ドリトル先生と春の花達
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第九幕その二
「奈良市や長谷寺の桜も奇麗だしね」
「長谷寺もなんだ」
「あそこのお寺も有名だよね」
「女人高野っていうね」
「そう言われてるね」
「そうだよ、あのお寺はね」
まさにというのです。
「桜も有名だから」
「だからだね」
「そちらの桜も観たいんだ」
「機会を見付けて」
「そうなんだね」
「そう思ってるんだ、あの時はね」
是非にと言うのでした、そしてです。
先生は桜の木達を見ますがまだ咲いてはいません、ですが。
その木達を見てです、先生は言いました。
「もうすぐ蕾が出るね」
「えっ、全然ないけれど」
「そんなのは全然」
「これで咲くの?」
「まさか」
「出るよ」
お花のそれがというのです。
「明日にでもね」
「そうなんだ」
「先生ならわかるんだね」
「先生植物学者でもあるしね」
「お花の蕾が出るって」
「そのこともだね」
「うん、わかるよ」
本当にというのです。
「見ればね」
「そこは先生だね」
「そうしたこともわかるなんてて」
「流石は先生だよ」
「植物学者でもあるだけはあるよ」
「これだと若しかしたら」
先生は笑顔で言いました。
「いつも通りにね」
「咲くんだね」
「遅れることなく」
「そうなるんだね」
「そうなるかもね、いや本当にね」
先生は笑顔のまま言いました。
「植物学も学んでいてよかったよ」
「それでも見ただけでわかるって凄いよ」
「学者さんでもね」
「先生医学とか動物学だけじゃないからね」
「色々な学問が出来てね」
「植物学もだからね」
「観ただけでわかる位だから」
そこまで凄いからというのです。
「それで蕾が出ることもわかるんだ」
「凄いことだよ」
「ずっと心配だったけれど」
桜が咲くのが遅れるかとです、チーチーもこのことが気が気でならなかったのです。日本にいてそうなったのです。
「明日蕾が出るんならね」
「いつも通り咲くかしら」
ポリネシアも言います。
「そうなるかしら」
「そうね、明日蕾が出たら」
ダブダブが続きました。
「入学式や始業式には間に合うわ」
「それじゃあ問題ないね」
トートーはまだ出ていない蕾を見ています。
「楽しみに待っていよう」
「先生はこうしたことは間違えないしね」
「学問のことならね」
オシツオサレツは先生を信頼しています、このことは他の皆も同じです。
「それなら明日蕾が出て」
「いつも通り咲くね」
「そして和歌会の時は」
ガブガブが思うにはです。
「和歌会の植物園の中も外も満開だね」
「この学園の全部の桜が咲くとね」
「何千本もあるから」
チープサイドの家族はその時のことを楽しみにしています。
「もう一面桜色でね」
「凄く奇麗なのよね」
「その中で和歌を詠うなんて」
ジップが思うにはです。
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