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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1932話

 腹を貫かれた風船の胴体を持つシャドウ。
 その一撃で死ななかったのは……まぁ、理解出来ないでもない。
 だが、それでも全く何の影響もなく次の行動に出るとは、ちょっと予想外だった。

「パラダイムシフト」

 明らかに、未知の攻撃。
 それを警戒し、ゲイ・ボルグを持ったまま後方に跳ぶ。
 だが……シャドウが何らかのスキルや魔法を使ったのは確実だったのだろうが、それでも特に何か起きた様子はない。

「何をした?」

 シャドウに問い掛けるも、当然のように向こうは何も喋ってくる様子はない。
 これが死神であれば、ある程度何らかの反応を示したりするんだが。
 ちっ、さて、これからどうするべきか。
 取りあえず現在の状況で俺がやるべきなのは……このシャドウを倒して、ゆかり達が相手をしているシャドウに攻撃する事だな。

「ちょっと、何これ!? 矢が刺さらない!?」
「ぬぅっ、私のレイピアも同様に効果がないだと? どうなっている!?」

 聞こえてくるゆかりと桐条の声。
 刺突攻撃の類を無効化するのか?
 そうなると、俺がこっちのシャドウにに当たって正解だったな。
 こっちのシャドウは、少なくても物理攻撃は通用する。
 であれば、やはりここで手早く倒して……

「っと!」

 手に持つ……いや、手と一体化している杖が振り下ろされ、それを回避しつつゲイ・ボルグを放つ。
 先程よりは威力が低いが、それでもカウンターとして入っている分、その威力は決して侮れないものになっている筈。
 ……そう思った俺の考えは、間違っていた。
 いや、普通であれば決して間違っている訳ではないのだろう。
 だが、今の俺の攻撃は、先程とは違ってイレギュラーシャドウにダメージを与えられない。
 何だ? 今、間違いなく当たったよな?
 だが……当たった筈のゲイ・ボルグは、次の瞬間には俺が一撃を放ったのが嘘だったかのように、攻撃が弾かれた。
 そう、弾かれたというのが正しい。
 いや、だが……正直、何でそうなる?
 先程の一撃はきちんと命中した。
 それは、間違いない。
 だが、カウンターで放った一撃は、何故弾かれる?
 そんな疑問を抱いている間にも、当然のようにイレギュラーシャドウはこちらに向かって攻撃をしてくる。
 持っていた杖を横薙ぎにしてくる。
 先程の一撃が何らかの偶然か何かだったのか……それを確認する為、俺はその一撃をかいくぐりながら、再びゲイ・ボルグの一撃をその胴体に放つ。
 だが、再び先程と同じく、弾かれる。
 もし俺の持っている武器が、ゲイ・ボルグではなく他の場所――例えばタルタロスの宝箱――で入手したものであれば、その一撃が弾かれてもそこまで疑問には思わなかっただろう。
 しかし、弾かれたのはゲイ・ボルグなのだ。
 勿論、俺だってこのゲイ・ボルグが最強の槍だなどとは、思っていない。
 それでも、この程度の敵を相手に武器が通じないなどとは、ちょっと思えなかった。
 ただのシャドウではなく、原作的に言えばボスの1匹だろうイレギュラーシャドウであっても、だ。
 となると、今のは何かの種があるといったところか。
 無難なところだと、カウンター無効の能力を持ってるとか、そういうのか?

「なら」

 次にやるべき事は簡単だ。
 瞬動を使ってイレギュラーシャドウの後ろに回り込み、ゲイ・ボルグで突きを放つ。
 胴体のど真ん中を狙ったその突きは、当たれば間違いなく相手を串刺しにするだろう突き。
 だが……決して力を抜いた訳ではなかったが、それでもやはり俺の突きは弾かれる。
 その事に驚きはしたが、既に何度か経験している以上、動きを止める程に驚きはしない。
 次の一撃として、突きではなく横薙ぎの一撃を放つ。
 だが、その攻撃も予想通り弾かれた。

「面倒な。まさか、本当に無敵だとか、そんな事はないよな?」

 そう考え、ゲイ・ボルグを握っていない方の手を大きく振るい、白炎を放つ。

「キュアアアア!」

 キャア、じゃなくてキュア?
 妙な鳴き声だと思ったが、今はそんな事は関係ない。
 今重要なのは、槍の突きが効果がなかったのに、炎の攻撃は通じたという事だ。
 どうなっている? もしかして、最初から炎も弱点だったのか?
 アギを使えるのは、現状だと順平のヘルメスだけだ。
 いや、ペルソナチェンジを使える有里であれば、アギを使えるペルソナを持っている可能性もあるが……残念ながら、今ここにいないのではどうしようもない。

「パラダイムシフト」

 再びスキルを発動するイレギュラーシャドウ。
 ……待てよ? もしかして……
 攻撃された仕返しだと言いたげに、こちらに向かって振るわれる杖の一撃。
 それを回避しながら、再び白炎を放つ。
 だが、今度は全身が白炎で燃やされたものの、向こうは一切の被害を受けた様子がない。
 ……なるほど。
 先程の流れと、今の行動。
 これを見れば、何となく向こうの使っているスキルの効果は理解出来た。

「ちょっと、何で! さっきガルは効果があったじゃない!」
「なら、私のブフで!」

 どうやら、あのパラダイムシフトというスキルを使えるのは、俺が相手をしている奴だけではないらしい。

「気をつけろ! この2匹のイレギュラーシャドウが使うパラダイムシフトってスキルは、耐性を変える!」
「嘘っ!」

 そんなスキルを持っているというのは、完全に予想外だったのだろう。
 ゆかりは、俺の言葉に反射的に叫ぶ。

「岳羽、油断するな!」

 こっちの方を見て叫べば、当然ながらイレギュラーシャドウに対しては隙を見せる事になる。
 勿論、それを見越して罠を張る……という方法もあるにはあるのだが、残念ながらゆかりと桐条に、そんな余裕はなかったらしい。

「す、すいません!」

 叫びながら、ゆかりはショートボウでイレギュラーシャドウに矢を射る。
 俺が戦っているイレギュラーシャドウは、杖を武器にしている。
 いや、杖じゃなくて、この場合はメイスと呼んだ方がいいのか?
 ともあれ、そんな武器で攻撃しているのだが……ゆかり達が戦っているイレギュラーシャドウが持っている武器は、長剣だ。
 ただし、普通の長剣……いわゆる、人間が使う長剣ではない。
 かなり背の高いイレギュラーシャドウが持っていて普通に見える感じの長剣であるのを考えると、それこそ綾子の武器の物干し竿に近い長さがあるのだろう。
 つまり、それだけ斬撃の届く範囲も広い訳だ。
 もっとも、だからといってゆかりに……ショートボウの間合いまで攻撃が届くとは思えないが。
 斬撃を飛ばすスキルとかあれば、話は別か。
 ともあれ、向こうの方はゆかりと桐条の間で上手く連携出来てはいないが、それなりに上手くやれているようだ。
 もっとも、それは仕方がない。
 ゆかりと桐条はそれなりに良好な関係ではあるとはいえ、影時間に一緒に行動している訳でもなければ、戦闘訓練をしている訳でもない。
 そうなると、戦闘におけるお互いの呼吸とかそういうのが噛み合わなくても、それはしょうがないだろう。
 戦闘が長引けば、お互いにある程度の事は分かってくるだろうけど。
 幸いにも、桐条はレイピアで前衛、ゆかりはショートボウで後衛というようにお互いの戦闘スタイルは相手をカバーするのに十分だ。
 後の問題は、どれだけ早く戦闘ユニットとして機能するか。

「っと!」

 向こうの事ばかり見るなと言いたげな様子で、俺が戦っていたイレギュラーシャドウが、持っていた杖を振るう。
 その杖の一撃を回避し、イレギュラーシャドウから距離を取りながら俺は笑みを浮かべる。
 別に攻撃を無効化する……いや、正確には自分の通用する攻撃と通じない攻撃を変える事が出来るだろうスキルを持つという事に、絶望と諦めの笑みを浮かべた……という訳では、別にない。
 確かに、攻撃を受ければそれを無効にするスキルというのは、極めて強力なスキルだと言ってもいいだろう。
 実際、ゆかりと桐条の2人も、自分の攻撃が通用しないという事もあって、苦戦しているのが見て分かる。
 桐条のペンテレシアも、相手の情報を読み取るような余裕はない。
 いや、もしくは読み取ろうにもイレギュラーシャドウを相手にした場合、無理なのかもしれないが。
 ともあれ、激しい戦闘でそれどころではないというのは、間違いないだろう。
 もしここにいるのが、荒垣や順平、真田といった面々でも、このイレギュラーシャドウに苦戦したのは間違いない。
 そして、ペルソナチェンジというスキルを持っている有里であっても、相手が弱点を変えれば、再び全ての属性の攻撃を行って弱点を探るといった真似をしなければならない。
 ……そう、あくまでも普通であれば、の話だ。
 俺にはそのような能力を持った相手と戦う場合には、致命的な一撃を与える為の手段がある。
 それを使えば、例えスキルで無効化していても、間違いなく攻撃を通す事が出来るという確信があった。

「色々と調子に乗ってくれたようだが……残念だが、それもここまでだ」

 そう告げ、手の中にあるゲイ・ボルグの柄を握る。
 その瞬間……

「無事か!」

 そんな声がエントランスに響く。
 周囲に響いたのが誰の声だったのか……それは、考えるまでもなく明らかだ。
 俺にとってもそれなりに……もしくはそれ以上に聞き覚えのあるその声は、間違いなく真田のものだった。
 そして真田以外にも、順平、有里、それと……

「え? こ、これって一体……」

 今回の原因となった、山岸の姿もそこにはある。
 どうやら、無事に合流する事には成功したらしい。

「こっちはいいから、ゆかり達の方のイレギュラーシャドウを頼む!」

 そんな真田達に向かい、俺は一旦相手をしていたイレギュラーシャドウから距離をとって叫ぶ。
 一気に倒してしまうつもりだったのだが、今はタイミングが悪かった。
 シャドウの方も、こっちが何か狙っているのが分かったのかその外見からは想像出来ないような、意外な程に素早い動きでこっちから距離をとっていた。
 そして俺を近づけないように……

「マハガル」

 全方位に放たれる、風の攻撃魔法。
 威力そのものはそこまで強くないが、範囲という点ではかなり広範囲に渡っていた。
 ……そして、当然のように広範囲という事は、俺以外の面々も攻撃範囲に収まっており……

「うわぁっ!」

 元々風系の防御力が弱い順平のヘルメスは、その一撃を食らってバランスを崩した。
 ちっ、厄介な。
 せめて単体攻撃のガルだったら、こっちもまだそれなりにやりようがあったんだが。
 だが……それでも、風が弱点だったのはヘルメスだけというのは、幸運だった。
 さっきまでの、ゆかりと桐条の2人だけでイレギュラーシャドウと戦っているのであれば、1人が一時的にでも戦線から離脱するような真似をすれば致命傷になっただろう。
 だが、今は1匹のシャドウに対して4人で対処しているのだ。
 ……ちなみに5人目の有里は、山岸の護衛として遠距離から色々な属性の魔法を放つ程度で留めている。
 そんな訳で、例え1人が一時的に戦闘不能になっても、今の状況であれば特に問題はなかった。
 正直なところ、ここがエントランスでよかった。
 もしタルタロスの通路の部分とかであれば……もしくは前のイレギュラーシャドウのようにモノレールの車両の中で戦ったりといった事であれば、人数が多いのが災いして、身動きを取れなくなっていただろう。
 だが、このエントランスは広い。
 例え5人でも6人でも……それこそ10人で戦っても、問題なく戦えるだけの空間的な余裕があった。
 その広さを十分に使って、ゆかり達は戦いを繰り広げていた。

「さて、と」

 向こうの戦いは有利に進んでいるが、だからといってこっちもいつまでもゆっくりしている訳にはいかない。
 そろそろ……倒させて貰うか。
 ゲイ・ボルグの柄を改め握り直し、口を開く。

「直撃」

 そう、相手の防御能力のことごとくを無効化するという効果を持つ、精神コマンド。
 ……一応生身にも効果があるというのは、今までの経験から理解している。
 だが、果たして今回もそれでどうにかなるのか。
 一瞬そんな風に思うが、すぐに大丈夫だろうという楽観的な……それでいて、絶対的な確信を感じる。
 その確信に動かされるように、瞬動を使って一気にイレギュラーシャドウとの距離を詰めていく。
 イレギュラーシャドウの感情の類は俺にも分からないが、恐らくもし人間と同じような感情があるのであれば、笑っていてもおかしくはない。
 さっきと同様の、槍による攻撃だと。
 だが……瞬時に相手の間合いの内側に入り込んだ俺が放った槍は……次の瞬間、シャドウの胴体をあっさりと貫く。
 それこそ、さっきまで攻撃を無効化していたのはなんだったのかと、そう言いたくなるくらいの勢いで。
 やっぱり、直撃の効果はあったか。

「お前達、どけぇっ!」

 大剣を手にしている順平がもう1匹のイレギュラーシャドウの攻撃を防いでいるのを見ながら、叫ぶ。
 それを見て、順平は危険を感じたのか、後ろに飛び退いた。
 それを追撃しようとしたイレギュラーシャドウに、ゆかりの矢と有里の魔法が当たる。
 効果はなくても、相手の機先を制するには十分で……

「直撃。……食らえ!」

 再度直撃を使い、投擲されたゲイ・ボルグは……イレギュラーシャドウを1撃で倒すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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