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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1922話

 
前書き
今年も1年、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。 

 
 まず開幕に放たれたのは、当然のようにイオのガルだった。
 残り少ない魔力だが、ゆかりにとってガルというのはそれだけ信頼すべき攻撃魔法なのだろう。
 そんな訳で、今まで何度となく使ってきたガルだったが……

『なっ!?』

 ゆかりと、そして荒垣の口からも驚愕の声を上げる。
 何故なら、イオから放たれたガルの一撃は、像のシャドウに命中はしたのだが……その一撃は一切のダメージを与えられたようには思えなかったからだ。
 かすり傷すらついていないという事は、イオのガルは無効化されたという事か。
 イオのガルを無傷で受け止めた像のシャドウは、その仕返しだと言いたげに反撃をする。

「マハガルーラ」

 放たれたのは、広範囲に放つ風の攻撃魔法。
 マハガルという広範囲に攻撃をする風の攻撃魔法……その上位版だ。
 放たれたマハガルーラは、当然のようにゆかりと荒垣の2人を襲う。

「くっ、カストール!」

 咄嗟に召喚された荒垣のカストールが、召喚者の荒垣と……そして荒垣の後方にいるゆかりを守る盾となる。
 そうしてマハガルーラの効力が消えると、カストールも役目は終わったと姿を消していく。

「ちっ、岳羽! 奴は恐らく風の魔法に対して耐性を持っている。それも、かなり強力な……無効化されるんじゃねえかってくらいのな!」
「なっ……」

 荒垣の言葉に、ゆかりは驚愕の表情を浮かべる。
 今までは偶然なのか、そのようなシャドウに遭遇した事はなかった為だ。
 いや、もしかしたら遭遇したのかもしれないが、その時はガルを使わなかったから、無効化する……というのを分からなかっただけという可能性もある。
 ともあれ、ゆかりにとってあの像のシャドウは最大の攻撃手段のガルが効かないという、非常に厄介な存在だった。
 ……もっとも、ゆかりの場合、ここに来るまでにかなり魔力を消耗してるから、もしガルが使えても連発は出来なかっただろうが。
 ただ、ガルが使えないというのはともかく、ディアといった回復魔法を使えないのはゆかりと荒垣にとって痛いだろう。
 傷薬とか、用意しておいた方がいいか?
 そんな風に考えている間にも、戦いは進む。
 ガルの効果がない以上、出来るのは物理的な攻撃のみとなる。

「カストール、突っ込め!」
「ポイズンミスト」
「うおっ!」

 カストールを召喚し、像のシャドウに突っ込むように命令する荒垣。
 だが、カストールがそれを実行するよりも前に、像のシャドウはポイズンミストを使用する。
 それがどのような魔法なのか、順平との一件で理解している荒垣は、咄嗟に横に飛ぶ。
 ちなみに、弓で狙っていたゆかりもまた、自分に魔法が使われた可能性を考えて横に飛んでいた。
 そして、一瞬前まで荒垣のいた場所に現れる紫の気体。
 以前、別のシャドウとの戦いで、順平は毒になった事がある。
 結果として俺の持っている解毒剤で何とかなったし、影時間が終わった後で検査をしたところ、特に後遺症の類も存在しないというのが判明している。
 だが……後遺症の類が存在しないからといって、この手の攻撃に何も感じるなというのは、無理がある。
 直接的な攻撃の類ではないだけに、その心理的な効果は大きい。

「いい加減にしやがれ! カストール!」

 荒垣の指示に従い、像のシャドウに向かって突っ込んでいくカストール。

「イオ、突っ込んで!」

 ガルは無効化されると言うのを知っている為か、ゆかりがイオに命じたのは、その質量を活かして敵に突撃する事。
 だが……敵は生き物のシャドウではなく、像のシャドウ。
 つまり、物理的な攻撃は意味がない……とは言わないが、普通の生き物型のシャドウや、もっと脆い……テーブル型のシャドウと違って、物理的に強い防御力を持っているのではないか。
 そんな風に思うのだ。
 ……まぁ、だからといって、今のゆかりと荒垣の手札で他にどうにかしようとするのは、ちょっと難しいとは思うのだが。
 突っ込むカストールに、像のシャドウはそのままの状況で迎え撃つ。

「マハガルーラ」

 再び周囲に風の刃が走る。
 カストールとイオは、その風の刃に当たるが……特に構わず像のシャドウに向かって突っ込んでいく。
 今はとにかく、ダメージを受けても敵に向かって攻撃をする必要があると、そういう事なのだろう。
 そして、実際俺もその選択肢は間違っていないと思う。
 ……そもそも、魔力はもうあまり残っていない以上、いざという時の回復魔法用にとっておいた方がいいだろうし。
 そんな風に思う俺の視線の先で、いよいよカストールが像のシャドウに正面からぶつかる。
 それも、ただの突進や体当たりではない。馬から伸びている角を前に出した、そんな突撃だ。
 像のシャドウは魔法を使ったばかりで身動きが取れないのか……もしくは、身体が像であるが故に、素早く移動したりするのは苦手なのか、カストールの攻撃を黙って待ち受けるしかなく……次の瞬間、お互いが派手にぶつかり合う。
 予想外だったのは、カストールの乗っている馬の角による一撃は決して致命傷にはならなかったという事だろう。
 それに続いてイオも像のシャドウに突撃するが、カストールの一撃で致命傷を受けない以上、イオの一撃も大して差はない。それでも……

「岳羽、見ろ! 風の魔法のように無傷って訳じゃねえぞ!」

 荒垣が叫んだ通り、カストールの一撃は像のシャドウに致命傷を与える事は出来なかった。出来なかったが……それでも向こうは無傷という訳ではなかったのだ。
 風の魔法では無傷だった像のシャドウだったが、今は微かにではあるがその身体に傷がついている。
 それを見て、ゆかりも勝機を見出したのか、元気にイオに指示を出していく。
 また、魔法の効果はなくても、物理的な攻撃なら効果はあると理解したのだろう。
 ゆかりはショートボウで矢を射り、荒垣はこの前入手したというヘビーアックスを、像のシャドウに近づいては叩き付ける。
 当然像のシャドウも黙ってやられてばかりという訳ではなく、荒垣が近づいてきた時にはマハガルーラを使ってダメージを与えたりもする。
 荒垣はカストールを盾にしてその攻撃を防いだりもするのだが、当然全てを完全に回避するといった真似が出来る筈もない。
 だが……荒垣は非常にタフで、マハガルーラで多少の傷を受けても全く関係ないと、像のシャドウをヘビーアックスで叩き付けていた。
 1度はかなり大きな切り傷を受けていたが、イオのディアで血は止まっている。
 まぁ、傷の大きさからあくまでも応急処置程度の回復魔法でしかないのだが、それでも取りあえず戦闘に支障はないらしい。
 そうして戦いが続くこと、10分程……
 時間にしては短いと感じるが、実際には命懸けの戦闘……それも常に身体を動かしている全身運動をしての10分だ。
 その疲労たるや、並大抵のものではないだろう。
 既にゆかりも荒垣も、激しく息を切らせている。
 だが、そんな2人の目の前で……像のシャドウは形を保つ事が出来ず、黒い粉となって砕け散っていく。
 なんつーか……力でごり押ししたって感じだな。
 相手の防御力を下げるとか、速度を落とすとか、そういう補助魔法があればもう少し楽に戦えたのだろうが……残念ながら、イオとカストールにそんな魔法はない。
 結果として、像のシャドウを倒すのに力押しで強引にとなってしまった訳だ。

「ほら、お疲れさん」

 そう告げ、ぜーはー言っているゆかりと荒垣に、空間倉庫から取り出したスポーツ飲料を渡す。
 こうして息が切れている時は、お茶とかスポーツ飲料とかの、素早く飲めるものの方がいいんだよな。
 こういう時にミルクティーとか、そういうのを出されると、飲めるかぼけぇっ! と叫びたくなるのは間違いない。
 ミルクティとかは、あくまでも自分に余裕がある時に味を楽しむ為に飲むものなのだから。

「ありがと」
「悪いな」

 スポーツ飲料の入ったペットボトルを受け取り、流し込むように飲む2人。
 そうして一通り飲んで落ち着いたのを見計らい、口を開く。

「お前達にとっては戦いにくい敵だったろうけど、無事に倒せたようで何よりだ。ただ……風を無効化されると、途端に厳しくなるってのは十分理解したと思う」
「そうね。いつもどれだけガルに頼っていたのか……それが分かった戦いだったわ」

 ゆかりの場合、ガルと一言で言っても色々と発動形態を変えたりしている。
 それこそ一般的な風の刃の他に、小さな竜巻を作ったりとか、突風で吹き飛ばすとか。
 だが、そのように色々と発動形態を変えてはいても、結局のところガルはガルでしかない。

「防御力も強かったな。カストールの突撃でも傷はそこまで深くなかった」

 荒垣も、先程の戦闘を思い出すように呟く。
 そう、それもまた1つ。
 さっきの像のシャドウは、特に弱点らしい弱点はないという、万能型のシャドウだった。
 結果として、それがゆかりと荒垣にとっては非常に戦いにくい相手となった訳だ。
 ゆかりは、多少だが落ち込んだ表情を見せる。
 現在最強のペルソナ使いという自負もあるだろうゆかりにとっては、像のシャドウとの戦闘は色々と納得出来るものではなかったのだろう。
 荒垣の方も今の戦闘が上手くいかなかったのは事実だが、そこまで落ち込んだ様子を見せない。
 これは基本的にムッツリとしている――という表現は誤解を招くが――荒垣だけに、そこまで動揺や衝撃を露わにしていないといったところか。

「別に今回の戦いは、ゆかりや荒垣の腕が未熟だったとかじゃなくて、純粋に相性の問題だろうしな」

 実際、あの状況をどうにかするのであれば、ガル以外の攻撃魔法をイオに使わせるとか、相手の防御力を下げるといった補助魔法を使うようにする必要がある。
 有里のようにペルソナチェンジという能力があればまだしも、ゆかりや荒垣にそんな真似は出来ない。
 つまり、将来的に覚える可能性はあれど、今はまだどうしようもなかったというのは、間違いのない事実なのだ。であるならば……

「ペルソナでどうしようもないのなら、それ以外の方法でどうにかする方法を考えた方がいいだろうな」
「具体的には?」

 問い掛けるゆかりの視線に、俺は空間倉庫から幾つかの宝石を取り出す。
 勿論これは普通の宝石という訳ではなく、桐条グループで解析をして貰った、魔法の込められた宝石だ。
 中にはそれこそ先程戦った像のシャドウに対して有効だろう魔法が込められている宝石もそれなりの数がある。
 正直なところ、タルタロスで見つけた魔法の宝石は、お土産としか考えていなかった。
 だが、20階、30階といった風にかなりタルタロスは長く、それでいて魔法の込められた宝石が入った宝箱はかなりの確率で各階に存在している。
 であれば、取りあえず必要な分だけの宝石は確保しておいて、残りは戦闘で使っても問題はない。

「いいの? それってアクセルの取り分でしょ?」
「まぁ、ゆかりが怪我をするよりはな」
「……馬鹿」

 何故かゆかりが視線を逸らしつつ、そう告げてきた。
 何だ? と疑問に思ったが、ともあれ今はこのマジックアイテムの事だ。

「勿論、数に限りがある以上、そうほいほいと使う訳にはいかないけどな。それでも、いざって時には躊躇なく使えるように、それぞれ何個ずつか持っていた方がいいと思う」
「そうだな。いざって時の切り札があるのなら、俺も助かる」

 荒垣も俺の言葉に頷き、幾つか効果の判明している宝石を手渡していく。
 もっとも、ゆかりや荒垣は俺みたいに空間倉庫がある訳ではない。
 そうである以上、この宝石を自分で直接持っておく必要がある訳で……
 下手をすると、面倒な事になりそうな気がしないでもない。

「さて、取りあえず休憩はこの辺でいいだろ。後はいつものパターンなら宝箱がある筈だが……」

 そう言いながら周囲を探し回ると、やがて宝箱を発見する。
 中から現れたのは、強力な魔力を感じる液体の入った瓶と、宝石が2つ。
 いや、この液体には負けるが、宝石の方もかなり強力な効果を持っているのは間違いない。
 だが、これは迂闊に使うのも勿体ないしな。やっぱり桐条グループの方で調べて貰うのが最善の選択だろう。

「この宝石、見ただけで普通じゃないって分かるんだけど」
「ああ、間違いなくその辺にある宝石……どころか、俺達がさっきアルマーに貰った宝石とも比べものにならないだけの力を秘めてるのは間違いねえ。もっとも、それが具体的にどういう効果なのかってのは、わからねえけどな」

 ゆかりと荒垣の2人も、見ただけで液体や宝石がどれだけ希少な物なのか分かったのだろう。
 そんな呟きを漏らす。

「宝箱も見つけたし……後はそろそろ戻るとするか。桐条にこれを調べて貰う件も頼まないといけないしな」

 そう呟き、液体と宝石を空間倉庫の中に収納するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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