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ドリトル先生と奈良の三山

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第二幕その八

「仁王像もね」
「ああ、あの凄く怖いお顔の」
「かなり強そうな」
「あの仏像さん達もなんだ」
「モデルの人を忠実に再現しているんだ」
「鎌倉時代の武士の人達をモデルにしているっていうけれどね」
 その仁王像達はというのです。
「鎌倉時代の武士の人達はああした身体つきだったんだ」
「あんな筋肉質だったんだ」
「鍛え抜かれた」
「そうだったの」
「そうみたいだよ、実際にいつも武芸で身体を鍛えていたしね」
 馬に乗って弓矢を放って刀を使いお相撲をしてです、当時の武士の人達はそうしていつも身体を鍛えていたのです。
「玄米や山菜、野生の獣やお魚を食べて」
「へえ、ワイルドだね」
「その頃の日本の武士の人達はそういうのを食べていたんだ」
「江戸時代とはまた違って」
「随分野生的だったんだ」
「そうだよ、凄く野生的でね」
 その食生活がというのです。
「いつも身体を鍛えていたからなんだ」
「あんなヘラクレスみたいな肉体だったんだ」
「若い頃のダビデ王みたいな」
「そんな逞しい身体だったんだ」
「見ているだけでとんでもなく強そうな」
「そう、そしてその逞しい肉体をね」
 鎌倉時代の武士の人達のそれをというのです。
「忠実に再現しているんだ」
「この阿修羅像みたいに」
「そうしているんだ」
「日本の仏像は」
「そうなんだ」
「そう、写実性も凄いんだ」
 そうだというのです。
「日本の仏像はね」
「奈良の大仏さんみたいなとんでもない大きさのもあって」
「そうした写実性があるのもなんだ」
「あるのね」
「色々な仏像が」
「そうだよ、勿論時代によって違うけれど」
 長い日本の歴史の中で仏像達も変わっていっているというのです。
「それでもね」
「日本の仏像は写実性も凄い」
「実際のモデルの人達を忠実に再現もしている」
「そうなのね」
「そうだよ、この芸術性は古代ギリシアやルネサンスにも負けていないよ」
 そこまでみたいだというのです。
「あの芸術性はね」
「ううん、何ていうかね」
「凄いものだよ」
「日本の凄さがまたわかったよ」
「昔から凄い国なんだね」
「僕もそう思うよ、いや学んでいると」
 それでというのです。
「驚いてばかりだよ」
「日本の凄さに」
「仏像一つ取っても」
「そうしたことがわかるんだ」
「勿論正倉院のものからも歴史が」
「そうしたものも」
「わかってね」
 実際にというのです。
「驚くばかりだよ、あと学びやすくもあるんだ」
「あっ、そうなの」
「日本の芸術や歴史は」
「そうなんだ」
「資料も記録もかなり残っているからね」
 だからだというのです。
「奈良時代のことも学びやすいんだ」
「かなり昔なのに」
「資料や記録がかなり残っていて」
「学びやすいの」
「そうなんだ」
「そうだよ、まあ戦乱もあったけれど」
 源平の争いや南北朝、戦国時代とです。日本にも戦争がありました。ですがそれでもというのです。 
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