世界をめぐる、銀白の翼
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第七章 C.D.の計略
謎ライダーの人物
ちゃぶ台に両肘を乗せ、体重を預ける男、幡鎌。
立ち上がりそれを警戒する天道に加賀美。
もしこの男が、自称通りマンティスワームだというのならば非常にまずい。
マスクドライダーマンティス。
マンティスワーム。
決して無関係ではないだろう。
敵にゼクターを奪われている以上、こちらは生身で受けねばならない――――
「なんだい?ほら、この通りだ」
フシュゥン・・・という音と共に、幡鎌の身体が歪んでワームへと変貌する。
なるほど。確かに、カマキリの特徴を得ている、マンティスワームだ。
だがだから何だ。
それが証明されることのほうが、彼らにとっては何よりも不利な――――
「というわけで、私の手の内は見せた。君たちはあれだろう?緑のライダーのことを聞きに来たわけだ」
――――状況、にはならなかった。
再び幡鎌は人間の姿へと戻り、ほらお茶冷めるよ、と二人になおも接してきた。
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「つまりお前は、ライダーではないということか?」
「そうなるね」
幡鎌はネイティブだ。
ガタックやカブトの者に限らず、キャストオフ機能を備えたライダーのゼクターは、確かに彼らの上位種ならば呼び出すことも使用することもできる。
と、なれば彼は上位のネイティブということになる。
「加賀美君。君は昨日の午前に、ある現場に行ったね?」
「あ、はい・・・・」
「あれは我々の研究所だった」
「な・・・・」
幡鎌の口から、ホイホイと事実が明らかにされていく。
まるで、結末や内容を小説でではなく、箇条書きで説明される推理物のようである。
「まず最初に、あれは私ではない。ネイティブの中でも過激派の残党だ」
あれ、というのはライダー・マンティスの事だろう。
人類を支配しようとしたネイティブの過激派は、カブトとガタックが、蒔風を連れて潰したはず。
まだあきらめていなかったとは、驚きだ。
「変身しているのは?」
「冠木慎太。っていっても、姿は擬態したものだし名前も自分でつけたものだが」
そういって幡鎌が出してきた写真は、見るからに
「切れ者、っていう感じだな」
「事実切れ者だよ、そいつは。そしてここの線も二、三本キレている」
そういって、コツコツと頭を叩く幡鎌。
つまりイカレているか、異常な程に正気かのどちらかだ。
「アイツの考えは危険だ。今の我々のその世界を脅かす存在だ」
「・・・・待ってくれ。じゃあつまりあんたらは、穏健派・・・人類との共存を望むネイティブってことでいいんだな?」
「その通り。争いなど、我々の望むことではない。無論、ワーム種のネイティブとしての誇りや、自尊心は持ち合わせている。だが、人類がどうの我々がどうのという思想はない。この星で、生きていけるのだからそれでいい」
「だったら、俺の調べていた施設の、ネイティブがやられていた痕跡っていうのは」
加賀美の言葉に、コクリと頷く。
あれは、幡鎌の同志がやられた跡だったのだ。
と、なれば彼のあの慎重さもうかがえる。
ライダーに襲われ、それの生き残りである彼は狙われていると考えていい。
おそらくは室外に人の気配を感じると、クロックアップでその気配を消していたのだろう。
加賀美が中を探っていたのは変身もしていない状態だったから、気づかないのも無理はない。
「なるほどな・・・・そこをあのライダーに襲われてしまった、ということか」
「そうだ」
「アイツはなんなんだ?どこであんなシステムを手に入れたんだ?」
冠木慎太、という名はわかっても、それ以上のことがわからない。
直接戦った彼ですら、はかり切れてなかったのだ。
「・・・・加賀美。戦闘中の話をよく聞かせてくれ」
「ん?ああ・・・・でもそんなに話すことはないぞ。あれは・・・・」
そう、あれはあっという間の出来事だった。
携帯を閉じ、電源を切り、バンの中に返してから施設内へと戻っていく。
鼻歌交じりにあるいていくが、そこに自分を捕まえようと左から襲い掛かる腕があった。
それを転がって回避し、普通ではない敵意とエネルギーを感じ取った加賀美は即座にガタックに変身、キャストオフ。
更にクロックアップまでして、戦闘に挑んだのだ。
結果として、全身を叩きのめされ、地に伏せることになったのだが。
会話と言えば、自分が倒れた後。
『マスクドライダー・ガタック。お前だけは手に入れないと、残られても面倒だからな』
『貴様らのシステムでは俺には勝てん。そも、人間が俺には向かうのが間違いだ』
『凄いな。さすがは戦いの神。高スペックに救われたな。人間』
「アイツは極限にまで自分主義だ。自分を超える者はいないと思っているし、ネイティブですらあいつは自分よりも劣っていると思っているくらいだ」
「へ・・・ぇ・・・・」
幡鎌の言葉に、加賀美が視線を逸らす。
なんだかどこかで見てきた誰かに似ていると思ったからだ。
「・・・なんだ?」
「いや、なにも」
「・・・・ともかく、あいつの居場所を特定しないとな」
「無理だな。あのシステムには追跡装置の類はついていない。あちらから姿を現さないと、見つけるのはまず無理だ」
「・・・・詳しいんだな」
即座に意見を出してくる幡鎌に、天道が眉をひそめて漏らした。
対して、幡鎌は口をつぐんだ。
何が都合の悪いことでもあるのか。
だが、そんなことを言っている場合ではないなと、幡鎌は口を開いた。
「当然だ。マスクドライダー・マンティスは、我々があの施設で製造、研究していたものだからな」
数年前。
人類をワームへと変貌させる、全人類ワーム化計画。それによる地球支配計画。
ZECT評議会、即ち人類との共存を反故にしようとしたネイティブの一派の中心人物、根岸。
彼らが企てたその計画を、天道たちが粉砕した。
残った過激派ネイティブは、諦めるか、若しくはさらに闇へと潜った。
対して、共存を受け入れこの星で生きていくことにしたネイティブたちも、少なくない割合で存在していた。
だが、彼らにとってはいまだ脅威と言える社会だ。
向こう側の気を付けるべきこと、こちら側の気を付けるべきこと。問題は山積みだったが、それらはいずれ解決できると彼らは信じていた。
しかし、そんな信頼だとか思想だとかではどうしようもない問題が、彼らにはあった。
前にも説明した「赤い靴」のことである。
テレビの映る、「EARTH」の活躍。そこに加わる、カブトやガタック。
それらの活動に人々は喜び、もちろん彼らも喜んではいた。
だが、同時に脅威を感じてもいた。
もしもあれだけの力を持つライダーが、自分たちに襲い掛かったら我々はおしまいだ。
「誰がそんなことするか!!オレ達は特別ワームが敵だなんて」
「そんなことを言って、君たちのライダーシステムは一度暴走を引き起こしていた。違うか?」
知り合いにワームが何人かいる加賀美からすれば、いずれ自分たちを排除するのではないかと言われることは心外だった。
だが、幡鎌の鋭い視線に何も言い返せなくなってしまうのだ。
確かに、赤い靴システムは危険だ。
一度発動すれば、カブトとガタックの二大ライダーはワーム種の殲滅にとりかかるだろう。
ネイティブの多くは、その必要性の無さからサナギ体だ。
彼ら二人がクロックアップで襲い掛かったら、それすらわからずに殺される。
今は抑えたとはいえ、ZECTはいまだそのシステムのスイッチを握っている。
そうでなくとも、システムが暴走したらどうなるのだ?自分たちを守るものは?
サソードやザビー、ドレイクならば、確かにネイティブが変身できるからいいかも知れない。
だがそのゼクターも、ネイティブの指示よりもカブトのパーフェクトゼクターの招集のほうを優先するのだ。安心などできるものか。
「だから、我々は自らを守るための、緊急装置としてのライダーシステムの製造に取り掛かった」
そう。
それは、人類がワームと戦うために作り出した既存のものとは違い、ワームが同族を守るために作り出す、新たなシステム。
それが、マスクドライダーシステム・マンティスだった。
「あれの製造には、私のデータが使われている。あれと私が同じ昆虫なのは、そういうことだ」
「それを、奪われたということか・・・・」
「どおりで強いはずだ・・・・なんてったって、俺と天道を抑えるためのライダーシステムなんだからな・・・」
「その通りだ」
幡鎌の語るマンティスのスペックは、それだけですさまじいものだとわかる。
加賀美の言う通り、マンティスは元々ライダーシステムの最高傑作であるカブトとガタックを止めるためのシステムだ。故に、そのスペックは最高値に設定されている。
単純な徒手空拳一発で軽い必殺技程の威力がある(単純攻撃力でカブトのライダーキックの2/3程)
ただしその強大なスペックの反面、使用できるネイティブは限られている。
並のネイティブでは、変身はできるがその後の副作用で死に至ることがある(最低でも蛹体に戻ってしまう)。
人間では変身できないよう設定されているため、使用不可(とはいっても、これはネイティブ側の措置であり、エラーではじかれなければタオキン粒子に侵され人間の身体は急速老化し消滅する)、ということだ。
「・・・・それで、奴は何のワームなんだ?」
「・・・・ワームのモチーフになっているのは、この星の昆虫であることは知っているな?」
「そうだな。稀に甲殻類も入るが」
「奴は、その中でも特に異端の存在だ。異端中の異端。君たちの最終決戦に、彼が投じられなかったほどだからな」
「そうだろうな。ネイティブすら下に見る奴だ。あの根岸や三島共に扱いきれるものではないだろう」
「ああ。奴はドラゴンワーム。地球で言うと、蜥蜴だ」
たかだかトカゲというのにも関わらう、ドラゴンワームとは奴の自尊心も相当だ。
だが、そこまで聞いて加賀美が青い顔をして天道に振り返っていた。
「やべぇ・・・・」
「どうした加賀美」
「今思い出した・・・・・おれ、あいつと戦おうとしてハイパーゼクター出したんだ」
「・・・・おいまさか」
「とられてた」
瞬間、加賀美と天道の視界がぶれた。
気づくと、二人はマンティスワームとなった幡鎌の脇と肩に抱えられて、マンションのベランダから眼下の駐車場へと落下していた。
そして、彼らが今までいた部屋がめちゃくちゃに破壊されて吹き飛んでもいるのも見た。
「な!?」
「口を開くな!!舌噛むぞ!!」
ダァン!!
幡鎌の声に口を閉じると、二人を抱えた彼が地面に着地する。
二人は降ろしてもらうと、同時に五階の幡鎌の部屋を見上げた。
吹き飛ばされたショックで吹き上がった煙の中に、ユラリとあらわれる異形の影。
太い脚、逞しい腕、鋭い爪。
さらには頭部から後ろに向かって、角が五本ほど伸びている。
なるほど。確かにアイツは、リザードというよりドラゴンだ。
その影は、煙が晴れると同時に人の姿のものへと戻っていく。
そして飛び降り、両足をそろえた姿勢で着地した。
「冠木!!」
「よぉ。幡鎌」
現れた男は、古風というのがあっているような男だった。
とはいえ、あくまでもそれは「雰囲気」の問題で、服装は思い切り洋風だ。
黒い革ジャンに、グレーのGパン。
さらに靴は黒いブーツと、黒系で攻めている。
しかも、髪は金髪で、ブーツもカチャカチャと音を鳴らすほどに金属パーツがつけられている。
「貴様、この世界をどうするつもりだ・・・・ネイティブも人類も・・・すべての種族を滅ぼす気か!!!」
「総てを滅ぼす?そのようなことはしない」
ズチャリと足音を鳴らしながら、アスファルトを踏んで近づく冠木。
彼は、まるで演説するかのように軽く手を振りながら話し出す。
「貴様らネイティブは、俺よりも劣っている。とはいえ、それは俺基準に行ったことでな。さすがに同族。言うほど悪くはない。故に、ネイティブによる世界支配は大いに賛同だ。俺はその世界のために、他の種族を滅ぼす」
「そのためにお前は人類も、何もかもを滅ぼすのか!?」
加賀美の叫び。
だが、その声に冠木は不快そうに顔をしかめて唾を吐いた。
「おい人間。誰が発言の許可をした?俺は今幡鎌と話しているだろうが。我々の会話に無断で入り込むなど――――人間の分際で何を思い上がっていやがる!!」
「ッッ!!!」
突如とした激昂。
その怒声と迫力に、思わず言葉が詰まる加賀美。
だが、その後に冠木は少しばかり愉快そうに笑いだした。
「くっくっ・・・だが、まあ確かにそうだろう。いかに屑な種族である貴様らも、自分たちの行く末だ。知る権利くらいは許そう」
俺の許す範囲だがな、と付け足し、なおも薄ら嗤う。
それはまるで、飼い主がペットに語るかのような、そんな感じであった。
噛み付けば許さぬ。
従順ならば、それでよい。
「この世はネイティブで支配する。だが、その支配者である我らがあくせく動くのは間違いであろう?」
「まさか」
「人類は我々の支配圏の最下層の位置づけとして、延々と奴隷として過ごすがいい。我らのために生まれ、我らのために動き、働き、そして我らのために命を使い果たすのだ」
「貴様・・・」
こいつは、ネイティブによる単一種族による支配を求めているのではない。それは、支配ではなく「統一」だからだ。
人類を最下層として、ネイティブを上位として。そして彼個人を最上位とした世界の構築。それが、この男の目的だ。
「目的のものは、まず一つ手に入れた。あといくつか」
そういって、彼の手にマンティスゼクターが握られる。
バサリと払った上着の下には、いつの間にかライダーベルトが。
「ハイパーゼクター。しかしだ、このシステムは未だ全スペックを発揮しきれていない」
「くそ・・・やはりそうか。天道君、加賀美君!!!」
冠木の考えを察知し、幡鎌は二人の名を呼んでゼクターを返す。
それを受け取り、二人はそれぞれ覚悟を決めてにらみつけた。
「情けない話なのは分かっている。だが、私を守ってくれ!!絶対にあれと私を一緒にしないでくれ!!!」
「「変身!!」」《《Henshin》》
二人が並んで、ゼクターをベルトにスライドして差し込み変身する。
まずはマスクドフォーム。だが、ここで即座にライダーフォームへの変身はしてもいいのだろうか・・・・
一方、それを見て冠木は嗤う。
そして、マンティスゼクターを握る右腕をだらりと下げ、左手をまるで口元を隠すかのように斜めに構えて
「変身」
コールし、スライドしてゼクターを右から入れる。
《Henshin》
装甲が、六角のパネルで展開していきながら全身を覆っていく。
そして出来上がったのは、マスクドライダーマンティス・マスクドフォーム。
その姿は、加賀美も天道も初めて見る。
まるで、サナギだ。
否、元々マスクドフォームはそれを想定されているが、これはあまりにも「サナギ過ぎ」だ。
もはや装甲というよりも殻というのが近いだろう。
そう思えば、カマキリの卵を覆う、あの形に見えなくもない。
胸、肩、背面に分けられてそれらは装着されており、頭部に至っても正面に複眼が見えるくらいですべてを殻で覆われていた。
下半身も同様に、太ももから脛、背面にもそれが回り込んでいる。
歩くと、変身前と変わらず「カチン」という音がした。
それほどの装甲だ。
「天道、気を付けろ。堅そうだ」
「ああ―――――だが、今なら勝機・・・・・!!!」
手負いの加賀美に援護と幡鎌を任せ、カブトがクナイガンを構えて突進していく。
振り下ろされるアックスモードのクナイガン。
だが、それをマンティスは手の平で受け止めていた。
「なるほどな幡鎌!!この人間二人がお前の駒か!!だが驚いたぞ!!まさかカブトにガタックと、二人もそろえてくれるとはな!!」
そういって、ドスンと重い一撃をカブトの腹にぶち込むマンティス。
見もしないその一撃。にもかかわらず、カブトは軽く押し退かされて後退させられてしまった。
「か・・・・マスクドフォームのこの装甲で・・・?」
「特にお前!!ガタック!!昨日あれだけやって立てるとは、なかなかいい素質を持った人間のようだな!!農業用として使ってやろうか!?」
「な・・・めんじゃねぇええええ!!!!」
ボッ!!
「ダメだ加賀美君!!」
「ォォォオオオオ!!」
キュボボボボボボボボボボッッ!!
「フフッ」
ドドドドドドォッッ!!!
「うぉ・・・・」
「全弾命中だぜ・・・・」
肩に装備されたガタックマスクドフォームの特別武装・ガタックバルカンを連続発射。
そのすべてに手応えを感じ、確かなダメージを与えたと確信するガタック。
シュゥゥウ・・・とバルカンの砲口からは煙が上がり、その傍らにカブトが戻ってきた。
ガタックの手ごたえ通り、カブトはそれがすべて命中していることを確認している。
相手が倒れているかはともかく、ダメージは与えたはずだ。
「ダメだ・・・・今すぐにでも逃げるべきだ!!!」
「な」「え?」
だが、幡鎌は違った。
あれだけのダメージを与えたというのに、彼の顔はより危機感に満ちていっていた。
「あれだけのダメージを与えたからこそまずいんだ!!言っただろう?あれは君たちからネイティブを守るためのシステムだ!!つまり、攻撃の為ではない!!」
「どういうこと?」
「・・・・つまりだ」
「つまり!!マスクドフォームで防御し、もしそれで守り切れないほど敵が強かった場合にのみ!!」
「・・・・それに対応するため、ライダーフォームが解禁される、ということか・・・!!!」
「キャストオフ」
ボッボッボッボッボッ、ガシュゥ、ガシュゥン・・・・
ガチリ
《cast off―――》
バシュゥッッ!!!
バルカンの煙の中から、一連の声と動作が聞こえてきた。
そして、装甲が吹き飛ぶと同時にその煙も晴れ、そこに一人のライダーが再び姿を現す。
弾け飛ぶ装甲。
すると、その下に埋もれていたのか、折りたたまれていた二振りの鎌の柄が、彼の背中に上がってきた。
後ろから見ると、さかさまに鎌が背中に張り付いている。
それを掴み、柄どうしを接合して長棒に。
それによって柄も伸びたのか、小型の――草刈りに使う程度の大きさだったそれが、身の丈ほどの鎌になった。
シックルからサイスへ。しかもそのサイス・ツインスライサーは、その名の通り上下にそれぞれ、左右別方向を向いて鎌の刃が取り付けられていた。
もう一組あれば、風車にでもできそうだ。
その武器を掴むマンティスだが、ライダーフォームへの以降はまだ完了しきっていない。
首を太っとく、左右からがっちり覆っていた部分がせり上がり、頭部にまで上がり、マスクのカタチがあの蟷螂特有の逆三角形になった。
そして
《change mantid》
「なかなかいいダメージだった。中まで来たぞ。やはりお前は、いい身体を持った人間だな」
使える、とこぼすマンティス。
あくまでも、格下。
それどころか、ペットか農畜かのような認識しか今だに持ち合わせていないこいつは、ようやく二人のライダーを見て
「抵抗は自由だ。だが勝ち目はないぞ?」
敵意を見せてきた。
そうそれは、噛み付いてきた犬か何かに対する感情のそれであり
「「キャストオフ!!!」」
《《cast off――――》》
《change beetle》
《change stag beetle》
それは、彼ら二人の闘争本能に火をつけた。
to be continued
後書き
わーお、幡鎌さんとマンティスの関係性。
そりゃぁ幡鎌さんベースで作ったらシステムマンティスになりますわ。
マンティスのマスクドフォームは、徒手空拳で戦うだけです。武装はないです。
もともと攻撃用としては作られてないので。ただ、黙ってやられるわけではないです。
それでもどうしても手を出す必要があるのならば、こちらも容赦はできないとしてライダーフォームへと移行承認がでて可能となります。
基本的には被ダメージ量が一定を超えるとですが、相手がクロックアップとかしてきてマスクドフォームで手に負えない場合は、この限りではないですが。
冠木が最下層に人間を据えようとしているのは、ネイティブの反乱を防ぐため。
自分よりも下の存在を意図しておくことで、上(自分)に向くはずの反抗心や不満感を、そちらに向かわせる算段です。
必要悪、というか必要下位といったところでしょうか?
ちょっと違うかもですが、共通の敵を作ることで結束を強めるに近いですね。
つまり、彼は「ネイティブの集団による叛逆」は警戒しているんです。
個人としては完全に上ですが、さすがに数で攻められたら負けますから。
その考えですと、つまるところ「人間などどれほど数を合わせたところで塵芥。物の数ではない雑魚」と考えています。
人間視線だと嫌な奴ですが、ネイティブ(の、それを求める者たち)からすればまあいいんじゃないでしょうか?
まあ根岸だとかのTV編に出てきた奴らは、自分たちの身の危険を考えてこいつを出しはしなかったみたいですが。
ではこの辺で
加賀美
「次回。脅威のマンティス」
ではまた次回
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