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英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇

作者:sorano
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第13話

生徒達がデアフリンガー号で英気を養っている中、リィン達教官陣は演習地到着前のブリーフィングを行っていた。



~デアフリンガー号・2号車―――ブリーフィングルーム~



「―――今回の演習期間は3日間を想定しています。明朝、アルトリザス駅到着後、近郊の演習予定地へと移動―――各種設備を展開後、そのまま各クラスごとのカリキュラムを開始する運びです。」

「なるほど―――この列車がそのまま”拠点”になるわけですね。」

「そのための専用列車、ですか……」

「まあ、合理的っちゃ合理的だな。そのための設備も整ってるみたいだし。」

「ただなぁ、”装甲列車”って言う割には大砲の一つも搭載していないのが名前負けしているよなぁ。」

「あら、奇遇ね。レンも同意見よ。軍関係者の列車なんだから、列車に武装の一つや二つ、搭載してもおかしくないわよね♪」

「あの……レン教官。お願いしますから”カレイジャス”の時のように”持ち主”に無許可でデアフリンガー号に武装を搭載したり、何らかの機能を追加したりしないでくださいね?」

クレア少佐の説明にリィンやトワ、ランディが納得している中不満げな表情で呟いたランドロスの言葉に小悪魔な笑みを浮かべて同意したレンの発言を聞いたリィン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせたている中、セレーネは疲れた表情で指摘した。



「コホン。各クラスのカリキュラムについては別途、手元の書類を確認してほしい。」

ミハイル少佐の話を聞いたリィン達はそれぞれ書類を確認した。

「……あれ?すみません、Ⅶ組について言及がないみたいですが。」

「あ、本当だ……」

「もしかして、Ⅶ組は普段の授業のようにⅧ組かⅨ組と一緒に、どちらかのカリキュラムに取り組むのでしょうか?」

書類を確認してある事に気づいたリィンはミハイル少佐に指摘をし、リィンの指摘を聞いたトワは目を丸くして書類を再確認し、セレーネは自分の推測をミハイル少佐に問いかけた。

「いや、Ⅶ組については、少々特殊なカリキュラムが用意されている。他クラスとは独立した内容のため演習地到着後、別途ブリーフィングの時間を設けるつもりだ。その際、シュバルツァー教官とアルフヘイム教官に加え、Ⅶ組生徒3名にも同席してもらう。」

「生徒達と一緒にですか。」

「ふーん?思わせぶりじゃねえか?」

「ふふ……あまり構えないで頂ければ。あくまで”特務科”ならではの内容だからと思ってください。」

「特務科ならでは……」

「一体どのような内容なのでしょうね……?」

(うふふ、”あのⅦ組”と同じクラスの名を冠しているから、大体どんな内容なのかレンならわかるけどね♪)

(クク………”特務”科なぁ?あいつらが所属していた名前と似ている事からして、間違いなく関係はあるだろうなぁ。)

「……いずれにしても詳しい話は明日の朝、ですか。」

クレア少佐の言葉にリィンとセレーネが考え込んでいる中既に察しがついていたレンは小悪魔な笑みを浮かべ、ランドロスは口元に笑みを浮かべ、トワは静かな表情で呟いた。



「ああ、サザ―ラント州においても不穏な兆候が現れていると報告がある。分校長が同行しないのは誤算だが……現状の人員でなんとか回すしかあるまい。これは単なる訓練ではない―――あくまで実戦の心持で本演習に挑んでもらいたい。」

「―――了解しました。明日、改めて生徒達に召集をかけます。」

ミハイル少佐の言葉に頷いたリィンは答え

「よろしい、では本日のブリーフィングはこれまでとする。ハーシェル教官、マーシルン教官、ランドロス教官、オルランド教官は今夜中に生徒達への連絡を。各自休息を取り体を休めてくれたまえ―――以上、解散!」

ミハイル少佐の指示と解散を合図にブリーフィングは終了した。その後列車内を見回りながらⅦ組の生徒達に明日についての連絡をしたリィンは明日に備えて、自分に割り当てられている列車の部屋の寝台で休んだ。



4月22日、演習1日目―――



翌朝、デアフリンガー号は第二都アルトリザス駅に到着した。物資などの積み込みのため、30分ほど停車した後、再び発車し……都市の南西近郊にある演習予定地へと向かうのだった。



~アルトリザス駅近辺~



「……到着確認。はぁ……また厄介なタイミングで来たもんだね。」

出発していくデアフリンガー号の様子を見守っていた銀髪の娘は溜息を吐いた後ARCUSⅡを取り出して通信を開始した。

「―――こちら”妖精”。これより遊撃活動を開始する。協力者は既に確保。……もう少し増えるかも?そっちからの”助っ人”も期待できそうだし、心配は無用。じゃあね―――”サラ”。」

銀髪の娘――――旧Ⅶ組の生徒の一人であるフィー・クラウゼルは通信相手との通信を終えるとどこかへと去っていった。



~演習地~



午前6:30―――



演習地に到着後第Ⅱ分校の教官達と生徒達は協力して、演習地に”拠点”を築き、作業が終わるとⅧ組とⅨ組はそれぞれの担当教官達からカリキュラムについての説明を受け、Ⅶ組は担当教官であるリィンとセレーネと共に列車内でカリキュラムについての説明を受けていた。

「――――Ⅷ組戦術科は、戦闘訓練に機甲兵によるミッション演習……Ⅸ組主計科は、通信、補給、救護などの実戦演習を予定している。シュバルツァー教官以下5名、”Ⅶ組特務科”の主要活動は二つ。第一は『広域哨戒』―――現地周辺に敵性勢力がいないかなど、偵察を兼ねた”情報収集活動”だ。そして第二は『現地貢献』―――本演習を現地に肯定的に受け入れてもらうための”支援活動”となる。本分校では、この二つを合わせて『特務活動』と定義している。」

「…………………」

「その、何というか………」

「………軍として合理的なようでそうでないような印象ですね。」

(というか軍に関係するカリキュラムに見せかけていますけど………)

(要は”遊撃士”の真似事――――”特務支援課”や前の”Ⅶ組”とやっている事よね……)

ミハイル少佐の説明を聞いたユウナが呆けている中クルトは戸惑い、アルティナは静かな表情で呟き、ある事に気づいていたメサイアとアイドスは苦笑し

「ははっ……―――なるほど。ようやく理解できました。確かに”Ⅶ組”ですね。発案者もわかった気がします。」

「アハハ……わたくし達が分校に来た経緯や”前のⅦ組”の事を考えると、その方しか思い浮かびませんものね。」

「ふふ……その想像は間違っていないと思いますよ?」

リィンとセレーネの推測を聞いたクレア少佐は苦笑しながら肯定した。



「フン、人数が少ないとはいえ、”灰色の騎士”と”聖竜の姫君”が率いる小隊(クラス)だ。第Ⅱ分校としては確実に結果を出してもらいたいものだな?」

「ええ―――了解しました。察するに、まずは現地の責任者と面会するという段取りですか?」

「話が早くて助かります。アルトリザス市の城館でハイアームズ侯爵閣下がお待ちです。早朝ではありますが、いつ伺っても大丈夫だそうです。」

「まあ……”四大名門”の当主の一人であるハイアームズ候自らが……」

「それは有り難いですね。」

クレア少佐の話を聞いたセレーネは目を丸くし、リィンは静かな表情で呟いた。

「サザ―ラント州を統括する”四大名門”の一角……」

「穏健派とは言われますがエレボニア最大の貴族の一人ですね。」

「”四大名門”って確かあのユーディット皇妃の実家と同じくらいの凄い貴族でしたよね?そ、そんな人にこれから会いに行くんですか?」

「あら、クロスベル出身のユウナさんはエレボニアの”四大名門”についてもご存知なのですね。」

「まあ、クロスベルには”カイエン公爵家”の”当主代理”であるユーディット皇妃殿下がいるのだから、その関係で”四大名門”も知ったんだろうな。………一応、俺とセレーネは面識があるからあまり構える必要はないだろう。―――まずは侯爵閣下に挨拶して”特務活動”に関係する依頼などを伺えばいいんですね?」

クルトとアルティナの話を聞いて驚いている様子のユウナのある言葉を聞いたセレーネは目を丸くしている一方、リィンは納得した様子で呟いてユウナに安心する言葉をかけた後ミハイル少佐とクレア少佐に確認した。



「ああ、それと第Ⅱ分校の到着と演習開始の報告も併せて頼む。地方で演習を行う場合、現地の行政責任者の許可が形式上どうしても必要だからな。」

「了解です。」

「わかりましたわ。」

ミハイル少佐の言葉にリィンとセレーネはそれぞれ頷き

「な、なんかまだ頭がついていけないけど……”特務科”ならではの活動がようやう始められるわけね……!」

「ああ……望むところだ。―――準備は万端です。さっそく出発しましょう。」

「右に同じく、です。」

クルトの言葉を合図にⅦ組の生徒達は立ち上がった。

「気合は十分みたいだな。よし、準備を整えしだい、アルトリザスに向かうぞ。」

その後準備を整えたリィン達は列車から降りた。



「―――アルトリザスに向かうには徒歩で街道を行く必要があります。実はこの後、原隊に戻る前に侯爵閣下と打ち合わせする予定なのでよかったら同行させてください。」

「そういう事なら、是非ご一緒してください。」

「フフッ、短い間ですがよろしくお願いしますね。」

「よろしくお願いします。リーヴェルト少佐。」

「ええ、アルティナちゃんも。」

リィンとセレーネに続くように声をかけたアルティナの言葉に頷いたクレア少佐はユウナとクルトに視線を向けた。

「ユウナさんにクルトさんでしたか。お二人ともよろしくお願いします。」

「は、はい!」

「ええ……こちらこそ。(特務活動といい、気になる事は多いが……ヴァンダールの名に賭けて最善をつくすだけだ。)」

視線を向けられたユウナは緊張した様子で頷き、クルトは静かな表情で頷いた後考え込んでいた。



その後リィン達はクレア少佐と共に街道を歩いてアルトリザスに到着後、ハイアームズ侯爵家の城館へと向かい、ハイアームズ侯爵との面会を始めた。



午前7:00―――



~”第二の白亜”アルトリザス・貴族街・ハイアームズ侯爵城館・執務室~



「―――いや、本当によく来てくれた。サザ―ラント州の統括を任されているフェルナン・ハイアームズだ。リィン君とセレーネ嬢は久しぶりだな。今年の年始のパーティー以来になるね。」

「ええ、お久しぶりです。」

「侯爵閣下も変わらずご健勝そうで何よりですわ。」

年配の男性―――ハイアームズ侯爵は自己紹介をした後リィンとセレーネと再会の挨拶をした。

「セレスタンさんも本当にお久しぶりです。」

「ええ、リィン様。去年、パトリック様を残してアルトリザスに戻ってしまいましたが立派に成長されて卒業なさった様子。これも1年半前の内戦に関わった際リィン様達の影響を受けたお陰でしょう。リィン様やセレーネ様を始めとする”特務部隊”やご学友の方々には感謝してもしきれません。」

「フフ、大げさですわよ。パトリックさんと共にいた時間は本当に短いものだったのですから。」

リィンに視線を向けられたハイアームズ侯爵の傍にいる執事――――セレスタンは恭しく会釈をした後答え、セレスタンの言葉にセレーネは苦笑しながら答えた。



「―――こちらも紹介します。Ⅶ組”特務科”の生徒達です。」

「は、初めまして。ユウナ・クロフォードです。」

「クルト・ヴァンダールです。………お初にお目にかかります。」

「アルティナ・オライオン。よろしくお願いします。」

リィンに自己紹介を促されたユウナ達はそれぞれ自己紹介をした。

「ふふ、君達が新たな”Ⅶ組”というわけか。まさか、ヴァンダール家の御子息までいるとは思わなかった。お父上にはお前にお世話になったお目にかかれて嬉しいよ。」

「……過分なお言葉、恐縮です。」

ハイアームズ侯爵の言葉に対してクルトは謙遜した様子で答えた。



「さて、リーヴェルト少佐。例の話だが……先にリィン君達への話をすませても構わないかな?」

「ええ、勿論です。詳しい状況も知りたいので可能なら同席させて頂けると。」

「ああ、構わないだろう。」

「―――ハイアームズ侯爵閣下。トールズ士官学院・第Ⅱ分校、サザ―ラント州での演習を開始した事をご報告申し上げます。」

ハイアームズ侯爵とクレア少佐の会話が一区切りつくと、リィンが宣言をした。

「了解した。よき成果が得られることを願おう。それと”要請”だが……―――セレスタン。」

「は。どうぞ、お受け取り下さい。」

ハイアームズ侯爵に視線を向けられたセレスタンはリィンに要請書を手渡した。



『重要調査項目』



サザ―ラント州において複数確認された、”謎の魔獣”の目撃情報に関する調査。



「これは……」

「重要調査案件……」

「な、謎の魔獣……?」

(もしかして……)

要請書に書かれているある部分を読み上げたリィンは真剣な表情をし、クルトは静かな表情で呟き、ユウナは戸惑い、ある事に察しがついたセレーネは考え込み

「閣下、これは……」

セレーネ同様既に察しがついていたクレア少佐はハイアームズ侯爵に視線を向けた。

「ここ数日、サザ―ラント州で不審な魔獣の情報が寄せられてね。場所は、このアルトリザス近郊、そして南東のパルムの周辺になる。―――できれば君達に魔獣の正体を掴んでもらいたい。」

「正体、ですか。」

「……重要案件と書かれてあるのですから、やはり普通の魔獣でない可能性が?」

ハイアームズ侯爵の説明を聞いたアルティナは静かな表情で呟き、セレーネは真剣な表情でハイアームズ侯爵に確認した。



「ああ……寄せられた情報によると……”金属の部品で出来たような魔獣”だったらしい。」

「……!」

「それは……」

「やはりですか……」

「……確かなのですか?」

ハイアームズ侯爵の答えを聞いて確信に到ったリィンやアルティナ、セレーネが顔色を変えた中クレア少佐はハイアームズ侯爵に訊ねた。

「見間違いの可能性はあります。ですが、歯車の回るような音を聞いたという情報もありまして。」

「領邦軍にも調査をさせたがいまだ確認はできていなくてね。……もっとも内戦以降、州内の兵士も大幅に減っている。正直な所、十分な調査ができていないという状況なんだ。」

「………………」

「領邦軍の縮小ですか……」

領邦軍が縮小した事がハイアームズ侯爵の口から出ると縮小した原因を知っているクレア少佐や察しがついていたクルトはそれぞれ複雑そうな表情をした。

「よくわからないけど……変な魔獣がうろついているから調べるっていう話ですよね?気味悪がってる人もいそうだし、放ってはおけませんね!」

「ああ……当然だ。―――承知しました。他の要請と合わせて必ずや突き止めて見せます。」

「それと可能ならば、”謎の魔獣”が現れた”原因”についても突き止める所存ですわ。」

「ありがたい……どうかよろしく頼むよ。Ⅶ組・特務科諸君―――サザ―ラント州での特務活動、どうか頑張ってくれたまえ……!

そしてハイアームズ侯爵の激励の言葉を受けたリィン達は執務室から退室した。



~エントランス~



「……それでは私は侯爵閣下との話があるためここで失礼しますね。先程の件についてはTMPや情報局にも伝えるので何か判明したら連絡します。」

「ええ……助かります。」

「できたらより正確な情報が欲しい所ですね。」

「ア、アルティナさん。」

「……?」

(何かあるのか……?)

クレア少佐の言葉にリィンが頷いている中静かな表情で呟いたアルティナの発言を聞いたセレーネが冷や汗をかいている中、事情がわからないユウナとクルトは不思議そうな表情でアルティナに視線を向けていた。

「リィンさん、セレーネさん、アルティナちゃん。ユウナさんにクルトさんも。どうか気を付けて――――演習の成功をお祈りしています。」

「はい!」

「ありがとうございます。……機会があれば、また。」

そしてセレーネとリィンの答えを聞いたクレア少佐はリィン達に敬礼をした後再び執務室へと向かった。



「……なんか、思わせぶりな話が多かったですけど……」

「結局、その魔獣の調査と何をすればいいんですか?」

「他の案件というのもあるようですが?」

「ああ―――改めて説明するか。4人とも、これを見てくれ。」

そしてリィンはセレーネ達に要請書を見せた。



「これは………」

「……………」

「……軍務とは無関係のただの手伝い、ですか?」

要請書に書かれている”要請”を読み終えたクルトは戸惑い、ユウナは呆け、アルティナは困惑の表情でリィンとセレーネに訊ねた。

「ああ、市民からの要請や大聖堂からの要請みたいだな。”必須”と書かれたものはなるべくやった方がいいが……”任意”と書かれたものはやるもやらないも自由だ。ただし、広域哨戒の観点からアルトリザスの街区は一通り回っておくべきだろう。―――それから、こちらが先程の『重要調査項目』の詳細だな。」

アルティナの問いかけに頷いたリィンは重要調査項目についての詳細をユウナ達に見せた。



「この①の魔獣の調査も含めてやるべき”要請”をクリアしたら南にあるパルムへ移動し……そこでの要請も検討しつつ、②と③の魔獣調査を遂行する。―――1日目の特務活動はこんな流れになりそうだな。」

「そうですわね……パルムへの移動時間を考えると午前中に①の魔獣の調査も含めてやるべき”要請”をクリアすべきでしょうね。」

「そうだな……そのぐらいがちょうどいいだろうな。」

「さ、さすがにハードすぎるような……」

「……強行軍ですね。どこまでやり切る必要が?」

リィンとセレーネの説明を聞いたユウナ達は冷や汗をかいた後ユウナはジト目で呟き、クルトは困惑の表情で訊ねた。

「そうだな―――任意の要請については君達3人の判断に任せよう。俺とセレーネはあくまで教官として見守らせてもらうだけにするから話し合って決めるといい。」

「勿論、”必須”の要請と魔獣の調査の件を踏まえて、話し合って下さいね。」

リィンとセレーネの話を聞いたユウナ達はそれぞれ目を見開いた。



「……なるほど。そういう方針ですか。」

「そもそも必須でないなら対処する必要もないのでは?」

「い、いやいや!困ってる人がいるならそうも行かないでしょ。まだ8時だし――――」

そしてユウナ達が話し合いを始めるとその様子をリィンとセレーネはかつてクロスベルで”特務支援課”として活動していた自分達と思い出して、ユウナ達と重ね合わせていた。

(……懐かしい光景ですわね。)

「(ああ……内戦の時といい、俺達は”こういう事”に縁があるかもしれないな。)まあ、その調子で3人で考えておいてくれ。―――それではⅦ組特務科、最初の特務活動を開始する。演習地に残った他のクラスにいい報告ができるといいな?」

セレーネに囁かれたリィンは頷いた後ユウナ達に活動の開始を宣言し、そして若干挑発も交えた問いかけをユウナ達にした。

「っ……言われなくても!」

「無論、最善は尽くします。」

「行動開始、ですね。」

リィンの言葉にそれぞれ目を見開いたユウナ達はそれぞれ返事をした後、特務活動を開始した―――――






 
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