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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1905話

「結子、お前何の用だよ」

 机の上で絶望のポーズをとっていた宮本が、いきなり自分を三馬鹿トリオと呼んだ女に向かって不満そうに言う。
 三馬鹿トリオ……トリオということは、当然のように3人組な訳で……その3人が誰なのかというのは、考えるまでもなく明らかだろう。
 ぶっちゃけ、俺以外の3人だ。
 順平と友近も、成績は悪そうだしな。
 少し離れた場所にいる有里に視線を向けるが、そこでは机を枕にして眠っている有里の姿がある。
 有里の成績がどうなのかは分からないが、今まで授業中に当てられた時は殆ど答えているのを見る限り、そこまで成績が悪いという訳ではないだろう。
 ……となると、やっぱり三馬鹿トリオというのが誰なのかは、考えるまでもない。
 西脇結子、と宮本が簡単に紹介する。

「何の用って、勉強どうするのかと思って。赤点を取る訳にはいかないんでしょ? 何なら、勉強を教えてやってもいいけど? マネージャーとして、部員の中から赤点を取るような人は出したくないし」
「あー……赤点はちょっとなぁ」

 そう言いながら、何故か宮本の視線が俺に向けられる。
 何だ? もしかして、俺に勉強を教えて欲しいって事なのか?
 いやまぁ、それはそれで構わないんだが。
 基本的に、俺は部活もやっていないしそこまで忙しい訳でもない。
 多少勉強を教えるくらいであれば、何の問題もなかった。

「ふーん。……アルマー君だっけ。この馬鹿の面倒を見てくれるの? なら、こっちとしても助かるんだけど」

 西脇の視線が俺に向けられ、そう尋ねられる。

「まぁ、いいかどうかで言えば、俺は構わないけど。……ただ、毎日って訳にはいかないぞ? 何だかんだで、俺だって色々とやる事はあるんだし」

 前半を西脇、後半を宮本に向け、それぞれ告げる。
 実際普通に寮で食事とかが出る寮生だったり、母親がその手の支度をしてくれる実家通いの連中と違って、俺の場合は家事の類も1人でやらなければならない。
 勿論料理とかそういうのは、出来たての物をテイクアウトして大量に空間倉庫の中に入っていたり、サンドイッチとかおにぎりとかそういうのを買って空間倉庫の中に入れたりはしている。
 だが、それでも最低限食器を洗ったり、ゴミの選別をしたり、掃除をしたり、洗濯をしたり……といった真似はせざるを得ない。
 それ以外にも、影時間関係で色々とするべき事はあるので、暇は暇だが、毎日時間を取れる訳ではない。

「それでもいいから、頼む! このままだと色々とヤバイんだ!」

 深々と頭を下げてくる宮本。
 ……こうして見ると、本気で色々とヤバイらしい。

「分かった。それで、いつ勉強する? 場所は図書館辺りでいいのか?」
「あ、はい! 俺ッチ、アクセルの家に行ってみたい!」

 そう言ったのは、何故か今回勉強を見る予定の宮本ではなく、順平だった。

「いや、何であんたが出しゃばってるのよ」
「ゆかりッチ、厳しい! ……いや、真面目な話、俺ッチもテストが結構危ないんだよね。もし下手な点数を取ったら……分かるっしょ?」

 まるで冬に戻ったかのように、順平は震える。
 どうやら順平の方も、宮本に負けないくらい危険らしい。
 まぁ、順平の住んでいる寮には桐条もいるしな。
 真田ならともかく、桐条の場合はテストで赤点を取るなんて事になれば、罰とかありそうだ。
 そう考えれば、やっぱり寮に住むのも善し悪しだよな。
 それに、寮だと盗撮カメラが仕込まれているし。

「あー……けど、宮本だけならともかく、順平まで教えるとなると、手が回らないぞ?」

 宮本の様子を見る限り、かなり本格的に危険らしい。
 そんな相手の様子を見ながら、順平を見ると……そっと、友近が手を挙げる。

「そのー……もし勉強をするのなら、出来れば俺もお願いしたいんだけど」
「完全に俺だけだと手が足りないな。となると……」

 周囲を見回し、真っ先に目が合ったのは当然ながら近くにいたゆかり。
 それと、離れた場所で眠っている有里。
 ……うん、これなら3人になるな。

「ちょっと、何でそこで私を見るのよ?」

 嫌な予感でもしたのだろう。ゆかりがジト目をこちらに向けてくる。
 ゆかりは別にテストで廊下に張り出される成績上位者という訳ではないが、それでも平均より上の点数は取っていると、以前何かの拍子に聞いた事がある。
 そう考えれば、教えるには十分だろう。

「最後まで言わなくても分かってるだろ?」
「何で私がわざわざ三馬鹿トリオに勉強を教えなきゃいけないの? 勉強なんて普段からある程度予習復習していれば、そんなに問題ないんだから」

 それは事実だ。
 普段から予習復習をきちんとし、授業も寝たりしないで真面目に聞いていれば、成績の上位……とはいかないが、それでも平均点の前後くらいは取れてもおかしくはない。
 要領が悪ければもう少し成績は悪くなるかもしれないが、それでも赤点を取るなんて事は、まず考えなくてもいい筈だった。
 特に影時間に適性のある人間の場合、普通の人よりも3時間から4時間くらい毎日余分に使える時間があるのだから。
 勿論タルタロスに挑んだりといったこともするが、それだって別に毎日という訳ではない。
 そういう時は、それこそ完全に自由になる時間があるのだから、勉強をするつもりになれば、幾らでも出来る筈だ。
 ……まぁ、それがあってもやらないのが、順平なのだろうが。

「えー、そんな事を言わないで、頼むよゆかりッチ。このままだと、本当に危ないんだって」
「岳羽さん、頼む!」
「是非、お願いしますです、はい」

 順平、宮本、友近と3人が揃って頭を下げていく。

「ちょっと……あー、もう。しょうがないわね。分かったわよ。でも、私とアクセルの2人だけだと足りないわよ? 西脇さんが手伝ってくれるの?」

 今回の話を持ってきた人物に視線を向けるゆかりだったが、肝心の西脇の方はゆかりに向かって首を横に振る。

「あー、ごめん。私もテストではそこまで成績がいいって訳じゃないから、自分の勉強を優先させたいんだ」
「そう。となると……」
「有里でいいだろ。結構成績がよかったみたいだし」

 迷っている様子のゆかりに、そう声を掛ける。
 ゆかりも、このクラスにいるだけあって有里の頭がいいのは知ってる筈なんだが……
 そう思ったのだが、ゆかりは気が進まない様子に見える。

「あー、能力だけを見ればそうかもしれないけど、能力以外を考えると……ねぇ?」
「あ、あはは。そうだね」

 話を振られた西脇も、ゆかりの言葉に同意するように乾いた笑い声を漏らす。
 それでも意味が分かっていない様子の俺に対して、ゆかりは少し呆れたように口を開く。

「あのね、有里君はクラスでも……いえ、学校全体で見ても人気があるのよ。そんな有里君と一緒に勉強したと知られてみなさい。間違いなく私が思いきり嫉妬されるわよ。いえ、それだけならいいでしょうけど、もしかしたらアクセルの家に自分も勉強したいって言って、何人……いえ、何十人もくるかもしれないわよ? それでもいいの?」
「あー……それは困るな」

 そもそも、俺の部屋はかなり狭い。
 荷物とかがあまりないからそれなりに広く見えるが、それでも何十人もというのは物理的に入れないだろう。

「うーん、そうなると有里以外に勉強の出来る人物がもう1人必要か。……うん?」

 順平の方を見て、ふと思いつく。
 なるほど、真田辺りなら何とか引っ張ってこれるか?
 勉強に付き合ったら模擬戦をやるとでも言えば、何とでもなりそうな気がする。

「分かった。じゃあ俺に心当たりがあるから、そっちに聞いてみるよ」
「え? 誰か心当たりがあるの?」
「ああ。多分だけど大丈夫だと思う。誰なのかは……後のお楽しみって事にしておくか」
「……アクセルがそう言う時って、微妙に信用出来ないんだけど……まぁ、いいわ。他に誰かいる訳じゃないし」

 結局心当たりがいなかったらしく、ゆかりはそう言って俺に丸投げをしてきた。
 実際には、ゆかりは何気に顔が広い。
 もっとも、広く浅くって感じである以上、この勉強会に呼び掛ける事は止めたのだろうが。
 そうして話が大体決まったところで、休み時間終了のチャイムがなる。
 西脇がそれじゃあ、と手を振って自分のクラスに戻って行くのを見ながら、俺達も自分の席に座るのだった。





「3-Cか」

 3時限目の授業が終了した俺は、桐条にメールを送って真田のクラスを聞き出すと、早速その3-Cに向かっていた。
 ちなみに真田のクラスを聞くだけなら、それこそ順平に聞いた方が手っ取り早いんだが……今回はドッキリを仕掛ける一面もあったので、桐条にメールで聞いた訳だ。
 まぁ、真田は月光館学園でも有名人の1人なのだから、別に桐条に聞かなくてもファンクラブの連中に聞けばすぐに分かったような気もするが。
 ともあれ、そんな訳で俺は3-Cの前にやって来ていた。
 何人かの生徒が、何で下級生がこんな所に? といった視線を向けてくるが、真田とスパーリングをして勝った俺の顔を知っている者もいるのだろう。
 不思議そうにこっちを見ている者の数はそこまで多くはない。

「悪いが、真田を呼んでくれないか?」

 教室の扉の近くにいた、真面目そうな男にそう告げる。
 その男は少し迷惑そうにこっちを見たが、それでも特に不満を口にせず真田のいる方に向かって歩いていく。
 ……そこでは、何人かの女に囲まれている真田の姿があった。
 恐らく、ファンクラブの者達だろう。
 だが、真田のような場合は攻め一辺倒ではなかなか口説き落とせるものではない。
 少し引いてみるのも大事だと思うんだけどな。
 もっとも、ファンクラブにいるのは本当に真田を好きだというのではなく、追っかけとかファンクラブという活動を楽しんでいるという者も多い。
 そういう意味で真田を好きだと思ってるのは……さて、どれくらいいるのやら。
 ただ、真田がその気になれば、ファンクラブの女と深い関係になるのはそう難しくはないんだろうが……真田はそっち方面にあまり積極的じゃないからな。
 ともあれ、そんな真田に俺が頼んだ男が近づいていき、やがて一言、二言、言葉を交わす。
 そして真田が俺の方を見て、嬉しそうにこっちに向かって歩いてくる。
 代わりにファンクラブの女達が不満そうな視線を向けてくるが……話はすぐに済むから、それまで待っててくれ。

「どうした、アルマー」
「ああ、ちょっと頼みがあって。……サンキュ」

 真田をここまで連れてきてくれた男に軽く礼を言い、真田との話に移る。
 何だか礼を言われた男が微妙に不満そうな表情を浮かべていたが、何なんだろうな。

「頼み?」
「そうだ。確か、真田は学校の成績がそこそこ良かったよな?」
「そうだな。一応そこそこは維持している」
「だと思った。……で、順平を含めてクラスの中でも成績の悪い知り合いを何人か集めて勉強を教える事になったんだが、教えるのが俺とゆかりしかいなくてな。出来れば真田に付き合って欲しいんだが」
「俺がか? いや、だが……」

 一応真田も有里と同じく、学校の中でも有名人ではある。
 だが、有里と違って学年が違うのであれば、恐らく真田が勉強を教えに来ても問題ないだろうと、そう思っていたのだが……
 真田から返ってきたのは、首を横に振るという行為だった。

「悪いな、ボクシング部の連中に勉強を教える約束をしてるんだ。そっちを何とかしないと、大会の方も危なくなる」
「あー……そうか。一応こっちを手伝ってくれたら、模擬戦をやってもいいって言おうと思ってたんだけどな」

 その言葉に、真田は一瞬で目が真剣なものになる。
 そのまま何かを考えるようにして悩み出すが、最終的には苦渋の決断……見るからに血の滲むようなと表現するのが相応しい様子で首を横に振る。

「駄目だ……出来れば、アルマーに協力したかったんだが、どうしても都合がつかない。ボクシング部の中には、頭が悪い奴が多くてな」

 あー……だろうな。
 俺の偏見だというのは分かっているだろうが、やっぱりボクシングをやってる奴は不良とかそういう系統の奴が多いという印象がある。
 そのような者達は、当然ながら勉強が得意という訳ではないだろう。
 いや、別に月光館学園のボクシング部は不良がいる訳ではないが、以前部室に行った時の事を思えば、勉強が得意そうな奴はあまりいそうには見えなかった。
 勿論全員が全て脳筋という訳ではないのだろうが、勉強を出来る奴と出来ない奴で分けた場合、圧倒的に後者が多いのも間違いないだろう。
そして真田は出来る方の筆頭な訳だ。

「そうか、分かった。そういう理由があるのなら、無理にとは言えないな。となると……どうするべきだろうな」
「ふむ、そうだな。なら美鶴に奴に頼ってみたらどうだ? あいつは学年でも常にトップの成績を維持してるしな」

 真田は俺に、そう告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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