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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Epica8-A邂逅~Koenig der Unterwelt und Kaiser~

 
前書き
Koenig der Unterwelt und Kaiser
ケーニヒ・デア・ウンターヴェルト・ウント・カイザー
覇王と冥王 

 
†††Sideイリス†††

「ふんふふ~んっと♪」

自室で鼻歌を口ずさみながら、「コレとコレ~♪」っとクローゼットから白のジャケットと黒のワンピースを引っ張り出す。今日の主役はわたしでもないけど、さすがに普段着で行っていいわけでもなし。身支度を整えた後、屋敷のエントランスホールへ。

「お待たせ、イクス!」

「あ、いえ。私もちょうど今、準備を終えて来たところですから」

エントランスホールに先に着いてたイクスに「制服とっても似合ってるよ♪」って褒める。今のイクスはいつもの普段着じゃなくて、ザンクト・ヒルデ魔法学院の夏用制服だ。それなりに長かった夏休みも終わり、今日から新学期。んで、イクスは今日から登校なのだ。いやぁ~、聖祥小の初登校時を思い出すよ~。

「ありがとうございます! これまでに幾度かこの格好を褒めてくれましたけど、それでも嬉しいです」

照れ笑いするイクスが愛おしすぎてハグしたいけど、制服が皺になっちゃうのはさすがにまずいから自重。そこに「ごめんなさいね。一緒に行けなくて」って謝罪の言葉と一緒に「母様」が姿を見せた。

「本当なら母親の私が行くべきなのだろうけど、どうしても外せない予定が・・・」

「平気ですよ、母様。母様はお仕事ですし。それにシャルが居てくれます」

「本当に良い子で・・・。シャル、イクスをお願いね」

「大丈夫だよ。じゃあいってきます!」

「いってきます!」

「はい。いってらっしゃい♪」

母様と手を振り合って外に出て、わたし達を学院まで送ってくれるリムジンへと向かう。車の前に立っていたルーツィエが「待ってたよ~」って出迎えてくれた。それに側にはオットーとディードが並んで待ってた。わたし達が3人に近付くと、オットーが車のドアを開けてくれた。

「イクス。ドア枠に頭をぶつけないように気を付けてください」

「ありがとう、オットー」

イクスが乗り込んだ後、わたしも乗り込んだんだけど、「まさかの挨拶なし!?」だった。イクスにはちゃんと気を付けるように言ったのに・・・。するとオットーは「もう必要ないのでは?」なんて言う始末。

「ディードぉ~」

「ぅ、シャル、仮にも私たちの姉なのですから、そんな情けない声を出さないでください。・・・もう。シャル。乗り込む際は頭に気を付けてくださいね」

「ありがとう。遅いけど」

もうイクスの隣のシートに座っちゃってるよ。まぁとにかく「いってくるよ」って手を振ると、イクスも「オットー、ディード、いってきます!」って嬉しそうに手を振った。

「はい。いってらっしゃいませ」

「学院生活、楽しんで来てください」

「はいっ♪」

「オットー、ディード。わたしはこのまま本局へ向うから、またしばらく家を空けることになると思う」

「判った。気を付けて行ってきてください」

「ん。出して、ルーツィエ」

「では出発します」

一路St.ヒルデ魔法学院へ。基本的にイクスは車で送り迎えになる。イクスがヴィヴィオ達と合流できるのは学院の敷地内になるからだ。何せヴィヴィオ達の住む町とわたし達の住む町は正反対だからね。

「じゃあ私は駐車場で待ってるから、学校が終わったら戻ってきてね、イクス」

学院に到着して、わたしが車から降りる時にルーツィエがイクスにそう伝えたら、「あの・・・」ってイクスが返答に渋った。わたしも経験しているからすぐに察せた。

「帰りはヴィヴィオ達とどこか遊びに行きたいんでしょ?」

「あ、はい。ダメ、でしょうか・・・?」

「判った、良いよ。でも帰りに連絡をくれる? そこまで迎えに行くから」

「ありがとう、ルーツィエ!」

イクスも車を降りて2人で校舎へ。客人用のエントランスから入って教員室に向かう途中、「ごきげんよう♪」って挨拶された。そこには「ヴィヴィオ、フォルセティ、リオ、コロナ! ごきげんよう!」の4人が居て、こっちに向かって駆け寄って来た。

「合宿ぶりね、4人とも。ちょっと先生と話してくるから、よかったらここで待っててもらえる?」

わたしがそう伝えると4人は「はいっ!」って元気良く返事をしてくれた。んで、わたしとイクスは教員室に入る。ほぼ10割が聖王教信者とシスターいうこともあって顔見知りばかり。

「お待ちしていました。イクスヴェリア様・・・じゃなかった、イクスヴェリアさんの担任となる、カヤ・ペリノアです。憶えていますか・・・?」

「はい。以前、校舎を見学させていただいた時にお世話になりました」

イクス、それにヴィヴィオとフォルセティとコロナの担任は、わたしも教会本部で何度も言葉を交わしたことのあるシスターの1人、シスター・カヤ。治癒魔法や自身や他者への強化魔法が得意な衛生隊――水色扶桑花騎士隊ヘルブラウ・ヒビスクス所属だ。そんなシスター・カヤと今後のスケジュールの確認などの話をした後・・・

「ではイクスヴェリアさん。クラス委員長が迎えに来てくれるので、教室まで案内してもらってください」

「委員長・・・。確か、フォルセティとコロナがそうでしたね」

「はい。2人とはお友達でしょうから、不安はないと思います」

すでにヴィヴィオ達が迎えに来てくれているのを知っているイクスは、「はいっ。お先に失礼します!」とソファから立ち上がりシスター・カヤに一礼をしてから、「シャルも。お仕事がんばってください」って微笑んでくれた。

「ありがと♪ イクスも楽しんで来てね」

手を振り合ってイクスを見送った後、「いやぁ、緊張しますね~」ってシスター・カヤがホッと一息ついたから、「先生がそれでどうするんですか」ってわたしは苦笑した。

「騎士イリスは貴族だからですよ。一般家庭生まれの私にはきっついです。聖王、魔神の末裔のヴィヴィオさとフォルセティ君に続き、冥王本人であるイクスヴェリアさんが加わるとなれば、気を失なっても笑われませんよ」

「あはは。でもさ、どの子も良い子だから心労は無いでしょ?」

「ええ、それはもう。困っていたら助けてくれますし。クラスのまとめ役として頑張ってくれますし・・・」

「なら何も問題なしでしょ。イクスも良い子だから、絶対に苦労することないはずよ」

「はい。ですね。・・・よしっ、頑張ります!」

シスター・カヤとの話も終わって、「失礼しまーす」と教員室、そして校舎から出たところで、「あ、シャルだ!」って声を掛けられた。

「この双子特有のハモり方は・・・ほら、セレネとエオスじゃん」

義理の弟にあたるユーノに恋する双子の乙女(って歳じゃないか)のセレネとエオス。教員ってことで化粧はうっすらだけど、それでも魅力的な大人の女性になってる。服装だってシックなレディーススーツだしさ。

「なんでここに?・・って、イクスが通うのって今日からだっけ?」

「あ、そうか! あーでも残念。私もセレネも、担当クラスが違うからなかなか会えないんだよね」

「来年のクラス替えにちょっと期待」

2人も今では1クラスを任される教員なのよね。いやぁ、世の中面白い。とここで、「ユーノとの進展は?」って聞いてみた。わたし達は1人の男性を想い、強力なライバルもいる同志。気にはなっていたりする。

「・・・その事、ね」

「進展はまったく無いよ」

残念な返答だったけど、2人は微笑んでいて陰りを見せない。何か反撃のチャンスでもあるのかな?って思ってたら、「ユーノへの片思い、もうやめようかなって、さ」そんなことを言いだした。

「え・・・?」

「ユーノにとって私たちはどこまで行っても、姉、なんだよ。どれだけアプローチをしても、姉としてのスキンシップって思われちゃうの」

「愛の告白なんてする気も失せるってものだよ」

空を仰ぎ見て自嘲する2人に、「そんなこと・・・」ってフォローしようするけど、二の句が継げなかった。本当は判ってたから。ユーノはもう、なのはしか見ていないって。なのはは悲しくなるほど鈍いし、ユーノも奥手だから全然進展する気配はないけど。でも、それだけで今は十分って感じなんだよね・・・。

「決め手はヴィヴィオだった。ただでさえユーノとなのはは2人で何度か逢っていたのに、ヴィヴィオの読書家っていう趣味が高じてさらに逢う頻度が多くなって・・・」

「アポなしで無限書庫のユーノに逢いに行った時にさ、見たの。3人が仲良く楽しそうに話をしてる姿を」

「その時に私たちは悟った。・・・もう潮時なんだ、って」

それは失恋を自覚した話なのに、それでもやっぱり2人の表情は普段通り。これまでの2人のユーノに対する想いを知っているから、かえってこちらの胸が締め付けられる。私の表情が今どうなってるのか自覚できないけど、「そんな悲しそうな顔しないで」って言われた。

「あ、だからって、なのはもヴィヴィオも嫌いになるわけじゃないよ?」

「なのはは変わらず大切な友達で戦友だし、ヴィヴィオも生徒で友達だし」

「負け惜しみに聞こえるかもしれないけど、ユーノには幸せになってほしい」

「「ね~♪」」

そう言って満面の笑顔を浮かべる「セレネ、エオス・・・」になんて声を掛ければいいのかもう判らない。

「ねえ、シャル。私たちね。別々の男性からお付き合いしてもらえませんか、ってお誘いを受けてるの」

「私たち、OKしようって考えてる」

「ちょっ、え、待って、いいの・・・?」

もう引き止めるのは無理だって解ってるけど、つい口に出してしまった。セレネは「うん。格好いいし」って微笑んで、エオスも「優しいし」って照れ笑い。だからもう「そっか」ってわたしも受け入れるしかなかった。

「おっと。そろそろ行かないと。またね、シャル」

「また暇があったら遊びに行こう♪」

「あ、うん」

2人と手を振り合って別れようとした時、「あ、そうだ」って2人は足を止めて、わたしに振り返った。そして「先輩からアドバイスを」って真面目な顔になった。

「シャル。1人の男性を想い続けるのは素敵だよ。でもね・・・」

「諦めて、新しい恋を探すのもまた勇気だと思う」

それだけ言って、セレネとエオスは校舎の中へと入って行った。わたしはその場に佇んだまま、「それでも・・・!」って両拳を力強く握り締めた。

†††Sideイリス⇒イクスヴェリア†††

人生初の学生生活、その初日。私は質問攻めに遭った。聖王教会系列のミッションスクールということもあり、ベルカ史に詳しい生徒もいまして、私のイクスヴェリアという名に反応を示す子も少なくなく・・・。

「はふぅ~・・・」

私が冥王本人であるということは、その歴史的に見て伏せた方が良いということで、私は直系の同名として振る舞うことになった。その事を説明するだけで結構な疲労が。騎士カリムも歴史マニアでしたが、それに負けず劣らずのマニアが居たのは想定外です。思わず机に突っ伏して一息吐いた。

「お疲れ様~♪」

「僕とヴィヴィオも、1学年の頃に味わったよ。先祖というかオリジナルというか、その人が有名だと大変だよね」

「私はその当時は見てる側だったけど、大変だな~って思ってたよ」

私の席にやって来てくれたヴィヴィオとフォルセティとコロナ。私の初めての友達です。質問攻めの際にも幾度か助け船を出してくれましたから、本当に助かりました。

「ねえ、イクス。朝にも聞いたけど、放課後は時間があるんだよね?」

「はい。シャルからも許可をもらっていますし、大丈夫です」

「やった♪ じゃあ今日、学院周辺を案内するよ♪」

「はい! お願いします!」

そうして放課後となり急いで帰り支度を終え、級友のみなさんと「ごきげんよう!」と挨拶を交わし、ヴィヴィオ達と廊下へ出ると、「やっほー♪」とリオが出迎えてくれました。リオだけは別のクラスなので、休み時間や今のように放課後でなければ逢えないのです。

「ねえねえ、今日はどうすんの? どこか遊びに行く?」

「校舎はこの前に見学したってことだから、学院の周りを案内しようかな~って」

「帰り道の買い食いはダメだけど、ウィンドウショッピングとか寄り道とかは許されてるから」

「いろいろ見て回ろうね、イクス♪」

そういうわけでして、学院周辺の案内をしてもらうことになり、校舎のエントランスへ向かうのですがその途中、視界の端にポツリと1人で佇んで、こちらを見ている少女の姿を捉えることが出来た。

(彼女は・・・)

私は歩く速度を僅かに落とし、彼女の方へと体を向ける。すると彼女は私の視線に気付き、踵を返して立ち去ろうとした。ですので、「すいません。先に行って待っていてください」とヴィヴィオ達に伝えた。

「あ、うん」

「トイレ?」

「「「デリカシー!」」」

「あいたっ!?」

ヴィヴィオとコロナとリオの3人に殴られたフォルセティに苦笑しつつ、「ではいってきます」と私は手を振って、彼女の後を追う。彼女に声を掛ける同級生は居らず、どこか孤高の雰囲気を醸し出していますね。人気が少なくなって来たところで・・・

「何か御用ですか?」

彼女はそう言って立ち止り、私へと振り返りました。碧銀の髪、紺と青の光彩異色。それはまさしく「覇王イングヴァルト・・・」の身体資質。そう漏らしてしまうと、「あなたは・・・!?」と目を見開きました。

「この姿でこうして普通に言葉を交わすのは初めてですね、覇王クラウス」

「・・・噂は本当だった、ということでしょうか。冥府の炎王イクスヴェリア陛下・・・?」

「はい。・・・貴女はかの覇王の記憶と覇王流を継承している、と聞き及んでいます」

「少し、場所を変えていいでしょうか?」

「でしたら私の友人の元へ参りませんか? ヴィヴィ――」

「行きません!」

ヴィヴィオ達の元へ行きましょう、と提案しようとした途端、彼女は――アインハルト・ストラトスはそう声を荒げました。ですので付近に居る他の生徒たちの視線を一手に引き受けることに。

「・・・はぁ。とりあえず場所を移しましょう。近くに空き教室がありますので」

「判りました」

彼女の後に続いて入った教室は確かに無人で、しかも付近にも人気は無いので、ここでなら多少大きな声を出しても外にまでは漏れないでしょう。室内に入ったきりこちらに振り向かない彼女に「なぜ、ヴィヴィオ達の元へ行かないのです?」と尋ねた。

「その考えこそ私にとって、なぜ?ですよ、イクスヴェリア陛下」

「・・・聖王女オリヴィエ、魔神オーディン様。その本人ではないとはいえ、かつての貴女が共に戦った戦友で、友人なのでしょう?」

「たった今、あなたが言った通りです。あの2人は、オリヴィエ殿下でもなくオーディンさんでもない、ただのクローン。仲良くする道理はありません」

複製(クローン)。あの子たちと深い関係になった今、その言葉が胸に刺さって痛む。あの子たちが生み出された経緯はすでに聞き及んでいます。兵器として利用されるために生み出されたのだと。悲しかった。この子たちまで・・・と。

「この短時間に疑問ばかりが生まれてきますね。ならば問いましょう。どうして貴女は、ヴィヴィオとフォルセティを見守るような真似をしているのです? 先ほどもそうでしたが、以前からあの子たちを見守っているそうではないですか」

「・・・!」

「なぜです? 友人になりたいからなのではないですか?」

「違います・・・」

「切っ掛けが欲しいのですか? では私と共に参りましょう。あの子たちは本当に優し――」

「違いますっ!」

声を荒げて否定をしてきました彼女は肩で息をして、数度の深呼吸の後に「私に友人など不要です」と言い捨てました。

「ではどうして?」

「私は覇王。覇王ハイディ・アインハルト・ストラトス・イングヴァルト。覇王クラウスの思いを受け継いでいます」

「それがなにか?」

「覇王とは読んで字のごとく覇を成す王なのです。現代を生きる古きベルカの数多の王を打倒し、そしてベルカの、ミッドチルダの、いいえあらゆる次元世界の天地に覇王の名を轟かせる。それが私の成すべき事なのです。聖王も、魔神も、雷帝も、そして冥王、あなたも・・・。私が打ち倒します」

あまりの愚見にさすがの私も絶句せざるを得なかった。彼女はそれだけを宣言して、私の隣を通り過ぎようとしましたが、私は「待ちなさい!」と制止する。

「何を言っているのか解っているのですか! ベルカという世界はもうすでに亡んでいるのです! 当時の王も当然死去していますし、その末裔も争いとは無縁の世界に生きています! それを、貴女の独り善がりな執念で邪魔をするというのですか!」

「・・・。覇王流カイザーアーツと覇王イングヴァルトの強さを証明するためです」

「それは志半ばで討たれたことへの恨みも入っていますか?」

「いいえ。それは逆恨みというものです。・・・悲願なのです。私の記憶の中に居る彼、クラウスの・・・。天地に覇を以て和を成せる王となる、と」

それは本末転倒な気がしますが・・・。次元世界では未だに紛争が、そして犯罪が起きています。完全な平和な世界とは言えませんが、ベルカ戦乱時代に比べればまだ平和な方です。それを彼女が乱すなんて愚の骨頂としか・・・。

「理由はどうであれ、あの子たちに手を出すということは、2人の御家族や聖王教会騎士団を手に回すということ。その覚悟はおありですか?」

その大半がSクラスの魔導師・騎士。私もかつては数多くの英傑を見てきました。だからこそ判る。アインハルトは決して弱くはありません。ですがそれはあくまで子供の範囲内での話。今の彼女はまさしく井の中の蛙。クラウスの記憶を持っていようとも、実際に戦闘を経験しなければ、自身の今の実力を理解でないはず。

「・・・。それが必要なのであれば」

「どうしてそこまで・・・」

「・・・弱かった所為で、強くなかった所為で、彼は彼女を救うことが出来なかった・・・。その後悔が私を苛むんです・・・。ですがその後悔をぶつける相手ももう居ません・・・! ならせめて、この現代で覇王こそが最強であると示すしか・・・!」

これは私ひとりでは解決できないようです。クラウスの、オリヴィエを救えなかった、という後悔があまりにも強すぎて、子孫であるアインハルト・ストラトスの心を苛んでいる。冥王イクスヴェリアとしての私は、彼らとは談笑できるほどの交友関係ではなかった。だから私の言葉は届かない。

(だからと言ってここでヴィヴィオを出すのは、あまりにも勝手です・・・)

ヴィヴィオの優しい心なら、アインハルトの傷ついた心を癒してくれるでしょうが、それを丸投げするわけには・・・。グッと握り拳を作って、「話が無ければ、これで失礼します」と去っていく彼女の背中を見送った。
 
 

 
後書き
はい、というわけで、アインハルトの本格参入となる邂逅編です。
原作Vividでは新暦79年の4月からの登場ですが、本作では78年9月からの登場となりました。ですので原作のストリートファイター覇王はこちらの歴史では登場しません。
で、セレネとエオスのスクライア姉妹の失恋。聞き飽きたかと思いますが本エピソードの次に予定していたエピソードⅥがお蔵入りになったことで、その使い道がなくなってしまった2人(EpⅥのためだけに作ったキャラ)なので、すぃーっとフェードアウトさせる予定です。ユーノもEpⅥの準主人公になる予定だったので、彼ももうあまり出番が無いかもです。 
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