ヘタリア大帝国
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79部分:TURN8 レーティア=アドルフその三
TURN8 レーティア=アドルフその三
そしてそれからだ。落ち着きを取り戻して述べたのである。
「で、そのオーストリアはまだかよ」
「これでも飲んで落ち着け」
ドイツがプロイセンにコーヒーを差し出して言ってきた。
「いいな。これを飲んでだ」
「ああ、相棒が淹れてくれたのか」
「そうだ。これを飲んで落ち着け」
「悪いな。それじゃあな」
プロイセンもドイツの淹れたそのコーヒーを受け取りだ。立ったままそれを飲みながらだ。
やや落ち着きを取り戻してだ。こんなことを言った。
「ところでイタちゃん達だけれどな」
「あいつ等か」
「何か向こうの上司が俺達と手を結びたいって言ってるそうだな」
「こちらからも言っている」
ドクツ側からもだ。それを求めているというのだ。
「我がドクツ第三帝国とイタリン共和帝国の同盟だ」
「いいねえ。イタちゃん達とのタッグかよ」
イタリンとの同盟についてはだ。プロイセンは淀みも皮肉もない笑顔になった。
そしてその笑みでだ。こう言うのだった。
「これでもう困ることはないな」
「困ることが増えるのじゃないかしら」
ここでドイツ妹は心配する顔でプロイセンに突っ込みを入れてきた。
「イタリアさんとロマーノさん達だと」
「あそこの妹達はしっかりしているがだ」
ドイツもだ。不安な顔で言うのだった。
「あの連中はな。あまりにも」
「弱過ぎるから」
「心配だ。足を引っ張られそうだ」
「敵としては有り難いけれど」
「味方になれば脅威だ」
ある意味においてそれだというのだ。それがイタリンだというのだ。
しかしプロイセンはだ。明るい笑顔でこう二人に言うのだった。
「わかってねえな、イタちゃん達のよさが」
「いいのですか?」
「そう思えるのか?相棒は」
「そうだよ。だから相棒達はイタちゃん達に厳し過ぎるんだよ」
イタリアについてだ。明るく言うプロイセンだった。
「あんなに明るくて愛嬌のある奴等がいるか?」
「確かに悪い人達じゃないけれど」
「それでもだ。あの二人はだ」
「あまりにも弱くて。しかもすぐに逃げるから」
「戦力にはならないが」
「だからよ。何でそうイタちゃん達のよさを見ないんだよ」
プロイセンは戦い以外のことを見て語っていた。
「あの気候に料理、ワインに音楽な」
「どれもいいわね」
プロイセン妹も笑顔になって自分の兄に賛同した。
「私もイタちゃん達は好きよ」
「そうそう。イタちゃん達は悪い子じゃないわよ」
ハンガリーもだ。笑顔でプロイセン妹に賛成する。どうやら彼女とプロイセン妹の関係は決して悪いものではないらしい。兄との関係とは違い。
「だから。安心してね」
「同盟を結ぶべきか」
「そう言うのね」
「ああ、俺は大賛成だぜ」
プロイセンは目を輝かせてさえいた。
「イタリンとの同盟にはな」
「そもそも今回の式典はあれじゃない」
プロイセン妹も言う。
「オーストリアさん達の参加と。イタちゃん達とのことでの発表だから」
「それ多分あれだぜ」
笑顔でだ。言うプロイセンだった。
「イタリンとの同盟発表だぜ」
「そこまで話が進んでいるのか」
今話が出たところでそうなるからだ。ドイツは思わず言ってしまった。
「全く。本当にいいのだろうか」
「いいんだよ。これで俺達とイタちゃん達はずっと一緒だぜ」
プロイセンの陽気さは変わらない。イタリンに対しては。
「じゃあ。オーストリアの野郎が着替え終わったらな」
「いよいよか」
「ああ、総統さん達と一緒にな」
国民の前に出るというのだ。その話をしているとだ。
遂に最後の一人が来た。オーストリアだ。彼も黒い軍服姿だ。
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