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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1916話

 荒垣とラーメンを食べに行った翌日。
 今日も当然のようにテストなので、学校に向かう者の表情が明るいものはそう多くはない。
 単純に授業時間だけで考えれば、午前中だけで終わるのだから寧ろ喜んでもいいと思うんだが……そんな風に思っている者は、俺を含めてそう多くはない。
 それは、俺の隣を歩いているゆかりも当然のようにどこか浮かない表情をしていた。

「どうしたんだ? 別にゆかりはそこまで成績が悪いって訳じゃないだろ?」
「それはそうだけど、テストってどうしても好きになれないのよ」

 俺が知ってる限りだと、ゆかりの成績は中の上、もしくは上の下といったところだ。
 成績優秀者として張り出されるところに、名前が載った載らなかったりといったところか。
 そんなゆかりだったが、今回はきちんと勉強会で勉強をした事により、それなりに手応えはあっていい筈だと思うんだが。
 勉強会は三馬鹿に教える為に行われたものだったが、だからといって、俺達も何も勉強していなかった訳ではない。
 三馬鹿が分からないところがあれば教えたが、そうでない場合は自分の勉強に集中する事も出来る。
 それだけに、ゆかりもきちんと勉強会で自分の勉強は出来ていたのだ。
 実際、今回のテストはそれなりに手応えがあるって話だったし。

「そうか。……うん?」

 ゆかりと話ながら歩いていると、少し離れた場所を歩いている有里の姿を発見する。
 それは有里の方でも同様だったのだろう。
 俺とゆかりを見つけると、有里が近寄ってくる。
 ……例の気の弱そうな女を連れて。

「アルマー、昨日はありがと」
「あ、その……ありがとうございます! これで助けられたのは2度目ですよね?」
「……ん? 2度目?」

 改めて女の方を見るが、昨日有里と共に不良に絡まれていた奴だ。
 幸いその不良は、ポートアイランド駅の裏を溜まり場にしている不良で、俺の事も知っている奴だった。
 おかげで有里が俺の知り合いだというのを教えると、即座にその場から逃走したのだ。
 ……個人的には追っていって倒して、戦利金を入手してもよかったんだが、逃げ足が早かったのと、表通りに逃げてしまった為に諦めるしかなかった。
 ともあれ、昨日の一件は俺が特別何かをやった訳でもない以上、特に期する必要はないんだが。
 にしても……2度目? 俺、前にこの女と会った事があるのか?
 女の言葉に首を傾げていると、向こうも何故俺が不思議がっているのかに気が付いたのだろう。少し照れた様子で口を開く。

「その……前に空き教室で苛められているところを助けて貰ったので……」
「……あったか?」

 そう告げると、何故か女は無言で俯く。

「ちょっと、アクセル。あんたこの子に何をしたのよ?」
「いや、何をしたというか……した事を覚えてないらしい」
「その、本当に……覚えてないんですか?」

 ゆかりと俺の会話に割り込むように声を掛けてくる女。
 だが、俺はそんな女の言葉に、頷きを返すしかない。

「残念ながら覚えてない。どこかで会ったか?」
「あー……うん、そうですか。覚えてませんか。……その、とにかく、以前助けて貰ったことがあるというのだけ覚えていてくれればいいですから」

 がっかりとした様子を見せてそう告げてくる女に、俺は取りあえずという事で頷いておく。
 まぁ、俺が覚えてなくても向こうが覚えているらしいし、それ以上は特に何かを言う必要もないだろう。……多分。

「まぁ、話は分かった。……で、改めて聞くけど、お前達はどういう関係なんだ?」

 見たところ、有里はこの女と一緒に行動しているように思える。
 であれば、もしかして付き合ってるのか? と思わないでもなかったが、有里と女の間に甘い空気の類はない。

「うん、僕と山岸の関係って何なんだろうね」

 どうやらこの女は山岸というらしい。
 そうして視線を向けると、山岸の方は自分が自己紹介していなかったことに気が付いたのだろう。
 少し慌てた様子で口を開く。

「その、私は山岸風花といいます。よろしくお願いします」
「俺はアクセル・アルマーだ」
「私は岳羽ゆかり。よろしく」
「はい、岳羽さん達は凄く有名なカップルなので、知ってます」
「違うわよ」

 もう否定するのも面倒になった……といった感じで、特に力を入れた様子もなくゆかりが否定する。
 他の奴にしてみれば、こうして毎朝一緒に通学しているのを見ると、そう勘違いしてもおかしくないんだろうな。
 だが、山岸はそんなゆかりの言葉に、驚きの表情を浮かべてこちらに視線を向けてくる。

「え? そうなんですか?」
「そうなるな」

 がーん、と。
 何故かそんな声が聞こえてきそうな様子でショックを受けている山岸。
 いや、何でそこでお前がショックを受ける?
 そんな疑問を抱いていると、有里が口を開く。

「とにかく、昨日はアルマーのおかげで助かったのは事実なんだ。昨日の様子を見ると、もう僕の前には現れないだろうし」
「……だろうな」

 昨日の不良達は俺の事を知っていた。
 そして俺が有里と知り合いなのも、昨日の一件で知った。
 そうである以上、俺の知り合いの有里の前に再び姿を現すかどうか。
 有里と考えながらそんな事を考えていると、ふと視線を感じた。
 いや、視線という意味でなら、学校に向かっている今の俺達でも十分感じているのだが。
 有里とゆかりはかなりの有名人だし、俺も何だかんだとそれなりに目立つ。
 である以上、色々と視線を向けられるのは分かるのだが……俺が感じた視線は、興味深い相手に向けるものではなく、負の要素が詰まった視線だった。
 憎悪や憎しみ、嫉妬……そんな視線。
 勿論ゆかりと一緒に行動している以上、俺にそのような視線が向けられる事は珍しくはない。
 ゆかりは月光館学園の中でもその人当たりの良さと整った顔立ちから、かなりの人気があるのだから。
 ……身体も、女子高生としては十分に平均以上だし。
 ともあれ、そのようなゆかりだからこそ、そのゆかりと一緒にいる俺に嫉妬の視線が向けられるのは珍しくはない。
 だが、今の視線はもっと違うものだ。
 その視線が誰からのものなのか気になり、周囲を見回す。
 すると、少し離れた場所を歩いている3人の女を発見した。
 まだ春だというのに、既に日に焼けており、髪も脱色している。
 ……まぁ、日に焼けているのはともかく、髪の色に関しては、この世界では桐条みたいに赤い髪の持ち主もいるのだから、もしかしたら地毛の可能性もあるが。
 ただ、そんな女の周囲にいる他の2人も同様に日焼けして髪が同じ色なのだから、恐らく染めているので間違いない筈だ。
 最初に視線が合った女は、俺が見ている事に気が付き、そのまま他の2人を引き連れて足早に校舎の中に入っていく。
 あの女、どこかで……そう思い、以前空き教室であった事を思い出す。

「ああ、山岸ってあの時の……」

 その言葉に、ゆかりと話していた山岸が俺の方を見る。

「思い出してくれたんですか?」
「ああ、まぁな。……なるほど、それで有里が一緒にいるのか」

 有里と山岸は別に付き合っている訳ではないと言っていた。
 であれば、何故一緒にいるのかと疑問に思ってたんだが……なるほど、そういう訳か。
 どういう理由でそうなったのかは分からないが、有里は山岸の護衛……というのはちょっと大袈裟だが、とにかくそんな感じなのだろう。
 俺が見た時は、山岸は苛められても特に不満を口にしていなかった事もあってそのままにしてきたんだが、あれから考えでも変わったのか?

「はい。その……有里君には助けて貰ってます」
「……面倒だけど」

 いつものようにそう告げる有里だったが、そう言う割には山岸を見捨てるような真似をしていない辺り、説得力がないよな。
 何が有里をその気にさせたのかは分からないが、ともあれ有里にとって山岸はいい友人……もしくはそれ以上の存在といったところか。

「ふふっ、よろしくお願いしますね。今度またお弁当を作りますから」
「いらない」

 うん? 山岸が弁当を作るといった瞬間、即座にいらないと言い切ったな。
 有里にしては珍しい行動だ。

「有里?」
「ううん、何でもない。ただ、ちょっと……」

 そっと視線を逸らす有里だったが、そんな有里の様子に何か思うところがあったのだろう。
 山岸は少しだけ不満そうに頬を膨らませる。

「有里君、私は同じ失敗は繰り返さないよ。今度は大丈夫」
「……クッキーの時もそんな事を言ってたような気がする」

 そう告げる有里の様子に、何となく事情を理解した。
 恐らく山岸は、料理が苦手なのだろう。
 それが具体的にどれくらい不味いのかは分からないが、それでも有里の様子を見る限り相当のものなのだろう。

「……」

 そんな有里達の様子を見ながら、俺は隣を歩いているゆかりに無言で視線を向ける。
 無言ではあったが、その視線が何を意味しているのかは、すぐに分かったのだろう。
 ゆかりは不満そうな様子で口を開く。

「ちょっとアクセル。別に私は料理が苦手って訳じゃないわよ?」
「あー、そうだな。まぁ、取りあえずそういう事にしておくか」
「ちょっと、何よその、そうしておいた方が後腐れがないからそうしておこうって、言い方は」
「いや、だって……なぁ?」

 目を吊り上げて怒りを露わにするゆかりの前で、俺は有里に話し掛ける。
 だが、その有里は面倒臭そうな様子を隠さずに口を開く。

「アルマー達の痴話喧嘩に、僕を巻き込まないでくれよ。ただでさえ山岸さんの攻撃でダメージを受けてるのに」
「え? ダメージ? やっぱりその……私の作った料理……美味しくなかったですか?」

 ウルウル。
 言葉にすればそんな風に表現するのが相応しいように、上目遣いで有里を見つめる山岸。
 そんな山岸の言葉に、有里はしまったという表情を浮かべ、俺を責めるような視線で見てくる。
 いや、自爆したのはお前だろ。

「ちょっと、痴話喧嘩って何よ、痴話喧嘩って。……いいわ、今度アクセルには料理を作ってあげる。山岸さん、一緒に協力して有里君にもしっかり女の意地を見せましょう」
「え? 私もですか? でも、その……」

 ゆかりの言葉に惹かれてはいるようだが、有里に負担は掛けたくない。
 そんな山岸の視線に、有里は面倒そうに溜息を吐く。

「好きにすれば? 作ってくれれば、食べるから」
「本当ですか!?」

 素っ気なく言う有里だったが、山岸は何故か嬉しそうにそう告げる。
 女子力って意味だと、山岸の方がゆかりよりも上なんじゃ?
 そう思ったが、ゆかりがこっちに視線を向けてくるのを察すると、すぐにそれを考えるのを止める。
 何だかんだと、女の勘は鋭い。そう思っていたからだ。

「いいわ、じゃあテストが終わったら、私と山岸さんで料理を作るから、それをアクセルと有里君に食べて貰いましょう。それでいいわよね?」

 そう言い切るゆかりの視線が、有里と山岸に向けられる。
 いや、いいのかそれ。
 ……まぁ、基本的に俺の場合は不味い料理を食べたからといって、特に何か被害がある訳でもないし、別にいいのか?
 勿論不味い料理を食うのが嬉しい訳ではない以上、面白くないのは事実なのだが。

「あー、どうする? 俺は別に構わないけど」
「え? うん、そうだね。……2人には悪いけど、2人がいいようならお願いするよ」

 何故か沈痛な表情を浮かべてそう告げてくる有里。
 おい、一体何でそんな事をいきなり言い出したんだ?
 もしかして、山岸の料理は劇毒になったりとか、そういう事はしないよな?
 ……い、一応、俺の身体は物理的な攻撃は無効化される以上、毒物とかでも効果はない筈だが。
 まさかそこまでの事は……ないよな?
 微妙に不安になるが、ともあれ折角手料理を作ってくれるというのだから、ここは楽しみにしておこう。
 俺達の話が漏れ聞こえたらしい相手に、嫉妬の視線を向けられているし。
 向こうにしてみれば、ゆかりの手料理を食べられるなんて羨ましい! ってところか。
 もしくは山岸の料理を羨ましいと思っている奴がいないとも限らない。
 かなり内向的な性格をしている山岸だが、顔立ちは結構整っている。
 ゆかりや桐条程ではないにしろ、男に人気が出てもおかしくはない。
 もっとも、その内向的な性格が、その辺にブレーキを掛けているような気はするが。
 苛められている自分に満足していた筈だけど、有里も何を思って山岸と一緒に行動するようになったのやら。
 ……その辺が気にならないかと聞かれれば、間違いなく気になると答えるだろう。
 山岸にとっても、有里という存在と一緒にいるのはかなりのプレッシャーの筈だ。
 実際、今も何人かの女が有里と一緒にいる山岸に向かって敵意……とまではいかないが、それに近い視線を送っているのだから。
 ちなみに有里と一緒にいる女となると、ゆかりもそうなのだが……ゆかりの場合は、俺と一緒にいる事も多いので、特に問題にはされていないらしい。
 そんな事を考えながら、俺達は月光館学園に向かって進むのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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