転生とらぶる
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ペルソナ3
1938話
番人シャドウの黄金のカブトムシを倒し、チューインソウル2つを宝箱からゲットすると、俺達は双方向ターミナルでエントランスに戻ってきた。
出来れば、少しでも早く封印のある階まで到達したいのだが、今の状態から更に上を目指すというのは、多分だが時間的に厳しい。
最初の番人シャドウまでの到着するのが短かったという事は、恐らくだが次の番人シャドウのいる階層まではかなり時間が掛かる筈だ。
そう考えれば、やはり今日はこの辺で止めておくのが必要だろう。
そうしてエントランスに戻ってくると……
「あ、ゆかりちゃん」
当然のように、探査型のペルソナを持つ山岸が真っ先に俺達の姿に気が付く。
そして山岸の近くには、真田の姿があった。
この前の一件で、エントランスであってもシャドウが出るというのが確認されている。
……まぁ、影時間の街中にシャドウがいるのを思えば、何らかの手段を使ってタルタロスからシャドウが出ていたのは確実なんだが。
それでも、今までエントランスでシャドウと遭遇しなかったのだが……この前はイレギュラーシャドウが現れ、それが終わると次には死神まで現れた。
そう考えると、やはり山岸だけをここに置いておく事は出来ず、護衛が必要となったのだろう。
「シンジ、今日は早いな」
俺とゆかりに手を軽く挙げて挨拶をすると、真田は荒垣に話し掛ける。
俺達の中で最も真田が親しいのが荒垣である以上、それは当然だろう。
ゆかりの方は、有里達のフォローをしている山岸と言葉を交わしている。
……こうなると、俺だけやるべき事がないんだよな。
まぁ、それこそいつまでもここにいるのも何だし、帰ってもいいんだが。
そんな風に思っていると、まさかそんな俺の態度から察したわけではないが、荒垣と話していた真田が俺に声を掛けてくる。
「アルマー、美鶴の奴が何か話があるって言ってたから、ちょっとここで待っててくれないか?」
「……俺にか? 用事なら、それこ影時間が終わってからでもメールとか電話でどうにでも出来ると思うんだが」
そんな疑問を抱くが、真田は俺の言葉に首を横に振るだけだ。
「俺に言われてもちょっと分からん。ただ、美鶴がそう言ってたのを聞いただけだからな。どうしても嫌なら、それこそ影時間が終わった後でやり取りをすればいいんだし、帰ってもいいんじゃないか?」
そう言われれば、俺としても帰るという気分ではなくなる。
もしかしたら、本当にもしかしたらだが、何か至急の用件があるという可能性も否定は出来ないのだから。
例えば、預けていたマジックアイテムで何か重要な事が判明したとか。
実際、魔法攻撃を反射する鏡とか、そういうのがあった以上、もしかしたら……と、そう思わざるを得ないのは間違いのない事実なのあだから。
「そうだな、ちょっと気になるし……待っておくか」
真田に答え、俺はエントランスの中を見回す。
特にやるべきことがない以上、桐条が戻ってくるまではここで時間を潰すしかない訳だが……
「山岸、桐条達はどのくらいで戻って来そうだ?」
「え? あ、はい。えっと、今いる階でターミナルを見つけたら戻ってくるとのことです。だから、ターミナルを見つけるのにどれくらい時間が掛かるか分からない以上……」
そこまで告げ、山岸は言葉を濁す。
実際、どのくらいの時間が掛かるか分からない、か。
「分かった」
そう告げ、ゆかりと話している山岸から離れていく。
こうして見る限りでは、山岸と桐条達はそれなりに上手くやっているらしい。
桐条達の中でも戦力の核として作用しているのが有里である以上、その有里と仲が良く……それでいて、桐条を超える探査能力を持っている山岸というのは、かなり重要な存在なんだろう。
有里がこの世界の原作の主人公だとすれば、ヒロインは山岸だったりするのか?
それはそれで、ちょっと興味深いな。
ただ、傍目には結構大人しい恋人同士って感じに見える可能性が高い。
そんな風に考えながら、空間倉庫の中から本を取り出す。
友近が面白いと言っていた、最近流行っている漫画。
内容としてはよくあるファンタジーものだったが、実際読んでみるとなかなかに面白い。
敵のボスが指定した場所にわざわざ行くのではなく、敵が待っている場所諸共外から火を点けて燃やしつくす……といった内容は、普通なら非難されてしかるべきなのだろうが、上手い具合にストーリーを作り、読ませる内容となっていた。
その漫画を読んでいると……
「あ」
そんな声が聞こえてきた。
声の聞こえてきた方に視線を向けると、丁度ターミナルから姿を現す有里、順平、桐条の3人の姿。
どうやら、無事に戻ってきたらしい。
向こうもエントランスに俺達がいるのを見て、少し驚いた様子だったが……山岸から、俺達がここにいるというのは知らされてなかったのか? それとも、何か他の理由で驚いたのか。
ともあれ、桐条が戻ってきたのであればと、俺は読んでいた漫画を空間倉庫の中に収納し、桐条の方に近づいていく。
「それで、俺に何か用件があるって話だったけど……何だったんだ?」
「うむ。実は……模擬戦の相手をして欲しいのだ。具体的には、有里だな」
「有里の?」
「そうだ。有里の持つペルソナチェンジという能力は、間違いなく私達にとっての切り札だ」
「だろうな」
シャドウ、イレギュラーシャドウ共に、何らかの弱点を持っているという事は珍しくはない。
おまけに、その弱点を突かれるとバランスを崩して転んでしまう。
敵の前でそのような大きな隙を作るという事は、致命傷に近い。
そんな性質を持つシャドウを相手にする場合、様々な属性の攻撃を行えるペルソナチェンジという能力を持つ有里は、まさに桐条達の切り札という存在に間違いはない。
「分かって貰えたようで何よりだ。だが……正直なところを言わせて貰う。本来であれば、タルタロスを攻略する上で時折出てくる門番シャドウ。この門番シャドウとの戦闘における経験というのは、かなり大きいと思う」
「あー……なるほど。俺達が先行している関係で、門番シャドウとの戦闘が出来なくなって、相対的に戦闘経験が減っている、と?」
苦々しそうに、桐条が俺の言葉に頷く。
もっとも、その苦々しいというのは俺達に向けられているのではなく、俺達のいる階まで到着出来ない自分達の不甲斐なさに……といった感じだが。
その代わりに、ゆかりと荒垣の2人は門番シャドウとの戦いを何度となく潜り抜け、戦闘の経験という意味ではかなり濃密なものになっている。
そんな戦闘の経験を、自分達にも……特に戦力の中心となる有里にさせたいと思うのは、分からないではない。
「そうだ。勿論報酬は用意させて貰う。どうだ?」
「あー……そうだな」
頭を掻きながら、少し迷う。
いつもであれば、そんな面倒な事はやりたくないと断っている。
だが……問題なのは、今回の相手となるのが有里だという事だ。
そのペルソナチェンジという特殊な能力、そして有里が来てから影時間についての事態が発展した事を考えれば、恐らく有里が主人公というのは間違っていない。
その有里が強敵との戦闘経験を積んでいないとなると、将来的に色々と危険な事になる可能性が否定出来ないんだよな。
となると、やはり有里には相応の戦闘を経験させる必要がある訳で、現在それが出来るのは俺だけ。
いや、勿論純粋にペルソナ使いとして有里よりも技量が上という意味では、ゆかりや荒垣がやってもいいんだろう。
だが、荒垣はともかく、ゆかりのイオはジオ系が弱点だと知られてるしな。
そうなると有里と戦えるのは俺と荒垣しかおらず……桐条が希望しているのは、あくまでも強敵との戦いの経験。
となれば、やはりここは俺の出番なのだろう。
ここで断り、結果として有里の戦闘経験が少なくなり……詰みになるというのは、俺としても出来れば避けたい。
「分かった。それで、いつやる? 俺はいつでもいいけど」
「む、そうだな。……では、明日の影時間でどうだ? 出来れば今日これからすぐにでもと言いたいところだが、アルマーも有里も消耗してるだろう?」
「俺は別にそこまで消耗してはいないんだけどな」
それは別に嘘という訳ではない。
実際、俺とシャドウとの間にある力の差は、それこそ死神くらいでなければ大きすぎるのだ。
俺が本気で戦えば、シャドウはあっという間に全滅するだけに、それこそ戦闘の経験を積ませるという意味でも、基本的にはゆかりと荒垣に任せている。
「僕は体力的には自信ないかな」
そんな俺とは裏腹に、有里は体力切れを申告する。
もっとも、体力切れという意味では順平も似たような感じである以上、向こうの戦闘はかなり激しかったんだろうが。
……もしかして、桐条が張り切りすぎたとかじゃないだろうな?
探知能力もあるが、基本的に桐条のペンテレシアは戦闘向きのペルソナだ。
そんな桐条が、今まで自分しか探査出来る者がいないからという事で、無理をして他の者のフォローに回っていたのだ。
おまけに本職ではないだけに、どうしてもその探査能力は高くはない。
少なくても、今の山岸に比べれば格段に劣ってしまうのだろう。
そんなストレスが溜まりに溜まり……結果として、順平と有里の2人が体力的な限界が近くなるまで激しい戦闘になってしまった、と。
もっとも、それでも2人が本格的な怪我をする前に、そして体力が完全に切れる前にこうして撤退してきた状況判断能力は、高いと思うが。
「分かった。なら、やはり明日の影時間にということで構わないか?」
「ああ。けど、場所はどうする? このエントランスというのは……止めておいた方がいいと思うけど」
実際、この前の満月以前であれば、このエントランスで模擬戦をやるのが一番良かった筈だ。
だが、満月の夜にイレギュラーシャドウと戦った時、ここには死神が現れたのだ。
シャドウとしては規格外の存在が現れる以上、ここで模擬戦をしたいとは、到底思えない。
模擬戦の最中に死神が乱入してこようものなら、絶対に不味い事になるのは確実だからだ。
桐条も、満月の時の死神のことを思い出しているのだろう。難しそうな表情を浮かべつつ、考え込んでいる。
影時間になった後での公園……といった場所で模擬戦をやってもいいのだが、そうなると周囲に大きな被害が出る可能性がある。
そうすると、影時間が終わった後で不自然ではない形でその辺りの事象が変化してしまう訳であり……桐条が心配しているのは、その辺だろう。
それに比べると、タルタロスの中というのは、多少壊れても翌日には直っているのだから、模擬戦をするのに最適なのだ。
「すまない。理事長に相談しておく。ただ、出来れば……やはりこのエントランスで戦うのがいいだろうな」
「死神がいなきゃ、それもいいんだろうがな」
俺と桐条の話を聞いていた真田が、嬉しそうな様子でそう言ってくる。
真田と模擬戦をやるとは、言ってないんだけどな。
そう思うも、真田の様子を見ていれば何となく真田とも戦わなければいけないんだろうなという思いはあった。
「その辺は任せる。死神が今までエントランスに出てきたのは1度だけというのもあるから、出てくる可能性は決して高い訳じゃないだろうし」
もっとも、今まで桐条達だけで死神と遭遇した事はなく、これまでに出てきたのは全て俺のいる場所にだ。
となると、死神が出てくるのは俺のいる場所という可能性が高い訳なのだが……
その辺、どうなるんだろうな。
ここで派手な戦闘をすれば出てきてもおかしくはないが、以前順平と模擬戦をやった時は出てくる様子がなかった。
その辺りのランダム性とでも言うべきものが、面倒な感じではある。
「うむ。しっかり理事長には伝えておこう」
幾月がどう判断するのか、少し楽しみではあるな。
どうしても人間的に好きになれない幾月だが、それは向こうも知っているのか、俺が寮に行った時は大抵いない。
勿論俺と顔を合わせたくないから……という単純な理由でそんな態度を取っているのかどうかは、分からないが。
「じゃあ、他に何か用事がないようなら、俺はそろそろ帰ろうと思うが……そっちはどうする? 何なら送っていっても構わないけど」
「助かる」
このタルタロスがあるのは、月光館学園。
そして桐条達の寮は巌戸台分寮。
今は影時間。
これらの事を考えると、これから寮まで移動するというのは、かなり面倒に感じるのは当然だった。
ましてや、順平と有里の2人は、相応に消耗しているし。
実際、その2人は俺に助かったといった視線を向けている。
そんな訳で、俺は影のゲートで全員を送っていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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