ヘタリア大帝国
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93部分:TURN9 ドクツ動くその八
TURN9 ドクツ動くその八
「ああしたひらひらでカラフルな服は着られたものじゃない」
「歌を歌ったり踊るのはよくても?」
「それはいいが。この前の赤と黒の学校の制服みたいなのは何だ?」
「あれね」
「そうだ、あの衣装だ」
レーティアのステージ衣装も全てグレシアがデザインしている。言うならばグレシアは彼女のマネージャーでありプロデューサーなのである。
その彼女がデザインしたその衣装についてだ。レーティアは問うたのだ。
「あれは何だったのだ」
「日本帝国のアイドルグループの衣装よ」
「また日本帝国か」
「そう。可愛いって思ったからね」
「あれも恥ずかしかったぞ」
「大好評だったわよ、国民に」
グレシアはこう言うがだ。それでもだった。
レーティア本人は嫌な、誰が見てもそう見える顔と態度でだ。グレシアに返した。
「それでも私はだ」
「駄目よ。これも国家元首の務めだから」
「総統のか」
「そうした務めを果たしてこそよ」
「国民は私についてきてくれる、か」
「国家もね。だからこその支持率百パーセントよ」
つまり完全にだ。ドクツの国民はレーティアを支持しているのだ。それだけ彼女の人気は絶大でだ。尚且つその支持の中身も濃いものになっているのだ。
そしてこのことをだ。グレシアはさらに話した。
「占領するポッポーランドやギリシア、北欧もね」
「私がツアーを行いか」
「そう。ドクツの国民になってもらうわ」
「そうするか。ではだ」
「ええ。ツアーの用意もお願いね」
「わかった」
嫌々だがそれでもだった。レーティアも頷いた。戦争に勝ってそれで終わりではなかった。
それからのことも考えながらドクツは動いていた。既にポッポーランドやルーマニア、ブルガリア方面の国境にだ。
ドクツの軍が向かっていた。その動きは。
「速いわね」
「そうね」
ドイツ妹とプロイセン妹がその艦隊の動きを見ながらモニターを通じて話していた。二人も兄達と共にポッポーランドとの国境に向かっているのだ。
そしてその中でだ。妹達は銀河の大海を進む艦隊の動きを見てだ。話しているのだ。
「これまでの艦艇とは違う」
「全く違う速さね」
「こんな速さの艦艇ははじめて見たわ」
ドイツ妹の言葉は唸る感じだった。己の旗艦の艦橋から。
「総統が設計、開発されたこの艦艇は」
「総統閣下ね。凄い方ね」
プロイセン妹も唸る。まさにそうした声だった。
「政治や経済だけでなくね」
「そう。軍事も改革して」
「兵器の開発も行っているからね」
「この兵器は何世代も先を行っているそうね」
ドイツ妹は自分達の艦艇を見ながらまたプロイセン妹に話した。
「三世代辺りかしら」
「四世代位じゃないの?」
プロイセン妹はこうドイツ妹に返した。
「うちの兄貴も喜んでるわよ」
「プロイセンさんもそうなのね」
「そうだよ。兄貴も総統をかなり褒めているわ」
「私達と同じく」
「そうよ。そうしてるわ」
「ドクツは一つにまとまってるのね」
ドイツ妹はこのことも察して述べた。
「オーストリアさんにハンガリーさんもそうなっているし」
「そうね。全てはレーティア総統の下に」
「あの方の共にね。私達は進むのね」
こう話してだ。そうしてだった。
ドクツの艦隊は進んでいた。そうしてだった。
ポッポーランドに侵攻した。それを聞いてだ。
ポーランドは自分の国の菓子をかじりながらだ。リトアニア、今はソビエトにいるかつての相棒に対してだ。電話でこんなことをだ。実に陽気に話していた。
「で、ドクツが来たんよ」
「えっ、それって大変なことじゃない」
「大丈夫大丈夫」
驚くリトアニアにだ。ポーランドは明るく返す。
「ドクツなんか楽勝だしーーー」
「けれど結構な数が来てるんだよね」
「まず国家艦隊が四つ?」
ドイツ達であることは言うまでもない。
「それと後二つ来てるんよ」
「合わせて六個艦隊」
「で、うちは十個艦隊なんよ」
「数は優勢だけれど」
「だから楽勝じゃね?」
実に明るく言うポーランドだった。
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