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シナリオA MerryChristmas

作者:ponde-ma-lion
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遅刻

【自宅】

 かな子「Pさん!いつまで食べてるんですか!また遅刻しちゃいますよ」
 かな子「事務所の裏に住んでいるくせにプロデューサー一番の遅刻王だって噂ですよね」
 かな子「心さんも天国で泣いてますよ」
 心「おい☆死んでねえぞ☆」

 P「……………………‥‥‥」

 P「…かな子!大事な話があるんだ!」
 かな子「な、何ですかあらたまっちゃって!?」

 P「なんで俺の家に居るの?」
 かな子「鍵が開いてたので」
 P「キョトンとしないでこっちがおかしいのかと思っちゃう」
 かな子「Pさん!私のことを心配して遅刻しそうになってるとしたらPさんは大馬鹿ですよ」
 P「もしそうなら俺もそう思う。けど今はかな子よりも俺の日常生活が心配なんだ」
 P「……いやごめんやっぱりそれ以上にかな子のメンタルが心配だわ」

『prrrr』

 かな子「はい」ガチャ
 P「さも当然のように電話とらないで」
 かな子「あっはい…すぐ行かせますので…えっ?イヤですよーちひろさん…からかわないで下さいよ」
 かな子「ちひろさんからですよ事務所の2階の会議室まで駆け足で来いって!」
 P「この状況で冗談言ってたの?ちひろさんも働き過ぎじゃないかなぁ」


【会議室】

 ちひろ「さて、遅刻の王様もご到着のようですからさっそく本題に入りましょう!」
 ちひろ「ほらPさん!つっ立ってないで早く入って!!」
 P「家からアイドル追い出すのに時間かかってるっていっつも言ってますよね」
 ちひろ「仕事にプライベート持ち込まないでください」
 P「プライベートに仕事押し付けないでくださいよ」
 ちひろ「アイドルとの日常を仕事なんて贅沢ですね」
 P「あれは日常じゃない」
 ちひろ「話が進まないのでそこまでにしてくれます?」
 P「ちひろさん俺が怒らないとか思ってません?」
 ちひろ「怒った所で何ができるんですか?」
 P「泣きそう」
 ちひろ「どうぞー」ジィィィィ
 P「撮らないで、ちょっとほんと撮っ、やめろォーー!!」
 ちひろ「泣きながら怒るなんて器用ですね」
 P「うわぁあああああああああああああ」ガクッ
 ちひろ「ほら皆さん引いてますから泣きやんで」ジィィィィ
 P「くそっ、いつか殺すっ……」
 ちひろ「脅迫イタダキマシター」ジィィィィ
 P「うわぁああああああもうやだぁああああああああ!!!」


 ちひろ「さて冗談はこのくらいにして」
 P「冗談で人の心へし折らないでください」


 ちひろ「あー皆さん知っての通りこの業界に8ヶ月後、超弩級サイズのイベントがあります。そう通称『IA』」
 ちひろ「社長の予想では売れないアイドルの存在感を完全に消し去り」
 ちひろ「以降2ヶ月はどのようなキャラのアイドルも売れなくしてくださるそうです」
 ちひろ「おかげさまで育成プロジェクトの方は我々の貴重な休日を奪いながらも順調に進んでいます」

 ちひろ「さて問題はユニット、こっちの方です」
 ちひろ「私の誕生日の翌日だったからちょうど一ヶ月前ですね」
 ちひろ「こいつが忽然と姿を現しました。しかもとんでもないメッセージのおまけ付きで、です。メッセージの中身はこうでした」
 ちひろ「このプロダクションのアイドルを救いたい。ついてはアイドルの属性各一名」
 ちひろ「それにプロダクションのアイドルとプロデューサーをリーダーとして一名ずつ企画に入れて欲しい」
 ちひろ「もちろん自らを神様と名乗る人間の頼みなど無視するのが筋!…のはずだったんですが」
 ちひろ「どこでどういうことになったのか幹部連中はこの与太話にゴーサインを出しました」
 ちひろ「おまけにこの企画に参加したいと言い出すオッチョコチョイまで出る始末」
 ちひろ「そう!そこにいるPさん!あなたのよーく知っているあの凛ちゃんです」

 ちひろ「彼女はこのプロダクション設立当時のメンバーでもあるし確かにアイドル集めにはピッタリです」
 ちひろ「不愛想ですが尻軽よりマシでしょう。性格はアレですから退屈はしませんよ」
 ちひろ「それに今どきシャツを美味しそうに食べる!さあもうわかったでしょう」
 ちひろ「残るは凛ちゃんの花婿男性プロデューサー1名!経験不問!一切の保証無し!」
 ちひろ「我と思わん者は手元のボタンを押してください。強制はしません」
 ちひろ「以上!説明終わり!」

 ちひろ「ほらPさんさっさとAボタン押しちゃってくださいよ」
 P「今さっき強制しないって言ったばかりですよね?」
 ちひろ「強制はしませんが脅迫はしますよ?」
 P「おまえは人間じゃねえ!!」
 ちひろ「人間ですよ、歴としたね!!」

〖一時間後〗

 ちひろ「Pさん!!一応もう一度だけ確認しますが企画は方向性さえわかってない…」
 ちひろ「プロデューサー生命の保証なんてハナからない…それでもいいんですね?」
 P「いいわけないゾ」
 ちひろ「そうですか…残念です、でも恥じることじゃありません大切な問題ですからね…」
 ちひろ「Pさんが社会から抹消されても…きっと私だけは覚えてますから」
 P「何をする気ですか?」
 ちひろ「いやですね何もしませんよ。私は」
 ちひろ「ただPさんの身の安全は保証しかねます」
 P「実質選択肢なんか無いじゃないですかヤダー」

 ちひろ「よし!!この企画のプロデューサーはPさんで決まりですね」
 ちひろ「皆さんも自分の業務の妨げにならない範囲でPさんに協力すること!!
 ちひろ「以上!解散!!」
 
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