ドリトル先生と春の花達
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第九幕その六
「刺激は他のもので得るべきだよ、麻薬も脳内麻薬っていうね」
「自分で気分が高揚してだね」
「それでやっていくべきなんだ」
「麻薬は自分で作る」
「頭の中で」
「ドーパミンが出るから」
人間の脳からというのです。
「だからね」
「そちらを出すべきで」
「そうした麻薬はしたら駄目だね」
「それは何にもならないから」
「破滅しちゃうからね」
「お酒も過ぎたらよくないし」
アルコール中毒になるからです、こちらはこちらでかなり怖いことになってしまうのです。
「けれどそれよりも遥かにね」
「麻薬はだよね」
「そのお酒よりも怖いから」
「やったらいけない」
「芸術をやっていても」
「僕はそう思うよ。刺激が欲しくてもスランプになっても」
スランプになってもと言うのでした。
「その時は色々見て回ったり考えたりとにかくヒントを得ることを目指してね」
「そこからだね」
「スランプも脱出すべきだね」
「刺激もそうして得て」
「やっていくいべきね」
「そうだよ、スランプになっても」
例えその場合もというのです。
「麻薬をやったら逃げることだよ」
「悪い方に」
「先生は逃げることも否定しないけれどね」
「逃げ方や場所は選ぶべき」
「そういうことね」
「例えば部活で先生が暴力を振るうならね」
学校の場合を例えるのでした。
「辞めるべきだけれどね」
「その先生がどうしようもない先生なら」
「日本にはヤクザ屋さんと変わらない先生も多いし」
「そんな先生からは逃げた方がいいわね」
「自分が怪我をする前に」
「自分じゃなくても些細なことでとんでもない暴力を振るう先生が部活の顧問ならね」
若しそうならというのです。
「辞めた方がいいよ」
「自分が暴力を受けて怪我をする前に」
「その前にだね」
「逃げるべきで」
「それでなのね」
「逃げることは悪いことじゃないんだ」
先生は皆にあらためてお話しました。
「そのことにも決断する勇気が必要だし」
「悪い場所から去る勇気」
「まさにそれね」
「悪い人がいる場所は悪くなるから」
「そこから去るのも大事ね」
「そう、だから悪いことじゃないんだ」
逃げること自体はというのです。
「けれどね」
「逃げ方と場所ね」
「それがどうなのか」
「麻薬に逃げたらいけない」
「そうしたことには」
「それは自分を壊してしまうから」
また麻薬のことをお話しました。
「絶対に駄目だよ」
「じゃあ芸術はだね」
「刺激は前にお会いした人みたいになのね」
「勉強をして描いて手に入れる」
「スランプを抜け出す方法を見付けるにしても」
「そうだよ、お酒も多少ならいいし」
アルコール中毒にならない範囲で、です。
「遊んでもスポーツをしても読書をしてもいいんだ」
「けれどだね」
「麻薬は駄目」
「それについては」
「先生はよくないって言うんだね」
「そうだよ、自分自身が壊れてどうなるのかな」
先生は悲しいお顔で言うのでした。
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