて仕方ない…。
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