MS Operative Theory
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
内部図解
コア・ブロック・システム①
——データ回収用から多様性MSシステムへ、コア・ブロック・システムの変遷——
コア・ブロック・システムとは、MS内蔵式の脱出用航空/航宙機機構である。
通常のMSは、脱出装置として射出式のシートや「イジェクション・ポッド」と呼ばれる射出式コックピット・モジュールを採用している。これらの脱出装置は、旧世紀において戦闘機などに採用されていた射出シートの系譜に属するもので、大気圏内では射出シート、宇宙空間ではイジェクション・ポッドが使用されるケースが多い。また、ベスパのゾロ系MSは、ヘリ形態時の機首部分が脱出装置となっている。
MSへの脱出装置の搭載は、育成に長い時間と多くの資金を必要とするMSパイロットの損失防止やパイロットの士気を維持するために、必要不可欠な措置といえる。しかし、パーソナル・スペース・ポッドと呼べるイジェクション・ポッドに自走能力は殆ど無く、自力での帰還が極めて難しいという問題があった。また、MS内のデータバンクに保存された戦闘データの回収が困難である点も問題視されていた。特にデータの回収は、試作MSにとって大きな問題とされ、地球連邦軍初のMS開発プロジェクト「RX計画」では教育型コンピューターに蓄積された戦闘データの回収策が模索された。この中で実用化されたシステムが「コア・ブロック・システム」である。
「RX計画」では、航空/航宙戦闘機FF-X7(コア・ファイター)をMSの胴体内中央モジュールであるコア・ブロック・システムとして採用した。MS時のコア・ファイターは、機首や翼を折り畳んだ「コア・ブロック」として胴体内に収納され、緊急時にはコア・ファイターによる離脱を可能とした。これにより、緊急時におけるデータ回収率は大きく向上することとなった。また、コア・ブロック・システムは、当初の目的であったデータ回収だけでなく、パイロットの生存性の向上や、コア・ファイターを用いるMS間の互換性を高めるといった効果も発揮した。
しかし、構造の複雑化に伴う高コスト化や脆弱性、MS時におけるコア・ファイター関連装備のデッドウェイト化などから、量産MSへの採用は見送られた。ただし、戦闘データの回収やパイロットの生存性の向上といったメリットのため、コア・ブロック・システムは、U.C.0080年代前期の「ガンダム開発計画」やU.C.0080年代後期の「Z計画」、U.C.0100年代の「フォーミュラー・プロジェクト」において、試作MSに採用されている。さらに、U.C.0149に開始されたリガ・ミリティアの「V計画」では、コア・ファイターを中心に各ユニットを使い分けるマルチブルMSが開発された。これにより、コア・ブロック・システムはより拡張性の高いシステムとして完成した。また、各種装備のデッドウェイト化を避けるため、MSとコア・ブロックの合体方式は、垂直式から水平式へと移行していった。
補足事項
——コア・ファイターの拡張性——
MSとのドッキング機構や各部の収納/折り畳み機構を持つコア・ファイターは、そのギミックを利用し、脱出用の航宙/航空機以上の性能を獲得することになった。特に増加兵装/推進器と接合したコア・ブースターは、小型MAともいえる性能を発揮した。
▼コア・ブースター
初のコア・ファイターFF-X7に、兵装一体型増加推進器を装備した多目的戦闘機。大気圏内、宇宙を問わず運用可能であり、兵装もメガ粒子砲2門、多弾頭ミサイルを装備した。
▼Vダッシュ・コア・ブースター
Vガンダム用コア・ファイターと、Vダッシュ用オーバーハング・キャノンを接続した戦闘機。オーバーハング・キャノン自体はブースターとなっており、小型ビーム砲2門を装備する。
ページ上へ戻る