ドリトル先生と春の花達
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第十二幕その二
「やっぱりお握りにしました」
「日本のお花見だからだね」
「何と言いましても」
「やっぱりそうなるよね」
「はい、ただおかずはです」
そちらはといいますと。
「野菜のお浸しや卵焼きもありますが」
「海老フライ、唐揚げ、ハンバーグとか」
「そうしたオードブル系はです」
「他の国のお料理だね」
「そうしました、お花見でよく食べるので」
だからというのです。
「そうしました」
「成程ね」
「じゃあ今から」
「うん、行こうね」
「王子は学校の正門で待っているそうです」
「僕にも連絡してくれたよ」
携帯でそうしたのです。
「そして日笠さんもね」
「連絡入れてくれたんですね」
「今から迎えに来てくれるってね」
「それは何よりですね」
トミーは先生の言葉に笑顔で応えました。
「じゃあもうすぐですか」
「そうだと思うよ、もう出発の準備は出来たし」
「日笠さんをお待ちしましょう」
「そうしようね、ただトミーの今の喋り方だと」
先生はあることに気付きました、その気付いたことはといいますと。
「トミーは日笠さんから連絡受けてないんだね」
「ないですよ」
にこりと笑って返したトミーでした。
「先生にだけですよ」
「あれっ、そうなんだ」
「よかったですね」
「よかったのかな」
「はい、よかったですね」
トミーの笑顔はにこりとしたままでした。
「本当に」
「そうなのかな」
「はいはい、もうすぐだよ」
「日笠さん来られるよ」
「先生待っていようね」
「そうしようね」
動物の皆はここで先生に言いました、それまでは先生の周りでじtgとしているだけでしたけれど。
「もう日笠さんならすぐだから」
「時間は守る人だし」
「先生のことなら特にね」
「そうしてくれる人だし」
「待っていようね」
「出る準備を整えて」
「それじゃあね、しかし何か皆も」
また言った先生でした。
「妙に言うね」
「そりゃ言うよ」
「先生のことなんだから」
「僕達もね」
「是非そうするよ」
「全く先生ときたら」
「そこでそうした反応だから駄目なのよ」
こう言います、ですが。
先生は気付かないままでこう言うのでした。
「桜の前後はよくこう言われない?僕は」
「春だからね」
「何とやらの季節だから」
「一年中言ってるけれど」
「確かにこの季節よく言ってるよ、僕達」
「日笠さんのことをね」
「そうだね、何でかわからないけれど」
それでもというのです。
「まあとにかくね」
「うん、お花見行こうね」
「お酒も用意してるし」
「それじゃあだね」
「楽しく飲もうね」
「そうしようね」
「うん、お酒は日本酒だね」
このお酒だというのです。
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