儚き想い、されど永遠の想い
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143部分:第十二話 公の場でその一
第十二話 公の場でその一
第十二話 公の場で
舞踏会の準備が進められていた。
伊上はだ。己が用意したその場でだ。周りの者に話をしていた。場は今用意されている最中だ。その場において彼は周りに話すのだった。
「場は華やかにだ」
「華やかにですね」
「飾るのですね」
「色は白だ」
その飾る色についても話した。
「白で統一してくれ」
「白ですか」
「色はそれですか」
「テーブルかけもカーテンも他のものもだ」
「あらゆるものをですか」
「場全体をですか」
「そうだ。白で飾ってくれ」
こうだ。伊上は話していく。話をしながら周囲を見回してだ。場の点検を怠らない。実に細部までだ。目をやって話をするのだった。
「全体的な雰囲気としてはだ」
「雰囲気としてはですか」
「どういったものに」
「結婚式だな」
それだというのだ。
「結婚式の会場の様にするのだ」
「結婚式場ですか」
「そうした感じにされるのですか」
「舞踏会よりもそれだ」
また話す彼だった。
「結婚式場、それも西洋のもので頼む」
「わかりました。それでは」
「その様に」
周りも彼の言葉に応える。それでいいとしてだ。
あらためてだ。伊上は周りにこうも話した。
「それとだが」
「はい、次は音楽ですね」
「それはどうされますか」
「華やかな音楽がいい」
音楽はそれだというのだ。
「そうだな。それもだ」
「結婚式の感じですか」
「そうした感じですか」
「実際に婚礼を祝う音楽を中心に頼む」
具体的にだ。そうしたものでとも周りに話す。
「舞踏の音楽よりもそれだ」
「何かそれですと」
「最早舞踏会ではないですが」
「それでもですか」
「そうされるのですか」
「それで頼む」
強い声でだ。周囲に話す。
「本当にな」
「わかりました。それではです」
「今回の舞台はそうさせてもらいます」
「旦那様のお話通り」
こう応える周囲だった。そうしてだ。
そのうえでだ。伊上はだ。
これまでよりも真剣な顔になってだ。話したのだった。
「招待するのはだ」
「はい、招待する方々は」
「どういった方々でしょうか」
周りもだ。伊上のその言葉に問う。舞台は器だ。そこに入るものが何かも大事だ。それでだ。彼等は尋ねずにはいられなかった。
「その方々は」
「まずは八条家だ」
この家だとだ。伊上は言った。
「八条家とその縁者をだ」
「御呼びしますか」
「そうされますか」
「そしてだ」
さらにだとだ。伊上は続けた。
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