転生とらぶる
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ペルソナ3
1935話
山岸の一件があった翌日……俺はいつものようにゆかりと一緒に学校に向かっていた。
「にしても、昨日来たのを考えると、何だか微妙な感じだよな」
「何が?」
「学校」
それだけで、俺が何を言いたいのか分かったのだろう。
ゆかりの顔にも小さく笑みが浮かぶ。
「ま、しょうがないでしょ。それに私は学校に行くなら、夜より朝がいいわ」
「……朝だと幽霊とか出ないしな」
「ちょっと、何でそこで幽霊が出てくるのよ?」
数秒前に浮かべていた笑みが消え、不満そうな表情が浮かぶ。
ゆかりにしてみれば、自分が幽霊を苦手だというのは出来るだけ知られたくない事なのだろう。
「さて、何でだろうな? まぁ、俺にはどうでもいいけど」
「……むぅ」
不満そうな様子だったが、それでもこれ以上幽霊について突っ込まれるのは嫌だったのか、ゆかりは黙り込んだ。
そうして、話題を変えるように口を開く。
「結局森山さんだっけ? あの人、影時間の記憶が失ったみたいね」
「ああ、そうらしいな」
今朝起きた時、桐条からのメールにその辺の事情は書いてあった。
昨日の影時間が終わってから病院で検査をしたのだろう。
念の為に何日か学校を休ませるって話だったが……
「けど、風花のペルソナが覚醒したって事は、多分森山さんとの間で何かあったのよね? 寮の3階で話した時に」
「多分そうなんだろうけどな。ただ、記憶を失った以上……」
もし森山と山岸の関係が改善したとしても、その記憶を失った以上、結局のところ山岸が苛められるという現状の改善は出来ないような気がする。
勿論、有里という最大の防壁がある以上、あの3人は学校に来にくくなっているのは間違いないのだが。
それにペルソナ使いとして桐条達のパーティに入ったという事は、有里以外に桐条や真田の庇護下でもある。
更に言えば、何だかんだと山岸はゆかりとも仲がいい。
であれば、結局のところ山岸を苛める事が出来るような奴がいるかというのは……少し難しいだろう。
もっとも、山岸がそのような面々の庇護下にあるからといって調子に乗ったりすれば、それこそファンクラブから思い切り攻撃されそうだが。
……ただ、山岸の場合、元々の性格が内気なせいもあって、その辺りの心配はあまりする必要がないと思うが。
「ふーん。……それにしても、風花はやっぱり桐条先輩達の方に協力するのか。ちょっと残念ね」
「そうか? まぁ、こっちには探査タイプのペルソナを持ってる奴もいないしな」
「ああ、それもあるか。けど、どっちかと言えば女の仲間が欲しかったのよ。アクセルも荒垣さんも、男でしょ?」
「あー……なるほど」
実際、女には女同士でしか話せないような内容もあるだろう。
今まではこっちだとゆかりが1人で、桐条にでもメールで相談していたりしていたのだろうが……山岸はその桐条のパーティに入った訳で、それを羨ましく思っても仕方がないだろう。
「ただ、純粋に山岸の能力をどっちが必要だったのかと言えば、やっぱり向こうなんだよな」
当然山岸の能力についても、既に検証はされている。
それによると、山岸のルキアは、桐条のペンテレシアよりも圧倒的に探知能力は上らしい。
もっとも、代わりにという訳ではないがルキアの戦闘力は皆無と言ってもいいらしいが。
予想していた通り、探知能力特化という形らしい。
「そうね。けど、風花のルキアを十分活用する為には、エントランスに護衛が残る必要があるでしょうね」
「あー……やっぱりそうなるか」
ペンテレシアの場合であれば、探知能力以外に戦闘力も持っているから護衛の類は特にいらないだろうが、山岸の場合は探知能力に特化しているペルソナだ。
それこそ2階や3階に出てくる程度のシャドウであっても、ルキアでは防御しているしか出来ないだろう。
……ましてや、昨日エントランスには死神すら現れたのだ。
恐らく昨日の一件がイレギュラーな事態だったのは間違いないだろうが、それでもエントランスに死神が出てくるという事がはっきりとした以上、桐条達は山岸だけをエントランスに残すという選択は出来ないだろう。
……もっとも護衛を残したところで、あの死神と遭遇した時点で詰みに近いのは間違いないのだが。
将来的にはまだしも、現時点で死神とまともにやり合う事が出来るのは俺だけ。
それは、間違いのない事実なのだから。
「それにしても、初夏ってか、梅雨ってか……ちょっと嫌な季節になってきたな」
まだ朝なのだが、流れてくる風は生温い。
空を見上げれば、そこには雲が空を隠すように存在していた。
それこそ、いつ雨が降ってもおかしくはないだろう天気。
「そうね。でも、この調子なら学校までは大丈夫なんじゃない? それに、帰りならアクセルの場合は傘とか特に必要ないでしょうし」
「それは否定出来ないな」
実際、いざとなれば学校の校舎内から影のゲートを使ってアパートまで戻ればいいだけなのだ。
防犯カメラとかで俺が帰ってないとか気が付く可能性もないではないが……桐条から俺の力について聞いている幾月であれば、何の問題もないと判断するだろう。
そんな風に考えつつ、俺達は校舎に入り……
「うん?」
靴を履き替えようとして下駄箱を開けると、そこには手紙が1通。
……何だ、これ。
と、そんな風には思わない。
封筒に張られているシールがハート型なのを思えば、その内容がどのようなものなのかというのは、考えるまでもなく明らかだろう。
勿論そういう風に見せかけた悪戯という可能性もあるのだが……ともあれ、今ここで封筒を開けたりすれば目立つ。取りあえずポケットに入れて後で読もうと考え……
「ふーん、アクセルってば随分と人気があるのね」
それを行動に移す前に、そんな声が聞こえてきた。
誰の声なのかというのは、それこそ考えるまでもないだろう。
声の聞こえてきた方に視線を向ければ、当然というか予想通りというか……ゆかりがジト目をこちらに向けていたのだ。
どこか責めるような視線。
まぁ、ゆかりにしてみれば、影時間を解決すべく一緒に行動している俺がラブレターを貰ったのが面白くないのだろう。
「いや、人気があるってのなら、それこそ有里とか真田とかだろ」
ここで順平の名前が出てこないのは……まぁ、そういう事だ。
クラスのムードメーカーではあるのだが、だからといって恋愛対象としては見られていないのだろう。
順平らしいと言えばらしいが……本人もその辺り、微妙に気にしているらしいんだよな。
「それはそうだけど……」
「人気があるってのは、ゆかりもそうじゃないか?」
「そうだけど、私は全員断ってるわよ!」
何故か焦った様子でそう告げるゆかり。
元々ゆかりは広く浅くといった人間関係を形成するタイプだ。
勿論影時間の影響で俺を始めとして、深く関わっている者もいるが……ともあれ、ゆかりとしてはそんなタイプな訳だ。
それでも……いや、だからこそなのか、ゆかりに告白する奴がそれなりに多いってのは知っている。
当然その全員が見事なまでに撃沈しているのも、同様に知っているのだが。
「それは知ってるけどな。……とにかく、ここで話してるのもなんだし、そろそろ教室に行くか」
何人かの生徒達が、どこか興味深そうにこっちを見ているのが分かる。
このままここで話をしていれば、間違いなく妙な噂話をされるだろう。
それはちょっとごめんだった。
ゆかりもそれは同様だったのか、俺の言葉に頷いて2人で教室に向かい……
「おい、ちょっと聞いたか!?」
教室に入るや否や、友近が俺の方を見ると走って近寄ってくる。
何だ? 何か緊急事態か?
もっとも、友近の表情は別に緊張しているとか、悲しみに満ちているとか、怒りを堪えている……といった様子ではない。
だとすれば、恐らく悪いニュースという訳ではないのだろう。
「何がだ?」
友近に俺はそう答え、ゆかりも友近の様子に興味があるのか、先程までの不機嫌そうな様子は多少収まっている。
……これは友近に感謝だな。
「江古田の奴、停職3ヶ月だってよ!」
「……へぇ。随分と思い切ったな」
何故そのような処分が下されたのかは、俺も理解している。
間違いなく山岸の一件だろう。
特に、親と相談して病気で欠席をしているという事にしていたというのは、教師としては色々な意味で不味かったのだろう。
その結果として、停職3ヶ月となった訳だ。
この処分が教師として見た場合、厳しいのかどうかは俺には分からない。
だが、社会人として考えれば、停職3ヶ月というのは結構大きな処分なんじゃないだろうか。
少なくても、江古田が教師として順調に出世するというのは、まず無理になっただろうし、どこか他の学校に転勤という事になっても、今回の一件は確実にマイナスになる筈だ。
そう思えば、やはり思い切った処分であるのは間違いないだろう。
原作ではどのくらいの処分だったのか、ちょっと気になるが。
まさか厳重注意だけとか、そういう事はないと思うが……
「だろ? それで2-Eの連中、かなり喜んでるんだよ」
そう言われれば、隣のクラスから聞こえてくる声には嬉しそうな声が混ざっているように思える。
自分のクラスからもこれだけ嫌われていたとは……色んな意味で問題がありそうな気がするな。
多分、追求すればまだ他にも色々と不祥事と呼ぶべきものがあるんじゃないか?
それを学校側で追求するのかどうかは、正直なところ俺にも分からないが。
「どうやらそうらしいな。……まぁ、俺達にはあまり関係ないけど」
「おいおい、何でそう冷めてるんだよ。もうちょっとこう、喜ぼうぜ?」
喜ぼうと言っている辺り、友近も江古田に対しては思うところがあったのだろう。
それが表に出ているのは、やはり江古田がいなくなったからか。
「そうだな。取りあえず俺は江古田とはあまり関わりが深くなかったから、何とも言えないが……有害な教師がいなくなったのは、俺にとってもいい事だったな」
「はぁ……何で今日に限って、そう冷めてるのかね」
「アクセルの場合、教師が処分された事とかより、もっと気になる事があるんでしょ」
そう告げるゆかりがの言葉が、何を示しているのか……それは俺にも十分に理解出来た。
友近の方は、あまり理解した様子を見せてはいなかったが。
「もっと気になる事? 何だよ?」
「いや、今日は雨が降りそうだなって話をな。そろそろ梅雨入りしそうだし」
「え? まぁ、そう言われればそうかもしれないけど……それが大事なのか?」
「大事だろ?」
「……そうか?」
首を傾げる様子を見せる友近だが、そんな友近の側では相変わらずゆかりが俺を不機嫌そうな視線で見ていた。
だが、それに何を言うでもなく、俺は自分の席に着く。
そうして周囲を見回せば、確かに周囲では江古田の停職について色々と話をしている者が多かった。
こうして見る限りだと、やっぱり嫌っている者の方が多いのだろう。ざまあみろ、といった様子を見せている者が多い。
「俺は山岸の件でちょっとしか江古田と関わらなかったが、そこまで嫌われるような奴だったのか?」
「……そうね。基本的に自分に何かの責任が来ないように、何でもかんでも生徒にやらせるような教師だって話しは聞いてるわ。他にも自分の点数を稼ぐ為に他人を踏みつけにしたとかなんとか。……それとこっちはあくまでも噂だけど、成績を盾にして生徒に身体を要求したとかなんとか」
まぁ、最後のはあくまでも悪意ある噂だけど、と告げるゆかり。
まぁ、江古田の性格を思えば、小悪党といった感じでしかない。
とてもではないが、生徒を脅迫して身体を要求するような度胸があるようには思えなかった。
勿論、それはあくまでも俺が見た限りの話であって、もしかしたら……本当にもしかしたら、そんな事をしていたという可能性も皆無ではないが。
「あ、順平、聞いたか!?」
再び聞こえてくる友近の声。
江古田が停職になったのが余程嬉しかったのか、教室に入ってきた順平と有里にさっき俺に話したのと同じ事を話していた。
「それで? あの手紙には結局返事をするの?」
「まだ、手紙の中身は読んでないんだけどな」
「靴箱の中に手紙があったんだから、その内容は考えるまでもないでしょ? それとも、実は決闘状だったとか、そういうオチだったりするの?」
……それは否定出来ないな。
もしくは、俺が気にくわない奴が告白するといって俺を呼び出して、それを笑いものにするとか。
もっとも、そんな真似をした相手には、相応の反撃をさせて貰うが。
「どうだろうな。ただ、まぁ……俺も殆ど知らない相手と付き合ったりとか、そういう事は考えてないな」
「ふ、ふーん。そう。殆ど知らない相手とは付き合えないって事は、知ってる相手とは付き合えるんだ?」
「どうだろうな。その可能性は否定しない……とだけ言っておくか」
そんな風に話していると、ようやくゆかりの機嫌は直ったのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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