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ヘタリア大帝国

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55部分:TURN6 北京星域会戦その一


TURN6 北京星域会戦その一

                  TURN6  北京星域会戦
 北京ではだ。既にだ。
 中帝国軍が大艦隊で日本帝国軍を待ち受けていた。その数はかなりのものだ。
 その大艦隊を見てだ。中国は妹に述べた。
「五十個艦隊あるが」
「艦隊数はかなりあるな」
「そうある。ただ」
 それでもだった。ここで中国妹はその眉をやや顰めさせて言った。
「質は」
「そうある。これを何とかしたいあるが」
「ガメリカからの技術援助はどうあるか?」
「結構高くついているある」
 中国はこのことを妹にだ。困った顔で話す。
「ガメリカも足元を見てふっかけてくるあるからな」
「アメリカさんはともかくあの四人姉妹あるな」
「その通りある。やっぱりあの四人は手強いある」
「ガメリカを実質的に動かしているあるしな」
「ガメリカだけでなくソビエトもあるあるが」
「あそこは絶対に駄目ある」
 中国妹もだ。ソビエトへの警戒は強かった。
「我が国を真っ赤にしようとしているあるからな」
「気付いていないのはリンファとその周りあるが」
「困ったことあるな」
「リンファは真面目で純粋ある」
 中国はリンファの性格もよくわかっていた。
「けれどそれだけに、ある」
「そうあるな。あのゾルゲに唆されているある」
「ゾルゲは僕も知っているある」
 中国もだ。彼のことはだというのだ。
「危険極まりない男あるよ」
「ソビエトの太平洋方面の工作の責任者あるが」
「韓国のところに金という男がいたあるな」
「金制止あるか」
「あの男は伝説の金羅鳴と自称していたあるがな」
「実はソビエトの工作員だったあるな」
「紛れもない偽者だったある」
 その金という男はだ。そうだったというのだ。
「韓国に入り込んであの星域を乗っ取るつもりだったある」
「けれど日本さんの軍に敗れて」
「死んだある」
「偽者ということも暴かれたあるが」
「あいつはゾルゲの手下だったある」
 中国は顔を曇らせて金のことを話していく。
「そうしたこともしてくる男ある」
「偽者を仕立ててでも仕掛けて来るあるか」
「だからリンファも下手をすれば」
「洗脳されている今よりも酷いことになるあるな」
「外見は同じでも急に中の人が入れ替わっているということも」
「考えられるあるな」
「ゾルゲは超人の能力を持つ狂信者ある」
 共有主義のだ。それだというのだ。
「恐ろしいことになるあるよ」
「ううむ、何とかあいつを排除したいあるが」
「どうしたらいいあるか」
 二人で首を捻りながらだ。あれこれと話すのだった。今彼等は中国の旗艦の中で話していた。
 そしてだ。そのリンファはだ。今港から出撃するところだった。
 紅のあちこちが露出しているチャイナドレスを着ている長い絹の様な黒髪の持ち主だ。髪で顔の右側がかなり隠れている。
 その目は大人しく優しい光を放つ黒であり睫毛が長い。純粋なものである。楚々とした顔立ちは提督には見えない。
 そしてその彼女にだ。白髪で何処か狐を思わせる背の高い男が話していた。見れば黒い服と帽子だ。
 その彼はだ。こうリンファに囁く。
「いいだろうか、同志リンファよ」
「はい、同志ビッグ=ゾルゲ」
 リンファも彼に応える。全幅の信頼を向けている声だった。
「この戦いで、ですね」
「日本帝国軍を破りだ」
「彼等を撃退したうえで」
「満州を奪還しよう」
「そしてそれから」
「君の名声が高まる。中帝国の中でな」
「それが、ですね」
 リンファはゾルゲを恍惚とした顔で見ながら話す。
「共有主義を」
「中帝国に広めることになるのだよ」
 ゾルゲは穏やかな声でリンファに告げる。
 
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