ヘタリア大帝国
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7部分:TURN1 殿軍その七
TURN1 殿軍その七
「けれどそこにあるものはな」
「非常に危険なものですね」
「ソビエトの話は聞いてるさ」
東郷もだ。それはだというのだ。
「聞けば聞く程な」
「あの国は恐ろしい国ですね」
「そして共有主義もな」
「それに逆らう者は誰であっても」
「ラーゲリの話は信じたくはない」
東郷の顔が曇る。その話をしているうちに。
「けれどな。どうやらな」
「そうですね。真実の様です」
「おそらくあの国が一番危険だ」
「ガメリカよりも中帝国よりもですか」
「当然エイリスよりもな」
そのソビエトという国は危険だというのだ。
「だからこの満州は余計に重要だ」
「中帝国、そしてそのソビエトと隣接しているだけに」
「失う訳にはいかないがな」
「いかないが、ですか」
「勝敗は戦争の常だからな」
言葉は飄々としているがその内容は真剣なものだった。
「今回の戦闘もわからないな」
「ですが中帝国軍は数こそは多いですが質は劣悪ですから」
秋山も中帝国軍のことは把握している。それで言うのだった。
「今の我が軍の戦力で戦えると思いますが」
「そして勝てるな」
「二倍開いていても勝てます」
秋山はこのことは断言した。
「これまで通りです」
「普通にいけばな」
だが東郷はここでこう言うのだった。
「勝てる戦いだな」
「普通にいけば、ですか」
「ああ。戦いにアクシデントはつきものだな」
「それはその通りですが」
「御前はそうしたことには今一つ弱いがな」
秋山のその杓子定規な性格故になっている突然の事態への弱さもだ。東郷は指摘した。
「だがアクシデントはままにしてある」
「では今の戦いも」
「あらゆる事態を想定することだ」
東郷は淡々とだが戦争において絶対に頭に入れておかねばならないことを述べた。
「本当に何があってもな」
「驚かず対処することが重要ですか」
「俺達は幸い予備戦力だ」
「では何かがあれば」
「そうだ。動くぞ」
「わかりました。それでは」
秋山は東郷の言葉に頷きそのうえでだ。
後方に留まり戦局を見ることにした。戦いは日本軍第一艦隊の攻撃からはじまった。
「撃て!」
司令の号令と共にだ。ビームが放たれる。それがだ。
中帝国軍の艦艇を撃ち次々に撃沈していく。そのままだ。
第一艦隊は突き進み敵軍へのさらなる攻撃に移る。それに呼応してだ。
日本が率いる第二艦隊も前に出た。第二艦隊旗艦日本の艦橋においてだ。
日本は各員にだ。こう指示を出した。
「では我が軍もです」
「はい、このままですね」
「前に出て」
「第一艦隊に続きます」
そしてだというのだ。
「ビーム攻撃を仕掛けそのうえでミサイル攻撃に移ります」
「続いて鉄鋼弾ですね」
「それを使いますか」
「はい、まずはビームを使う敵の戦艦、巡洋艦を狙います」
見れば第一艦隊もそうしていた。敵の戦艦、巡洋艦から沈めている。
そしてミサイルの照準を水雷艇に向けている。それを見てだ。日本も敵艦隊の戦艦、巡洋艦に照準を合わせるというのだ。彼も敵をわかっていた。
「そうしましょう」
「既に敵の一個艦隊が壊滅しています」
第一艦隊のそのビーム攻撃でだ。
「では我々もですね」
「敵の一個艦隊を」
「はい、殲滅させます」
まさにそうするとだ。日本は艦橋において確かな声で言う。
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