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ドリトル先生と春の花達

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第八幕その四

「何もしていない」
「そういうことなんだ」
「すれば出来るんだ」
「誰でも?」
「そうだよ、必ずね」
 そうなるというのです。
「だから諦めないことなんだ」
「まずは」
「そう、諦めずにね」
 まさにそうしてというのです。
「やることが大事だし最初にね」
「出来ると思って」
「失敗も恐れないでね」
 まさにそうしてというのです。
「やってみるんだ、そうすれば出来るから」
「何度失敗しても」
「一度も失敗しない研究や実験はね」
 それこそというのです。
「ないからね」
「だからなんだ」
「そう、王子もやってみたらいいよ」
「英文の詩をだね」
「和歌の心で作ることをね」
 そうしたことをというのです。
「やってみたらいいよ」
「それじゃあね」
 王子も頷いてです、先生に言いました。
「やってみるよ」
「そうしたらいいよ」
「面白いことだしね」
 また言った先生でした。
「やってみたらいいさ」
「それじゃあね、ただね」
「ただ?」
「先生は詩人でもあったんだ」
「僕が?」
「実際に詩を作るからね、それに和歌も詠うから」
 このことからも言うのでした。
「歌人でもあるね」
「そんなものじゃないよ」
 笑ってです、先生は王子のその言葉を否定しました。
「別にね」
「そうかな」
「うん、詩人や歌人というとロマンチックだけれど」 
 これがというのです。
「また違うからね」
「そうなんだね」
「そうだよ、本当にね」
「そんなものかな」
「それに僕は詩や和歌では生きていないから」
「学問に生きているね」
「だから学者だからね」
 それでというのです。
「そちらに専念しているからね」
「学者だね」
「そうだとは思っているけれどね」
「詩人や歌人じゃなくて」
「そちらだよ」
 まさにというのです。
「僕はね」
「学者なんだね」
「そうだよ、そこはね」
「成程ね、じゃあ詩や和歌は先生にとっては学問かな」
「その中の一つかな」
「そうなるんだね」
「うん、僕は学者だからね」
 それでというのです。
「文学の一環としてね」
「詩も和歌もだね」
「楽しんでいるかな」
「学者さんとして詩や和歌を行う」
「そうなるね」
「それでもいいんじゃないかな」
 また言った先生でした。
「僕はそう思うよ」
「成程ね」
「誰でも楽しめばいいんだよ」
「詩も和歌も」
「楽しんでね」
「そうなんだね」
「うん、俳句もあるね」 
 先生はこちらもお話に出しました。 
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