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レーヴァティン

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第三十四話 大魔術師ガンダルフその六

「御前さん達のことは知っておった」
「そうだったのか」
「しかもな」
「しかも?」
「この者にも会っておったしのう」
 久志に淳二を見て話した。
「そのことでもな」
「知ってたんだな」
「御前さん達のことはな」
「そうした人間がいるってか」
「そうじゃ、そしてこの島を救う為に戦う」
 このこともというのだ。
「読んでおった」
「そうか、じゃあな」
「ここに来るとは思っておらんかったがな」
 久志達がというのだ。
「しかしな」
「いることはわかってたってことだな」
「うむ、それでじゃな」
「六人目の話を聞きたいんだよ」
 ガンダルフにダイレクトに言った。
「今は五人まで来てくれたぜ」
「それでじゃな」
「残り七人、そして六人目の情報を知りたいんだよ」
「わしが知っているかどうかか」
「それを聞きたくて来たってことさ」
 こうガンダルフに話した。
「要するに」
「わかった、実は一人知っておる」
「それはいいな」
「一人だけじゃが」
「いやいや、その一人が有り難いんだよ」
 残り六人のことは知らないと申し訳なさそうに言うガンダルフに確かな顔で言った、声も確かなものだった。
「一人一人こつこつってな」
「堅実じゃな」
「というか一度に全員話が聞けるとか上手い話はそうそうないさ」
 この言葉は笑って出した。
「それよりもな」
「こつこつじゃな」
「一人ずつ集めていくさ」
「そういうことか」
「そうさ、じゃあ聞かせてくれるか」
 その六人目の話をとだ、久志はガンダルフにこうも言った。
「そうしてくれるか」
「うむ、このブロッケン山から来たに行ったところにおる」
「北か」
「そうじゃ、北じゃ」
 そこにというのだ。
「おるぞ」
「北か」
「ここから北は寒い」
 ガンダルフは久志だけでなく他の者達にもこのことを話した。
「だから注意するのじゃ」
「相当な寒さらしいね」
 淳二がその北について述べた。
「おいらも行ったことがないけれど」
「そっちにはないのかよ」
「うん、ずっと他の場所を行っててね」
 そうしていたというのだ。
「お宝を集めていたんだ」
「この島のあちこち回ってるって思ってたぜ」
「いやいや、確かにかなり回ったけれど」
「北はか」
「寒いって聞いていてそれなりの用意をして行こうと思ってたんだ」
 つまり防寒対策を整えてそのうえでというのだ。
「そう思っていたけれど」
「それがか」
「そう、その前に皆と会ったから」
 だからだというのだ。
「北には行ったことがないんだ」
「そうだったんだな」
「相当な寒さでオーロラも出るらしいよ」
「オーロラか」
「夜にはね」
「そうじゃ、わしも時々水晶で見ておる」
 ガンダルフがここで話してきた。
「オーロラはな」
「奇麗だっていうけれどな」
「この世のものとは思えぬ、そしてな」
「その六人目のこともか」
「水晶玉で見てな」
 それでというのだ。
「知っておるのじゃよ」
「たまたま見てか」
「顔が御前さん達と同じ感じなので目立った」
 つまりアジア系の顔立ちだというのだ。 
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