| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と春の花達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十二幕その八

「日笠さんも真剣よね」
「その真剣な気持ち適うべきだよ」
 ホワイティは動物の皆の気持ちを代弁しました。
「本当にね」
「全くだね」
「だから僕達も先生の背中押したし」
 オシツオサレツは自分達の動きをお話しました。
「日笠さんを見てね」
「そうしないといけないって思ってね」
「こうした時先生ってお酒とお弁当と桜ばかりなんだよね」 
 チーチーは腕を組んで述べました。
「お喋りも楽しむけれど」
「お花見の楽しみ方だけれど」
「それがメインだとね」
 チープサイドの家族も困るのです。
「日笠さんが気の毒だから」
「あんなに頑張ってるのに」
「先生って鈍いし自分はもてないって信じ込んでいて」
 老馬は先生の問題点を指摘します。
「だから駄目なんだよね」
「先生はね」
 王子も困った笑顔で言うのでした、皆にご自身のシェフが作ってくれたお弁当を出しながらです。
「昔からだよね」
「全くだよね」
「こうしたことには鈍くて」
「気付かなくて」
「どうにもならないから」
「先生みたいないい人はいないよ」
 紳士で人格者で。王子もいつもお世話になっています。
「そんな人だから」
「見る人は見てね」
「好きになるよね」
「というかしっかりした人は気付くから」
「先生は素晴らしい人だって」
「それでね」
「そうした人は先生が好きになるけれど」
 また言う王子でした。
「それでもね」
「自分で思い込んでるから」
「もてないってね」
「それじゃあどうしようもないよ」
「自分でそう思ってるなら」
「そこが問題なんだよ」
 本当にというのです。
「あの人はね、ただね」
「うん、日笠さんならね」
「何時かって思えるわ」
「今度こそは」
「そう思えるよ」
「僕もだよ」
 本当にと言う王子でした。
「日笠さんならだよ」
「その通りだね」
「まあ王子はその心配はなさそうだね」
「もうお相手いるとか?」
「そうじゃないの?」
「まあその話はね」
 王子も否定せずに答えます。
「決まってるしね」
「その辺り次の王様だからね」
「しっかりと決まるよね」
「そうなるよね」
「そうだよ、それで奥さんともね」
 こうも言う王子でした、ここで桜のお花を見ます。四方が満開の多くの桜達に囲まれています。
 その桜達を見てです、王子は皆に言うのでした。
「このお花を見たいね」
「桜をだね」
「是非だね」
「見たいんだね」
「一緒に」
「そう思うよ、僕の国はね」
 王子のお国はといいますと。
「桜は咲かないから」
「じゃあ日本にいる時だけだね」
「こうして観られるのは」
「そうなんだね」
「イギリスとかでも観られるけれど」
 それでもというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧