サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜

サトシ：「、、、」

謎の女性：「、、最後に、
何か言いたい事は無いかい？」


女性はサトシの目の前に立つと、
サトシに問いかけた。


サトシ：「、、、」



謎の女性：（言葉を発する気力も無い、、か）


銀色のナイフが光を放つ中、
女性は無表情でその手を振り上げた。


謎の女性：「ゆっくり眠りなさい、、」


カラカラ：「カラッ！」

ブンッ！（ホネを投げるカラカラ）

カラカラがホネを投げると女性は
素手で受け止め、すぐさま
ナイフを振り下ろした。
駆けつけようとするも間に合わず、
ナイフは既にうつ伏せで倒れる
サトシの首元まで達していた。


すると、、




ポーンッ！（サトシのモンスターボール）


ギャロップ：「ギャロッ！」

謎の女性：「！？」（距離を取る女性）


ナイフがサトシに刺さる瞬間、
突然ギャロップがボールから飛び出し、
女性はすぐさま間合いをとり
サトシから離れた。

ギャロップ：「ギャロッ！！」

鬣(たてがみ)を靡(なび)かせ
サトシの前に立つギャロップは
”フレアドライブ”の態勢をとり、
赤い炎に身を包んだ。


謎の女性：「ボールから勝手に、、」
（昨夜と同じ現象、、、やはり、、）


サトシ：「ポケモンは、、、人の命を
奪う道具じゃない、、、」


謎の女性：「！」


そしてサトシは口を開き、
おぼついた足どりで立ち上がった。


サトシ：「ポケモンの力を使って、、
トレーナーを狙う、、そんなの、、、
あってはならない、、っ」


謎：「まだそんな甘い事を言ってるのかい！
これが今の世の中で起きている事実、、。
お前さんが描いている”ポケモンバトル”は
もうこの世に存在しないのさ！戦わなければ
人もポケモンも皆シルフに殺られてしまう！
お前さんも、お前さんの仲間やポケモンも、
そしてこの世界も、、。戦わないと言う事は
命を捨てるのと一緒だと言う事が、
まだ分からないのかね！！」


サトシ：「命を捨てに行くつもりなんて
俺には最初から無い！」

謎の女性：「！！」


サトシ：「俺は決めたんだ、、、
何も奪わせはしない、、、
もう何も失わないって！ポケモンも、、
大切な人達の事も、、
俺が守ると決めたんだ！」


謎の女性：「守る？、、今のお前さんに
一体何を守れると言うんだい！
私１人倒せない奴が、シルフを倒せる訳
ないだろう！」

サトシ：「数多なる精霊に導かれし者、、」


謎の女性：「！！」


サトシ：「民と精霊の、、調和を謳わん、、」


謎の女性（こやつ、、）


サトシ：「っっ！、、守ると決めた、、、
人を、、世を、、、っっ！」


頭を押さえながら姿勢を保つサトシ。
しかし、女性には一瞬だけ、サトシの姿が
別人に見えた。


サトシ：「それが俺の、、
天命を授かりし者の時の運命(さだめ)！」

ブワッ

謎の女性：「！？」


そしてこの時、
サトシは光色のオーラを纏い、
まるで内に秘めらていた強い想いが
覚醒している状態のようだった。


サトシ：「神魂宿いし精霊よ、、
民の祈りと加護の果て、言霊と共に
秘めたる力を解放せん！！」

ギャロップ：「ギャロォッ！」


サトシの言葉に反応するかのように、
ギャロップは雄叫びをあげた。


謎の女性（これが、、
奴が内に秘めていたもの、、、）


ギャロップ：「ギャロォッ！」


ギャロップは
全身に纏っている炎の色が青色に変色し、
そのままメタモンに向かって突撃した。


ドガァッ！（フレアドライブ）


メタモン：「メタァッ！」

フレアドライブを受けたメタモンは
吹き飛ばされ、
一撃でひんし状態になった。