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レーヴァティン

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第三十七話 極寒の地その五

「実に様々な種類がいて」
「昼に活動するのがいたりな」
「大蒜が通じず銀にも強い」
「そうした種類もいるか」
「そこは様々です、ただ火には弱いです」
「そこはおおむむね共通してるか」
「吸血姫が屍であったならば」 
 つまりアンデットならというのだ。
「火で燃やせばいいです」
「本体は悪霊だしな、そうした吸血姫は」
「ですから屍を焼けば」
 仏教で言う火葬にしてしまえばというのだ。
「それで倒せます」
「火が一番ってことだな」
「そうです、それに大蒜はそうした吸血姫には毒ですが」
「致命傷は与えられないか」
「そうです、やはり致命傷を与えるのなら」
 そうしたいならというのだ。
「火です」
「それが一番か」
「そうなのです」
「火に弱いんだな、吸血姫は」
「それで焼き尽くすのが一番です」 
 屍からなる吸血姫はというのだ。
「銀に強い種類も一部でしかないですが」
「火は全体的にか」
「いいのです」
「わかったぜ、じゃあ吸血姫にはな」
「火です」
「そっちだな、そういえばこの島も土葬だよな」
 埋葬はとだ、久志は言った。
「火葬がメインじゃないな」
「土葬は昔の日本でも主流だったからな」
 正は彼等のあちらの世界の国の話をした。
「長い間な」
「ああ、今も田舎じゃあるよな」
「そうだろ、かなり減ったにしてもな」
「昔の日本でも土葬だったな」
「だから別に土葬自体はおかしくないだろ」
「信仰とか埋葬の手間とかあるからな」
「火葬って結構手がかかるんだよね」 
 源三はこのことを話した。
「高温で長い間焼かないといけないから」
「今の俺達の時代だからおおっぴらに出来るんだな」
「そう、火葬場でね」
「昔は死体を焚火みたいに焼くからな」
「こっちの世界じゃ火の魔法があるけれどね」
「魔法があっても信仰だな」
 その問題がクリアー出来るならと言った久志だった。
「そっちだな」
「こっちの世界は土葬か水葬だよ」
「水葬か」
「船に乗せて海に流すんだよ」
 そうして葬るというのだ。
「この地域じゃ多いよ」
「バイキングの埋葬方法でござるな」
 その水葬についてだ、進太は述べた。
「海、この島では湖で戦う戦士でござるからな」
「川でも戦うのはどっちでもな」
「どちらにしても水でござるな」
「だからだな」
「水葬も多いでござる」
 どちらの世界のバイキング達もというのだ。
「そうでござるな」
「そうだろうな、やっぱり」
「まあ火葬はないよ」
 淳二もこう言った。
「この島の信仰だとね」
「だから屍からなる吸血姫も多いか」
「悪霊が屍に入ったり魂がおかしくなって入ったりしてね」
「そんな屍は本来の持ち主に戻ってもらうか、か」
「後はその屍を一旦消して」
 燃やすなりしてだ。 
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