真田十勇士
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巻ノ百十六 明かされる陰謀その一
巻ノ百十六 明かされる陰謀
服部は一人屋敷の中に入っていた、まずはだった。
壁を跳び越えそこから即座にだった。
屋敷の中に入った、しかし庭に下り立つとすぐにだった。
伴天連の者達が殺到する、仲には全身を甲冑に覆った者もいる。服部はその甲冑の者を見て言った。
「南蛮具足か」
「何だこの男は」
「一体何処から来た」
南蛮の者達は服部のわからない言葉で話していた。
「外も騒がしい」
「まさか幕府の忍か」
「それか」
「そうなのか」
「何を言っているかわからぬが」
服部は彼等の言葉を知らない、それでこう言った。
「だが邪魔をするなら容赦はしない」
「?来るのか」
「来るつもりか」
「そして奥の密書を取るつもりか」
「そうなのか」
「ふむ」
服部は彼等の言葉はわからない、だが。
彼等の目の動きを見てだ、それで察した。
「奥か、ではそこに進もう」
こう言ってだ、そのうえで。
そこに向かいはじめた、すると。
伴天連の者達は服部に向かった、そうして彼等の言葉で言った。
「来るか!?」
「まさかと思うが」
「一人で来るのか」
「屋敷に入るつもりか」
「ならば」
伴天連の者達は掌から火球や雷を出し槍や鉄砲を放つ、だが。
服部は素早くそういった攻撃をかわしてだ、こう言った。
「無駄だ」
分身の術を使いその姿を無数に増やし敵の目を惑わし狙いを定めさせない、そうしてその身体からだった。
青き炎を出しそれは無数の大蛇となり伴天連の者達を襲った、異国の者達は忽ちのうちにその青い炎に包まれ。
そうしてその中で死んでいく、服部はその彼等の間を駆け去りつつ言った。
「苦しませる趣味はない、すぐに静かに眠れ」
こう言ってその場を駆け去り屋敷の中を進んでいく、だが屋敷の中は広く複雑なまさに城の如き造りで。
堀も石垣も壁も多い、しかも。
敵も多い、異国の者達が次々と襲い掛かって来るが。
服部は炎の手裏剣や刃を出しそれを投げて振るってだった。
その者達を駆け去る様に燃やしていく、そのうえで。
城で言う本丸のところに入った、だがここに来ると相当な敵がいたが服部は彼等にもだった。
炎、今度は巨大な青く燃える鳥を身体から出しそれと一体化して飛んで彼等に突っ込み焼き尽くした、そうして彼等を焼いてからだった。
本丸の屋敷に入った、その中に入るとすぐにだった。
屋敷の大久保の間に入るとその部屋の掛け軸を見てだ、すぐにだった。
その掛け軸を奪い取ると姿を消した、そして瞬時に妖花のところに姿を表して言った。
「終わった」
「手掛かりはなの」
「すぐにわかった」
それがどれか、というのだ。
「それを手に入れてだ」
「帰ってきたのね」
「この様にな」
「じゃあこれでだね」
「帰るぞ」
即座にとだ、服部は妖花だけでなくそこにいる土蜘蛛と幻翁にも話した。
「これよりな」
「じゃあ合図の火を出すね」
「うむ、落ち合う方に向けて放て」
妖花は服部の言葉に頷きそちらに彼女の赤い炎を放った、すると服部と十二神将達は即座にだった。
大久保家の屋敷から姿を消した、そうして。
屋敷から離れた森の中にいた、すると。
そこに服部と十二神将達が揃っていた、服部は家臣達が全員いるのを見て確かな声で言った。
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